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#エッセイ|転職か妊活か、30歳OLの決断とその理由

私は、として生まれた。

体の構造上、子供が欲しいなら私が産むしかない。

ここまでは理解している。

ただ、転職もしたいとなると話は大きく変わってくる。


今、私は30歳。
妊娠を望む身としては、リミットを意識してしまう。

少し検索しただけでも、年齢別の妊娠確率高齢出産のリスクに関する情報が押し寄せてくる。

それらに飲み込まれた私は、すぐにでも妊活を始めたかった。

ただ同時期に、仕事についてもやり甲斐を感じられないことから転職を考えていた。

母の時代と比べると、女性の働きやすさは格段に良くなった。
妊娠・出産を経ても、また働けるという安心感は強くなった。

ただ、それはその企業に勤め続けた人の話。
転職で中途採用された人には当てはまらない。

「入社したばかりでもう妊娠?」という周囲の目。
さらには会社の制度も牙を向く。
育休の取得条件として、1年以上の勤務実績を求められることがある。

経営者やマネジメントの立場から言えば、リソース調達のための採用なのに、といったところだろう。

その気持ちは十分に分かる。
分かるからこそ、私はとても悩んだ。

転職か妊活か。


今すぐにでも仕事は変えたい。
転職市場において、30歳は採用のハードルが大きく変わる年齢だ。
今が一番若い。5年後は入れない会社も、今なら採用してくれるかもしれない。

妊娠も早くしたい。
刻一刻と妊娠のリミットは近づいている。
転職したら1年間は妊活できない。その間にも妊娠確率は下がっていく。
1年後に妊活をスタートしたとき、手遅れになっているかもしれない。


この問題の悪いところは、どちらか一方しか選択できない点だ。
どちらかを我慢しなければ得られない幸せがあるのかと思った。

そして女として生まれたことを、これほど悔やんだことはない。

親や先輩に相談し、さらにはnoteを含めたSNSで同じ悩みを持つ人の意見を探した。

これだけ悩んだのは自分のためでもあったが、自分の子どもの為でもあった。

自分が納得して決断しなければ、いつか仕事が嫌になった時、子育てが辛くなった時に、子どものせいにしてしまう。
そんなことは絶対にしたくなかった。

だからこそ、色んな情報を集めて、とことん考え抜いた。


結論、私は妊活を選んだ。

今しかできない妊活を、今することが何より大切だと思ったのだ。
転職で生き生きと働く喜びより、それにより妊娠できなかった時の後悔の方がずっと大きいと思ったからだ。

それに、仕事を変える方法は転職だけではない。
社内異動や副業、起業という方法もある。

でも妊娠に代替策はない。
だから私は妊活を選んだ。


もちろん、今すぐ妊活をしても授からない可能性も十分にある。
でもそれは誰にも分からないし、だからと言ってどちらもしないのが一番悪策だ。

大切なのは、考え抜いた末に決断し、自分を前に進めることだ。


この決断が良かったかどうかは、未来の自分が決めることだ。今の私にできることはない。

あとは時の運、縁があるかどうか。
だから思い悩まず、妊活を楽しみたいと思う。


【追記】
この記事を出した1年後、
妊活を選んでよかったと思う出来事がありました。

"人生、何があるかわからない。"

改めてそう思いました。


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