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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」最終話 すべてつながる

あなたは今自分がいる場所より、よりよい未来に進みたいと望む?
だったらそのために、どうしたらいいと思う?
それは今、あなたがやりたいけどできない、無理だ、と思っていることにチャンレジしてみることだ。
恐るおそるでも、少しずつでもいい。
自分の制限を外し、思い切って行動することで未来は開く。
今のあなたは過去の自分が望んだ姿だ。望むと望まざるに関わらず、それが現実だ。もし今の現実が不本意なら、今すぐ未来を変えるために望む未来をイメージするのだ。

今、あなたが望むことが叶った時の喜び、感触、匂い、など感情や五感でイメージできることは、未来で叶っている。
ありありと感情が沸き上がり、喜びの涙が流れるほどイメージできる未来のビジョンはきっと叶う。誰が何と言おうと叶う。自分を信じるのだ。

未来は今の自分の考え方やものさしで、計るのものではない。
自分の内なる叡智、心の声に従うのだ。
答えは自分の内側にしかない。それが宇宙の叡智だ。

私が生まれ故郷の薩摩に二度と戻らないことを決めたように、目線は過去に戻すのではなく、未来に向けてみよう。
過去は、ねつ造される。
自分の都合のいいように、書き換えることが難なくできる。

~のせいで、こうなった、どうせ私は~だから、~は無理!

こんな言葉をよく口にしていないか?いつまで自分を被害者にさせたい?周りからの憐憫や同情は心地いいか?ずっとそこに留まりたければ、そこにい続ければいい。あなたはずっと被害者だ。

けれど、あなたが今よりよりよい未来を望むならそこから一歩踏み出そう。
進むのは未来だ。
私達が大奥の重い扉を未来に向けて開いたように、未来の扉は自分の手で開くしかない。

レボリューションは、自分で起こす。自分のために。
たった一度の挑戦で、くじけなくてもいい。
何度もなんども、立ち上がればいいのだ。
心底叶えたい願いは、あきらめずくじけず行動していけば、必ず叶う。

毎日、どれだけ自分を麗しくしていられるか。
それを考えていればいい。
あなたがご機嫌でいられることは、何なのか?
笑顔で過ごせるためには、どうしたらいいのか?
それを日々考え、実行するのだ。

あなたが女として生まれたことも、意味がある。
それはしなやかにしたたかく美しく、そして妖しく麗しく咲き誇るため。
命を燃やし、咲き誇るため、女に生まれた。女、という性を選んだ。
自分がどんな花になりたいか、自分で決めるのだ。
望むように生き、咲き誇れ!

誰かに決められるのではなく、自分で決めよ。
それが、あなたの一生だ。自分の一生は、自分で決めなさい。
私は存分に咲いた。
自分、という花を精いっぱい生きた。
何の悔いもない。

ああ、今ようやく家定様が来てくれた。ゆっくりと光のカーテンをくぐり近づいてきた。目の前で止まる。私達は見つめ合う。先に口を開いたのは家定様だった。江戸城を出る日に見せた二人だけの時のはにかんだような笑顔だ。

「御台、今日もご機嫌麗しいのお」

私は家定様の右手を取り、自分の頬に当てる。愛おしくてうれしくて、頬から涙が流れ出す。胸がいっぱいで何も言えないけど、これだけは伝えたくて口を開く。

「家定様、私・・・・・・精いっぱい咲き誇って生きました」

家定様は何もかもわかった、というように大きく頷く。

「うん、見ておった。ようやった。よくぞ、新しい世を開いてくれた。ありがとう」

家定様が左手で、私をぐいっと引き寄せ抱きしめた。私は家定様の右手を離し、家定様の胸に顔を押しつけて言った。

「もっと、もっと褒めて下さいな。女は褒められると、もっと美しく麗しくなりますよ」

恥ずかしくて、顔を上げられない。上から家定様の言葉が降ってくる。

「わかっておる。今、褒め言葉を考えていたんじゃ!!」

相変わらず女心がわからない人、勝とはちがうわ、とチラリと思ったが女心に鈍感な家定様が愛おしい。

その時、まぶしい光の玉が私達の前に現れた。光の玉はどんどん大きく膨らみ、ふわりと形を変えた。龍だ!七色の龍が背伸びをしたように、体をしならせ現れた。

「篤子、さぁ、参ろう」

家定様が私の手を取った。私達の前で、七色の龍は背を伸ばし座っていた。
私は先に龍の背に乗った家定様に手をひかれ、龍の背に乗る

「新しい未来へ!」

きっぱりした声で家定様が叫ぶ。

私達を乗せた龍は、S字に大きく身をよじったかと思うと、まっすぐ天に向かって飛んだ。
ものすごい勢いで、地上がどんどん遠くなる。
ぐんぐん天に昇っていく。
昇った先に、これまで見たことのない力強くまぶしい光が見えた。
「あれが、未来だ」家定様が耳元で囁く。

龍はその光をも突き破り、未来に向かった。
やがて私達は時空に溶け込んだ。気づくとひたひたと宇宙に漂っていた。
そこで一つの大きな意識体となり、みなとつながっていた。お義父上もいる、幾島もいる、家茂様も和宮様もいる。
薩摩の父母もいる、西郷もいる。
みんなみんな一つだ。

私は思い出す。そうだ、もともと私達は一つだった。
みんな一つだった。
誰も彼もなんて、なんと愛おしく美しいのだろう。

私達は一つだ。すべてつながる。
地球という星を選んで生まれ、そこで学んだことを寄せ集め、意識体として広がり続け、またいつかここから離れ地上に戻って、別の人生を生きる。
やり残した事、学べなかった事をやりに行く。

だけど今はもう少し、ゆるりとここで休もう。

憶えていて。あなたもいつか、ここに戻ってくる。
あなたの中に私や、お市様や茶々様や寧々様や千姫様がいる。
あなたは、私達。私達は、あなた。どんな自分でも、受け入れて。
それが生きるということだから。


秋晴れの空がどこまでも高く青く澄んだ日、私の葬儀が執り行われていた。
沿道には1万もの人々が、私を見送った。
その様子を見た勝が、つぶやいた。

「あなたは本当に、激しくあっつい女でしたね。
触れたら、あっつつ!と思いましたよ」

空からその声を聞いた私は笑った。勝には聞こえないはずなのに、彼も笑った。

そうだ、私は熱く生きた。
私の人生で咲かせた花は、あっつい花だ。私だけの麗しい花だった。


終わり


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あなたがこれから生きていく人生が、愛と光に満ちたすばらしいものになりますように。

存分に咲き誇って下さい。悔いなく生きて下さい。

それが、五人の女性たちからのあなたへのメッセージ。

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