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幼稚園がお惣菜と平飼いたまごを販売し、園内サロンを立ち上げる理由

今年の4月に、創立75周年を迎えます。時代の変貌に取り残されず、長い歴史を歩んでこられたことを改めて感謝しています。

この75年間、「母親が母親を全うすること」と強くお話させていただいておりました。時代が代わり、ご両親で対等に育児をするようになってから「親が親として子どもを育てきること」とお話させていただいています。

私達の責務はそのサポートです。どういう状況においても子どもは親に育てられるものです。どんなに大変なことが続いたとしても、親は子どもを通して成長する。これが育児の原点だと考えます。

幼稚園や保育園は親の代わりになって子どもを育てる場でも、親が親としての役割を全うする機会を奪う場所ではありません。保護者の皆様は親という立場を全うする最初の舞台として、私たちを選んでくださっています。

今までは保育を通したサポートを徹底して参りました。しかし、それだけでは十分な育児支援に至らないと時代の流れを受け止め、今年度より3つのことを本格的に始動いたします。今日は走り出した新たな試みについてお話したいと思います。

1)今度は専業主婦のママのために

1984年から専業主婦の方向けの延長保育「もあくらぶ」を開始し、1987年から学童クラブ、1999年より世田谷区の認可保育園として「さくらキッズ」がはじまり、0歳児から12歳児までの一貫教育の場「さくらキッズガーデン」が誕生しました。

0歳から徹底したおむつに頼らない保育、無添加・有機食材をベースとした完全手作りの給食とおやつ。そして長年幼稚園を運営してきた教育的メソッドを活かし、夫婦共働き家庭のニーズに答え続けてまいりました。2019年より東京都認証保育施設「ナーサリーさくらキッズ」と生まれ変わっても、内容は変えず、園の伝統と保護者のニーズに応え続けています。

ナーサリーさくらキッズの給食室

ふと、立ち返ったときに「専業主婦のお母さんになにかしてあげているのか」と頭によぎりました。「もあくらぶ」創設移行、大きな変化はなく今を迎えたことに気が付きました。

さくら幼稚園には給食はありません。時代は代わり専業主婦の位置づけも見直されるようになりました。園としても専業主婦の位置づけを再認識しサポートをしようと決め「KITCHEN 195」のお惣菜販売を昨年度より始めたのです。

内容はおかず2品とメインディッシュ1品。兄弟が多い園なので、4人家族でも網羅できる量をパックにして提供しています。1セット1620円、事前予約制で毎週水曜日の午前保育後に受け渡しています。対象は全保護者そして卒園児保護者です。

KITCHEN 195のキッチン。ここでお惣菜をつくっています。

2)安心と安全を保証する食品の定期と販売

園では「口から入るものと出すことを整える」とよくお話しています。給食も「KITCHEN 195」のお惣菜も有機食材と無添加調味料を徹底し、味噌は職員と子どもたちで手作りしています。そこに、おむつに頼らない保育による排泄の自立が加わり、健康面の主軸を保っています。

そこで、山梨県忍野村にある田辺養鶏場と提携し、美味しい平飼いたまごを保護者向けに販売することになりました。昨年度より少人数のお母さまにモニターになっていただき、毎月2回の販売会を実施。気づけば口コミで広がり30人近くのお母様にお買い上げいただいております。今後は全保護者向けに販売を開始し、安全と安心を保証できるたまごをご家庭で楽しんでいただけるよう努めてまいります。

3)ご両親が自分を大切にする時間を

子どもたちの優しさの影にはご両親の愛があります。愛を持って大切に育てられた子は自然と人に優しく接することができます。では、誰がご両親を大切にするのでしょうか。

親も一人の人間です。自分が満たされるから、自分以外を大切にできる。夫婦間で平等に育児や家事をすることで、支えあう範囲が広がりました。その分、埋め合う部分も増えたように感じます。そこで園内トリートメントサロン「tesio」を開設しました。

「tesio」は園の理念「手塩にかけて未来を創る」から名付けられたトリートメントサロンです。現在は人気脱毛サロン「Sugarista Tokyo」、老舗アンチエイジングサロン「HO'ME」より出張いただき月1回開催しています。今後は内臓整体やヘッドマッサージの「ブレインタッチ」も加入予定です。

幼稚園の送り迎えのついでに自分を大切にしていると実感できる場を設けることで、大人も子どももご機嫌でいられる環境作りを目指しています。

園内サロン「tesio」

4)「昔◯◯をやっていた」を「今、◯◯をやっている」に書き換える

「子どもを産むまでヨガインストラクターでした」、「子どもを産むまでは趣味で◯◯をしていました」など、園には多彩な保護者がたくさんいらっしゃいます。「結婚するまでは…」「子どもを産むまでは…」と女性には人生に置いていくつもの転機があり、それにより得たものもあれば捨ててきたもの多いはずです。そこで、「昔◯◯をやっていた」を「今、◯◯をやっている」に書き換えるきっかけを園で提供しています。

現在は元ダンサーのお母様が定期的に「ママ先生」として、子どもたちと一緒に踊りにきてくださったり、ご夫婦で「パパママ先生」としてバイオリンとアコーディオンの演奏にきてくださったり。他にも、洋裁が得意なお母様が園のセミナールームをつかって保護者向けに洋裁教室を開催しています。

ご両親が母や父という肩書を外して、自分を全うする時間を過ごすことは家族の時間を大切にすることに通づるはずです。

さくらキッズガーデンのこれから

昭和から平成、平成から令和と時代の流れに逆らう部分と乗り続ける部分を使い分け75周年を迎えました。これまで書いてきたことが正解だなんて思っていません。でも、きっと何かの光になることは確信しています。これからも甘んじることなく、未来を創る子どもたちをサポートしています。

さくらキッズガーデン



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