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アースデイにむけて

アースデイ「地球の日」自由が丘の公演をさせてもらって3年目となりました。

みなさんもお感じになっていらっしゃると思います。地球は人間のためにますます痛ましい姿となっていると。人間の業(ごう)、別の言い方をすれば人間のみが持つ大脳の働きが、「自分が生きるため」という理由で、他の生命体を遥かに上回って、地球のバランスを壊し続けています。

人間は、大脳の働きゆえに失敗をし、地球から消えてゆくでしょう。その速度に拍車がかかっているのが現在です。

「人間は、ペットはもう淘汰されるべきだ」という発言もあれば、「生命は尊ばれるべきだ」という声もあるでしょう。「自分を守るために闘わなければならない」もあり、「闘わないように何をすべきかを考えるべき」もあるでしょう。

私たちの大脳は、これらをどう判断して行けばいいのでしょうか?

地球が美しい、見たこともないけどきっと宇宙の空間、運動も美しい、生命体が地球上で活動していること、そして自然は美しく、また厳しい。そこから地球上の生命体たちは、生きる掟を築いてゆく。自然の動き、運動が美しい、そのように振舞えるように大脳を働かせること、これが芸術の決定と判断であり、その結果を作品にしてゆく。芸術家の使命は地球の美しさを表現することでもあるでしょう。

「はなのこおむこさん」は、若くして亡くなった女性と男性が、あの世「冥界」で結婚をする話です。日本の東北地方には「ムカサリ(方言で結婚のこと)絵馬」をお寺に奉納するという風習があります。未婚のまま亡くなった女性がいたら、その女性が架空の男性を新郎と婚礼をあげている情景を絵馬にします。反対に未婚の男性の場合は、架空の女性が新婦として描かれます。

現代の感覚では「結婚しないことは最も不幸なこと」というのはちょっと共感できないかもしれませんが、今までの日本の風習を鑑みて、結婚しないで亡くなった自分の娘や息子、または友人が、もし生きていればいい人を見つけて幸せになったはずだ。だから、生きている家族や友人たちは、亡くなった人が最高に幸せを迎えることは、あの世でいい人を見つけて結婚することだという思いがこの風習を作ったのでしょう。
 
人が他の人の幸せを心から願う。これは、とても美しいことだが、様々な私の業が、その思いに到達することが、どれほど困難であるかを私にささやくことでしょう。

自然のように振る舞うことは、人間にとって最も困難な命題です。

だからこそ「地球の日」に、地球、自然の美しさ、そして厳しさに共に心の目を向けてみましょう。

桜井真樹子


アースデイ自由が丘2023
特別プログラム
こけし浄瑠璃「はなこのおむこさん」

2011年。アラブの人にとって、日本の人にとって忘れられない年。東日本大震災。 アラブの春。それは同じ年の出来事だった。チュニジアで焼身自殺をした青年・ブアジジ。南三陸で津波で亡くなった女性・はなこ。共に不慮の事故。失われた命。 伴侶を探す若き者たちの旅。彼らの冥福を願う物語。


こけし浄瑠璃「はなこのおむこさん」の取材旅行記はこちらからご覧いただけます。

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