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1945年に日本が降伏した理由は原爆ではない。スターリンだ。

私は学校では、原爆が理由だと教えられた。しかし、どうも違うようだ。

大日本帝国は、米国とソ連による分割統治を避けたのだ。

8月9日に長崎に原爆が投下された。たしかに強烈なインパクトだっただろう。しかし戦争とは大勢が死ぬものだ。あの時点で10万人がさらに死んでも決め手にはならない。(注1)

実際、その前に東京や横浜の空襲で、もっと多くの民間人が死んでいる。1945年の3月から5月にかけてだ。しかし日本は降伏しなかった。

注1:ついでに言うと、あの混乱の極みの中では、死傷者の数など到底分からなかっただろう。原爆の死傷者数は、何年も経ってからの推定値だ。広島も長崎も、市役所を含めて燃え尽きたので、住民票だって存在しない。誰が死んだかすら分からなかったのだ。
また、あの戦争では軍民合わせて310万人が死んでいる。はっきり言って10万人は誤差だ。

決定的なのは、8月9日のソビエト連邦参戦だろう。放置すれば、ソ連軍が北海道に上陸するのは目に見えていた。日本軍はソ連の対日参戦はないという前提で戦略を立てていたから、東北と北海道は無防備だったはずだ。ソビエト軍は数ヶ月で栃木辺りまで進行したと思う。

それを米軍が座視するはずもない。ソ連が日本列島全土を占領したら、ソ連が太平洋を支配する。米国にはとても許容できない。だから、米軍は100万人の犠牲が出ようとも、日本本土への上陸作戦を実行したはずだ。

その結果はどうなると予想されたか。今の朝鮮半島、1991年までのドイツと同じ状態だ。日本の皇室を含む「体制」を維持するのは、おそらく無理だっただろう。

「天皇」が恐れたのはその事態だ。つまり時の「大日本帝国首脳陣」だ。米ソで分割統治されるよりは、米国に占領された方が、はるかにマシだったのだ。そして、それは事実だ。仮にスターリンの侵略を座視したら、現在の日本の北半分を「日本版金正恩」が統治していただろう。考えるだに恐ろしい。

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結論として、あの無条件降伏は英断だった。

しかし、主要因は原爆ではない。スターリンだ。

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