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【名医取材記#6】医師に「紹介状を書いてほしい」と言いづらい雰囲気の話

「紹介状」を最大限利用しよう

『国民のための名医ランキング』編集部です。
今回の取材記は、「医師や病院を選んで行きたい」というときに最大のネックとなる「紹介状」について書きたいと思います。取材していると、多くの患者さんがこの「紹介状」を用意することに苦労していると聞きます。
結論から言いますと、医師との関係を心配して「紹介状をお願いすること」をためらう必要はまったくありません。
ほとんどの方は、まず地元の「かかりつけ医」に通院している中で「どうも症状が改善しない、精密検査を受けたい」となったとき、より大きな病院に行きたいと思います。その時、大学病院や総合病院では必ず「紹介状を持ってきてください」と言われます。そもそも紹介状がないと予約が取れないことも多く、現在は紹介状なしで大病院に行くのは非常に困難になっています。もしも、紹介状なしでも受診可能だとしても、特別料金がかかる仕組みになっています。面倒で遠回りのようですが、紹介状は患者と医師の双方にとって、様々なメリットがあるので、必ず現在の担当医にお願いしましょう。

そもそも「紹介状」とは?

紹介状は正式には「診療情報提供書」といい、紹介先の医療機関宛に患者情報を伝えるものです。紹介状には病歴や病状、検査結果などが記載されており、かかりつけ医と大病院・専門病院との連携がスムーズにされるというメリットがあります。
また、紹介状があることによって地域の「かかりつけ医」に専門的診療の必要性を選別してもらうことが可能になり、大病院・専門病院に患者が集中することを避けられます。紹介状がないと一から問診や検査が必要となり、余分な時間と費用がかかりますので、紹介状なしの場合は、2016年の4月から選定療養費として特別料金を診察料とは別に支払うことが義務付けられました。
希望する病院・医師がはっきりしている場合は遠慮することなく、かかりつけ医に希望する病院と医師名を伝え、紹介状を書いてもらいましょう。

簡単な一言だけど難しい「紹介状を書いてください」

現在の担当医にどうやって紹介状を書いてもらうのかは簡単です。「○○病院の○○先生にかかりたいので紹介状を書いてください。そして、自分の検査データもください」と言うだけです。
しかし、これはなかなかハードルが高いのが現実です。特に長年、地元でかかっている先生や病院に「他の病院で検査を受けたい」とは簡単には言えません。なぜなら、通院している先生の診断に「疑問を持っている」と思われたくないからです。これが日本の「患者と医者の関係」の現実で、簡単に紹介状を用意できずに困っている方も多いのではないでしょうか。
それでも、これは自分の身体のことです。自分だけではなく、家族にとっても大切な身体です。ここはためらわず目的の先生や病院への紹介状を何としても手に入れてください。
取材していると、名医ほど他の医師の見解や意見を参考にすること(セカンドオピニオンといいます)を推奨しています。名医は自分の診断に自信があり、セカンドオピニオンによって、より患者との信頼関係を築くことができることを知っているからです。現在の担当医に言いづらい時は「家族が念のため、セカンドオピニオンを受けてと言っているから」と言って紹介状をもらうのも一つの方法です。
本当に患者思いの先生ならば、医師の方から「念のために大きな病院で精密検査をしましょう。また、その分野を専門とする医師を紹介します」というのが本来のあり方だとは思いますが…

「紹介状を書いてください」で「医者と患者の関係」がはっきりする

もし、「紹介状を書いてください」と言っても「他の病院に行っても意味ないよ」と言われたり、不快な態度で紹介状を書くことをためらうような医師ならば、その医師には見切りをつけた方が良いかもしれません。たしかに、他の医師に診てもらっても結果は同じという場合も多くあります。しかし、現在、(特に手術が必要な大きな病気では)複数の医師に意見を聞く、セカンドオピニオンは必須となっています。患者としては、納得がいくまで検査や診断を受けたいというのは当然のことです。紹介状の話をして、すんなりと書いてもらえたらその先生とは良い関係といえると思います。
逆に、紹介状の話をしたことによって、医師となんとなくギクシャクした感じになり「微妙な関係?」になってしまうこともあります。「紹介状」がきっかけに現在の担当医と自分の関係が「良いのか、ちょっと?なのか」がより明確なることがあります。
一方で、医師側としては、不信感をもってあちこちの病院にかかることは無意味なだけではなく、必要な治療が遅れてしまうということを懸念しているかもしれません。これを「ドクターショッピング」といって、患者にとってデメリットしかありません。現在の病状を一番良く知っている、かかりつけ医と率直に話して治療方針を決めると良いでしょう。やはり病気の治療に向かって、一緒に考えて、前に進んでくれる先生との出逢いがあることが決定的になると思います。
『国民のための名医ランキング』は編集部が患者としての立場で独自調査、徹底取材したものです。医師や病院選びのご参考に少しでもなれば幸いです。
全国の名医を探す取材は続きます!


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