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こけし浄瑠璃「はなこのおむこさん」南三陸 取材旅行記(1)

「はなこのおむこさん」は2011年7月、10月、2013年の10月と3回公演をして、そのまま眠っていました。

まきこの会事務局の梅田さんが、今年2022年5月に、南三陸の津波の被害のあとのボランティア活動の中で出会い、その後10年以上親交を深め大変お世話になった方が亡くなったということで、お葬式で南三陸にいらっしゃいました。「泊まったところは、南三陸研修センター『学びの里いりやど』と言って…」、と聞いた途端、「はなこのおむこさん」を思い出し、「南三陸の方言を学びに行きましょう!」と、南三陸研修ツアーが企画されました。

11月4日(金)
東京駅から仙台駅に到着。そこからレンタカーを借りて、南三陸町へ。

最初に志津川漁港の浜辺に降りました。はなこは春が近づいた浜辺に行ったので。そこには7・8人の家族連れがいました。何の観光地でもないこの浜辺に来た彼らは、おそらく家族のどなたかをここで亡くされたのでしょう。そのことに思いを寄せるために家族で来たのかもしれません。

志津川漁港の浜辺

そばに荒嶋(あれしま)があるので、登りました。志津川漁港に浮かぶ小さな島です。

荒嶋神社

そこから南三陸復興祈念公園へ。

水は時に鉄筋も歪め、切ってしまうほどの力を持つことを改めて実感しました。みなさんの記憶にもあると思いますが、最後まで防災無線で「高台に避難してください」と30分間も呼びかけ続けた遠藤未希さんが放送していた庁舎です。遠藤さんのご遺体は、5月2日、荒嶋の東北約700メートルのところで見つかりました。彼女の結婚式は、その年の9月10日だったそうです。

元防災対策庁舎


そこからすぐ西、津波の届かない丘に祈念碑がありました。「いま、碧き海に祈る 愛するあなた 安らかなれと」。碑の中心に線が天へと繋がるように引かれています。ここに来る人々が花束を置いてゆきます。

南三陸復興祈念公園

この1日を通して、台本のはなこさんは、春が近づいた浜辺に立っていたら、ものすごい津波が来るのが見えた。そして荒嶋に登って半鐘(実際にはありません)を叩いて「みんな津波だ!逃げて!」と知らせた、と書き直しました。

<つづく>

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