企業の研究所もとんでもなく低レベルです:大手機械メーカーK社の例。重症の鬱になり退職。

 ちなみに私はその後(大学卒業後)、業界トップの機械メーカーのK社に入社し、心機一転スタートしました。
 「高学歴」だと評価されて、研究本部の中央研究所に配属されました。
そして課長から、彼の下で研究を進めろとS先輩の下につきました。
 ところが、その日のうちに、別の先輩から「あいつの理論はデタラメだぞ」と^^;

 話を聞いてみたら、確かにトンデモ系でした。何を聞いても「実験すればわかる」の一点張り。結果を見せてNGだと言ったら「ふーん」で終わり。課長に「なんですかこれは」と聞いたら、「ああ彼はちょっとおかしいんだよな」と平然と。
 ならばなぜ新人を付けたのか。忙しくて私の相手をしたくなかったようです。

 開発中の製品は「プラズマ切断機」というのですが、鉄板を切断する装置です。レーザー切断機の兄弟です。トヨタの生産ラインなどで使っていました。

 これ1台が1500万円なのですが、年に20台ぐらいしか売れないので、利益などないも同然です。K社は1兆円企業ですから。

 これを「中央研究所」で大卒15人がかりのチームで「研究」していました。消耗部品の寿命の向上と言ってました。目標はコロコロ変わりましたが。
 実態は、毎日、鉄板を切って「どうすんだこれ?」と悩むだけです。

 そういえば、課長が他社の「プラズマ切断機」を購入して放置してあったのですが、新人である私にやらせるのに都合がいいと思ったらしく、「うちの機械と比べてみろ」と指示されました。ちなみに、「いつまでにやる」とか、「どうやる」とかは指示なしです。

 それで、私はそもそもうち(K社)の製品の性能を知らないので、とある先輩に「切断データを見せてください」と聞きました。「そんなものないよ」と平然と言われましたね。でも、切断性能が売りなのですけど。

 あと、強力な磁石を使っているのが特徴で、これの特許も売りでした。でも「なんで磁石が有るといいのか」と聞いたら、みなさん「わからない」と。そもそも何の性能が良いのかと聞いたら「消耗品の寿命が延びる(らしい)」とか「きれいに切断できる(らしい)」とか、各論噴出。

 「いや、でも採用するに至った実験データがありますよね」と聞いたら「ないよ」と。

 私が調べたところ、私の「直属の上司である」トンデモ天才S氏の発案で、セールストークにちょうどいいので採用したのでした。彼の理論を理解できる人は誰1人いなかったです。

 課長も「何がいいのかわからない」と言っていました。そして引き出しから、一枚のグラフを引っ張り出して、曰く、

「ああ、消耗部品の寿命が延びるんだった」

でも、グラフはそうは見えません。それを指摘したところ、

「ああ間違えた、寿命のばらつきが減るんだった」と訂正されました。

 でも、ばらつきと言っても、寿命のデータが2つしかないのです。ばらつきの評価などやりようもないです。平たく言って実験データなど無しで「言ってみただけ」です。でも特許権はあるらしかったです。

 まあ、何よりもすごいのは、それを平然と言ってのける課長のメンタルですよ。「ベテランの技術者」を自負していましたからね。彼は。私に技術者の心構えを諭してくれましたよ(笑)。

 とにかく、そんなおまけ的な製品を中央研究所で、15人がかりでやるなど経営的には、気が狂っているとしか思えません。大赤字です。

 人件費だけで、年間2~3億円かかりますからね。製品そのものの売り上げ高とほぼ同じです。利益など出るわけがない。

 3年ぐらいしてから、私は何も知識が身についていないことに気付き、C言語を独習しました。そうしたところ、新製品のプラズマ切断機の開発チームに配属され、ソフトウエア担当になりました。私1人だけです。チームと言っても総計3人。

 そして、いきなり製品のソフトウェアを作りました。誰も何も教えてくれなかったというか、C言語を知っているのは私だけなので独力です。

 ちなみに、私の処女作です。実用のソフトウェアなど、そのときに生まれて初めて書きました。たしか3000行ぐらい書いたはずです。

 それが製品開発としてデタラメなことは、私も知っていたので、上司に言いましたが、「まあやってみろ」と。私も「どうせ買う人などいるわけがない」と思っていたので、作ってしまいました。

 しかし、研究所は何を血迷ったのか、子会社でそれを売りました。3台売れたと聞いたのですが、なにせクレームが一件も来なかったので、まかり間違って売ったとしても、すぐに返品されたのでしょう。当たり前です。素人が作ったのですから。私だって買いません。

 そして、私はこの部署で7年ぐらい働いたのですが、アウトププットはゼロでした。全部失敗しました。すごいです。

 ちなみにそのS先輩は、200人規模の研究所で「3人の天才」の1人で通っていました。これもすごいです。研究所長に「部下の才能を見る目」「成果を評価する能力」が皆無なのです。万事その調子です。

 それでも当時は終身雇用制が前提だったので、その研究所に20年いました。そして何せ結果を出せないため、自責の念にかられたのと自尊心が破壊され、重症の鬱になり休職。5年間の超長期休職期間を経て、全く治る気配がないので、今度は休職していることに対する自責の念に堪えかねて自主退職。

