だるさの原因、急な気温上昇の他に、甲状腺の病気もチェック!
今年2024年の夏は梅雨が長く、梅雨明け後は猛暑の予想です。5月にもすでに全国各地で30度超えとなり、だるさや無気力など原因不明の不調を訴える人は少なくありません。休養してすぐ治れば良いのですが、甲状腺の病気が潜んでいる可能性もあります。特に女性は注意が必要です。
新陳代謝を司る甲状腺
甲状腺はのどぼとけの下にある臓器で、甲状腺ホルモンを分泌します。このホルモンは、心臓、肝臓、腎臓、脳など全身の臓器で新陳代謝を盛んにし、妊娠や子供の成長や発達に関与する重要なホルモンです。
甲状腺の疾患に、⾎中の甲状腺ホルモン量が必要よりも低下した疾患や過剰な疾患、甲状腺腫瘍(甲状腺がんなど)などがあります。
甲状腺機能低下症では、無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘などがみられますが、軽度では無自覚な場合もあります。橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺機能低下症の代表的な疾患です。
甲状腺機能亢進症では、動悸、体重減少、指の震え、暑がり、汗かきなどの症状が起きます。その他、疲れやすい、軟便・下痢、筋力低下や女性では生理が止まることがあります。バセドウ病は、甲状腺機能亢進症の代表的な疾患で、20~30代の若い女性に多い病気です。
甲状腺にも腫瘍ができる
甲状腺腫瘍には良性と悪性があります。検査はまず超音波検査を行い、精密検査として穿刺吸引細胞診を行って良性か悪性かの判定をします。
『最新版 国民のための名医ランキング 2024~2026―いざという時の頼れる医師ガイド 全国名医1020人厳選』350頁より
甲状腺がんでも、あまり自覚症状がない
甲状腺がんでも、多くの場合、自覚症状がないか、しこり以外の症状はありません。病状が進行すると、のどの違和感・嗄声させい(声のかすれ)・痛み・飲み込みにくさ・誤嚥ごえん・血痰(けったん)・呼吸困難感などの症状が出てくることがあります。
何でもないことが一番ですが、検査をしてはっきりさせるというのも、精神衛生上有効です。