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子供のやる気スイッチは『場所』じゃなかったはなし。

うちには長女(12歳)、次女(9歳)がいます。

二人の性格はまるっきり違っていて、長女はコツコツタイプ。次女はちゃっかりタイプ。

いわゆる長女らしい長女で、次女らしい次女とも言える。

サイパン島で生まれ育っているので学校では英語を使っている。日本語の読み書きに関しては、完全に家庭で行っています。

長女は幼稚園年中さんの時点で、毎朝登園前に少しずつ練習をして平仮名とカタカナはマスターした。

やり方は、何も考えずただ50音順に練習させただけ。毎日少しずつ練習すれば(させれば)誰でも書けるようになるもんだとも思っていたのですが・・・。

次女は、そうではなかった。まったくタイプの異なる子供だったのだ。平仮名どころかアルファベットすら年長さんになっても書くことができず・・・、毎日少しずつ練習させても、たった26種類の文字すら覚えられないのだから、平仮名どころの騒ぎではない。

この子は字を書けない子なのかもしれない。

正直、当時その可能性も受け入れる心の準備もできていた。

アルファベット(文字)が覚えられなくても、その分ちゃんと説明できるようになれば問題ないでしょう。とも思っていた。書けないんだから仕方ない。

なので、その頃から『毎日少しずつ練習する』という本人にもワタシにも苦痛でしかない時間を排除した。

サイパンでの年長さんは小学校に付属しています。まったくアルファベットも書けない状態で入学した次女の最初の個人面談で、なんと

「My top student ♪」

ご機嫌に次女のことを話している先生。この先生は、ちょっとおかしいのではないか?とも疑った。

が。

次女は入学してすぐにアルファベットの大文字も小文字もマスターしてたのだ・・・・。あのお互いに罵り合った苦痛の練習時間はなんだったのだろう。

その時に悟った。

そうか。

子供のやる気スイッチは、起動する時期があるのだ。

アクティベートする時期までどう頑張っても起動しないのだ。

それから、次女の平仮名学習スイッチ起動の時までひたすらに放っておいた。

あれから、4年。

かなり流暢に日本語を話すのに、読み書きは全くできない小学3年生が出来上がった。

そんなある日、平仮名のやる気スイッチが突然起動したのだ。

それは、折しもコロナウィルス感染拡大防止のために学校が閉鎖になった今年の4月。せっかく、時間ができたんだから国語の教科書(1年生)でも写してみたら?とやらせたら。1週間もしないうちに平仮名全制覇。

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おむすびころりんがハマったのか、学校閉鎖や外出禁止令という雰囲気に飲み込まれたのか、何が功を奏したのかは全くわからないけど、とにかくやる気スイッチは起動したのだ。

よし。このままカタカナと漢字も行っちゃおう!

なんて思ったのは虫のいい親のエゴ。

もちろん、そのスイッチの起動時期はまだ来ていなかったようで、その時は平仮名だけで終了。

あれから、半年。

その時はいつも突然やってくるのだ。

サイパンの学校もようやくオンライン授業が始まったので、朝8時から15時までは家にいても自由行動禁止。

学びにつながる活動をすべし!

これが我が家の行動基準。本を読むもよし、絵を描くもよし、工作をするもよし、運動するもよし。

唯一、禁止されているのは動画やテレビをだらだら見て過ごすこと。これはダメ。何も考えずにイチ消費者になって時間を消費することは禁止なのです。スマホやネットを使っていても学びにつながる行動であれば奨励されます。

そんな中、昨日とつぜん月曜日が休日となった。それはサイパン政府の緊縮の都合によるものだったのですが、とにかく突然のアナウンスだったのでぽっかり月曜日が空いてしまったのです。

そこで、こんな提案をしてみた。

「カタカナテストをして、1単語正解するごとに30分間の自由時間を与える。」

・その自由時間は好きなように使ってよいものとする。

・長女は次女のテスト準備のアシストをして、獲得した時間は同じく自由時間とする。

15時まで自由時間ではないと思っていた2人だったので、突然降ってわいたような自由時間獲得チャンスに、まさに時空がゆがむほどの集中力を発揮し勉強を始めた。

長女はどうにかカタカナをイメージで記憶に残る方法を模索し、創意工夫。次女は普段邪険にされているお姉ちゃんがずっと構ってくれているので終始ご機嫌だ。

そして、迎えた第一回目のテスト時間。

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ついさっきまで、一文字もカタカナを書けなかった次女が7単語も書くことができるようになっていた。

7単語x30分

3時間半の自由時間獲得。

さっそく、タイマーを3時間半後にセットした。このタイマーが鳴ったら第2回カタカナテストを受ける権利が発生する。

もちろん、次のカタカナテストの試験勉強はその3時間半の中でやりくりしないといけないルール。

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第2回目のカタカナテストは5単語。2時間半ゲット。

第3回目は3文字以上の単語とする。←突然の追加ルール・・・。きたない大人のやり口。

そんな世知辛い世の中を渡り歩くためには、ルールをしっかりかみ砕いて自分の頭で考える力を養うこと。

そんな長女が考えた作戦は・・・・

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なるべく、同じ文字を使った伸ばし棒を使った単語をピックアップ。

9単語 4時間半獲得。

長女のスバラシイ作戦。一切、ルール違反は見られません。

昨日は、見事に夜までに十分な自由時間を獲得しました。

ちなみに自由時間の中に家の自分が担当している仕事や食事、シャワー時間も含まれています。

限られた時間、苦労して獲得した時間だったので、普段なかなか着手しない家の自分が担当している仕事(犬の餌やりとか洗濯ものたたみなど)もサクッと仕上げます。

これは!!期せずして副効用♪ラッキー。

そして、2日目。通常通り、学校のオンラインクラスが終わった15時以降に本日の第一回カタカナテスト。(毎日、回数を重ねていくごとに1文字ずる増えるルールとなりました。初めは2文字から。)

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11単語 5時間半ゲット。

すごい。昨日の朝には1文字もカタカナを書けなかった次女が、たった30時間ほどでこんなに書けるようになった。

現在、彼女たちの自由時間は残り3時間半。

3時間半後にまたアラームがなって3文字以上のカタカナテストがはじまります。

☆☆☆おわり☆☆☆

ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。このブログは新型コロナウィルス感染拡大防止のために4月から入国制限をしているサイパンのダイビングインストラクターが半年も収入ゼロでどうにもならなくなったので、ブログで生活費を稼ごうと始めたシリーズです。どういう形で収入につながっていくのかは、わかりませんが初めてみれば不思議なご縁がつながると信じて書いています。

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