 ちなみに、わたしが35歳の頃、同じチームの同年齢の先輩が投身自殺、半年後に大学で同じ学科の一つ後輩にして、一緒に会社訪問までした知人が会社のテストベンチで首つり自殺をしました。深夜に1人で作業をしていて、首をつり、早朝に発見されました。

 その頃、私は「プラズマチーム」とは別のチーム(テーマ)にいたのですが、15人の同僚のうち、半分は会社を辞めました。特に管理職だった3人は全員退職です。自主退職ですが、自殺騒動の後、最後は1年ぐらい仕事がなかったので、クビにされたようなものです。そりゃあそうなるでしょうけど。

 他にも、うつやリスカはありました。そのチームでです。まあ、そうですよね。

 なお、休職期間中に、私も3回、首つりを試みたのですが、「ぶら下がり健康器」を使ったので、無意識に暴れて転倒して失敗しました。

 (私の時は)会社は喜んで退職手続きをしてくれました。私が産業医に「退職しようと思います」と告げたら、「それがいい、早速総務に連絡しよう」と、10分後には退職手続きを開始してくれました。もちろん引き留めたりはしません。「給料泥棒」ですからね。

 その後、研究本部が丸ごと廃止になりました。30年間で成功したテーマが一つしか無かったので当然です。その一つの製品も、子会社まで作って一生懸命売っていますがあまり儲かっているとも思えません。レーザーなので、主力製品と違いすぎるのです。

 Gという会社で、エキシマレーザーという製品を売っています。
 しかしK社は建設機械メーカーなので、レーザー技術者などは、そもそもいません。無理やり感がものすごいです。技術的なメリットが全くないです。なぜKで売るのだろう、ずっと疑問でした。今もそうです。

 ちなみにGの創業時、資本はKとウシオ電機が半々ずつ出しました。ウシオ電機の社長の長女は、安倍首相の義理の姉です。つまり安倍晋三氏の兄がウシオ社長の娘と結婚しています。

だからGは、バッチリ政治力で成立した会社です。技術で勝ったのではありません。なお、創業後2年ほどでウシオは資本を引き上げました。儲からないからです。今はKの100%子会社。

 余談ですが、安倍首相の妻、昭恵氏は森永製菓社長の長女です。

 元民主党岡田克也はイオン創業者・社長の息子で、現イオン社長の弟。

 Kの創業者は吉田茂元首相の兄です。だからKでは自衛隊向けの装甲車も作っています。ズブズブです。

 政治家と大企業はズブズブです。別にKだけではないです。

 あと、ハイブリッド建機というのも、力を入れていました。そして製品化しました。でも、今では話題になることもありません。メリットがないのですよ。ちょっとだけ燃費が良くなるようですが、車両価格が高いので無意味です。CO2排出も少し減りますが、CO2地球温暖化が嘘だとばれたので、無意味です。

 日本のほとんどトップの機械メーカーが、このレベルです。日本の大メーカーのレベルはこんなものです。トヨタ、日産の生産技術がずば抜けて優秀なだけで、あとはスカです。

おまけ

 この話で、一番バカなのは、それでも20年も同じ職場にこだわった私自身です。転職などできるわけがないと思ったのです。

 実際、退職してからも、就職先などあるはずもなく、うつだったので自殺も考えたのですが、数年後のある日、投資を始めて見たら、意外とうまくいき、会社を起こして現在に至ります。社員は私だけですが。

 極度に視野が狭かったのですねえ。もっと広い視野を保って判断しないとひどい目に遭いますよ。死んだりします^^;

おまけ2

 私は技術職を20年間やっていました。当時からOJTという言葉があり、技術は職場で学べと指示されました。

 でも、上司や先輩から何かを教わったことはありません。せいぜいCADの使い方だけです。なぜなら、ほとんど全ての場合に、担当者である私が一番詳しかったからです。私は常に独学で、上司に技術を説明する立場でした。

 しかし、では専門分野は何かと言うと、何もないのですね。何でも屋、便利屋です。でも、応用物理学会、光技術なんとか学会で発表し、(SMAP細胞の小保方さんの)理化学研究所で2時間の講演をやったこともあります。当時はレーザー技術者でした。

 全て、単に喋っただけですけどね。内容なんてほとんどないに等しいです。つまり自社製品の宣伝をしただけです。

 ああ、私に限らず、研究所には専門家など誰もいませんでした。そもそも農学博士がディーゼル燃料の開発をやっていたりしますからね。専門性など無縁な研究所なのです。

 別の言い方をすると、全てのテーマが、ド素人が一から始めたテーマでした。成功するわけもないです。機械工学部卒の研究員が、バイオテクノロジーの研究をやっていました。微生物でアルコールがどうとか。無論失敗です。

 私は、学生時代は歯車の振動で修論を書きましたが、仕事で役に立ったことは、一度もありません。

 ついでに言うと、仕事で微分方程式を解いたことがありません。それどころか普通の方程式すら解いたこともありません。

 そもそも、微分や積分を使ったことがありません。配列は、数値計算の解説書を読むときに見たことがある程度。

 エネルギー保存則、運動量保存則を利用したことすら有りません。F=maすら使いませんから。

 英会話も不要でした(笑)

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でも、そういう経験をしたからこそ、今日現在を幸福に暮らしています^^

最終的に、私は笑って死ぬでしょう。それでいいのです^^

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