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こけし浄瑠璃「はなこのおむこさん」南三陸 取材旅行記(3)

11月6日(日)
今日は、南三陸ツアー最後の日。仙台駅までの帰路で、松島見て瑞巌寺に行く。大漁節の最初は

♪松島の サーヨー 瑞巌寺(ずいがんじ)ほどの(ハ コリャコリャ)寺もない〜♪

と始まるので、はなこの漁師のお父さんも、明け方漁港へ戻って来る時に、瑞巌寺を見てるのかなぁと、観覧船に乗ってみようかなと思いました。

松島から瑞巌寺への道、ちょうど反対の海への道に、こけし屋さんがあるのを梅田さんが発見。「行きましょう!」とこけし屋に向かう。

松島直秀こけし(二八屋物産店)パレス松洲ホームページより

南三陸の人たちから、「南三陸にはこけしはないよ」と言われていただけに、私たちは興奮気味。確かに南三陸町から南に60キロ以上も南下したところが松島ですが。それでもこけしは山の温泉の近くにこけしの工人がいて、売られているのが通常ですから。 

 お店に入ると可愛いこけしが並んでいました。お店の人によるとその方のお父様が本村直二郎と言って、松島にこれと言ったお土産がないので、鳴子系と遠刈田(とおがった)系のこけしを学び、松島に帰ってお店を開いたそうです。そしてこの松島のこけしのことを「直秀こけし」と名付けたそうです。

今は、お父様の直二郎さんがお亡くなりになったので、ご主人(夫)さまがこけしの絵付けをし、息子さんが木を削っているそうです。

左より現在、直秀こけしの木を削っている息子さん、 筆者、そして絵付け担当のお父さん。
はなことさくら
直秀こけしの箸置き

お店の向かいの丘の欅(けやき)の木が倒れたので、限定販売で作ったこけしなんですよ、と薦められたこけしを、「はなこのおむこさん」で使おうということになり、はなことさくらのこけしを購入。さらに、「はなこのおむこさん」にご来場いただくお客様、先着20名様にプレゼントする直秀こけしの箸置きもゲット。思わぬ展開になりました。

瑞巌寺に行って、観覧船に乗って、最後の日も無事終了。何と有意義なツアーだったことでしょうか。

さて、月刊メールを書かなくっちゃと思い、最初の写真、我が家にいるこけしたちをガラスケースから久々に取り出してみると…えっ、はなこのこけし、なんで私が持っているの?と思った。直秀こけしが我が家にあったなんて…!あまりにも衝撃的だった。松島には今回初めて行ったので、最初はどうしてここにあるのかわからなかった。

よく考えてみると確か山形のビルの中にある「こけし館」というところに行った時に、買ったのかもしれない。いろんなこけし展示されていて、そして販売もされていた。こけしの表情は可愛くて、笑っているようでもどこか冷たい。何か厳しい自然や生活を思わせるものが多い。その中で、一つこの子の笑顔はなんて暖かいのだろうと思った記憶がある。おそらく2012年ごろだったと思う。

直秀こけしの創業者、本村直二郎さんは1949年に店を開き、2021年4月にお亡くなりになられました。このこけしは直二郎さんによるものかもしれない。

直二郎作の直秀こけし

海辺のこけし。山よりも気温は暖かく、どこかゆったりと穏やかな空気があるのかもしれない。しかし東日本大震災のあと、人々は歌を歌わなくなり、多くの人がいまだに心を癒されずにいるのも感じた旅だった。でも、この直秀こけしのように、暖かい笑顔をもう一度、取り戻してほしい。あなた方の笑顔をこのこけしが覚えていますよ。

<おしまい>


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