オーバードライブ社での有給休暇の取得促進策
こんにちわ。
株式会社オーバードライブです。
弊社は、ボドゲーマというボードゲーム専門の総合情報サイトを開発・運用しています。
余暇市場をターゲットにしている企業ですので、社員には仕事の時間だけでなく、プライベートの時間も充実させてほしいと考えています。
その手段の一つとして、有給休暇を取得しやすい環境の整備があります。
特に有給休暇の期限切れには注意を払っています。
有給休暇には2年間の有効期限が定められており、利用せずに有効期限を超えたものは消滅します。
弊社では、2017年4月に最初の社員が入社してから今まで、有給休暇を消滅させること無く全て使い切ってもらっています。
日本における平均の有給取得率は約60%であり、付与された有給休暇の内3分の1以上は消滅しているようです。
その数字を鑑みるに、比較的、弊社は有給休暇を取得しやすい環境が実現できているように思えます。
(もちろん改善可能な点もまだまだあります)
有給休暇を適切に取得することは、エンゲージメントとパフォーマンスの向上につながると言われていますので、有給休暇の取得を促進しようとしている企業は多いことと思います。
特にそのような企業の経営者・人事の方々のご参考になればと思い、弊社で実践しているポイントを共有いたします。
あわせて、労働基準法によって定められたルールについても軽く記載いたします。
有給休暇の基本ルール
有給休暇は労働基準法39条にて定められている、労働者に与えられた権利です。
ここでは法律で定められている有給休暇の規則について記載します。
参考資料
以下、厚生労働省による公式ガイドです。
freeeとMoneyForwardによる解説記事も非常にわかりやすくオススメです。
付与条件
以下の条件に該当する場合、年次有給休暇の付与対象となります。
半年間継続して雇われている
全労働日の8割以上を出勤している
付与タイミング
原則、雇入れから6ヶ月を経過したタイミングで有給休暇が付与されます。
ただし、労働者にとって不利益にならない条件であれば、前倒しの付与が可能です。
2回目以降の付与も、労働者の不利益にならない条件であれば、入社日の1年後である必要はありません。
例えば、初回付与は入社日に実施し、2回目以降の付与は毎年4月1日に実施するといったことも可能です。
付与日数
勤続年数によって、年次有給休暇の付与日数が定められます。
0.5年:10日
1.5年:11日
2.5年:12日
3.5年:14日
4.5年:16日
5.5年:18日
6.5年以上:20日
有効期限
有給休暇の有効期限は、付与されてから2年です。
付与から2年を経過した時点で、未消化の有給休暇の取得権利は消滅します。
有給休暇取得の義務化
労働基準法の改正により、2019年4月から有給休暇の取得が義務化されています。
有給休暇が10日以上付与されている場合において、付与日から1年以内に5日の有給休暇を取得が必須となりました。
これに違反した場合、企業に対して罰金が課されます。
5日の有給休暇を取得できなかった労働者1人につき、30万円以下の罰金となります。
オーバードライブ社の有給休暇
オーバードライブでは有給休暇の基本ルールに対して変更を加えて、自社適用しています。
付与タイミング
初回の付与は、入社日に実施します。
2回目以降の付与は、決算期の開始日である毎年6月1日に実施します。
付与日数
初回は入社日にあわせて付与日数が変わります。
6/1〜12/31:10日
1/1〜1/31:9日
2/1〜2/28(29):7日
3/1〜3/31:5日
4/1〜4/30:4日
5/1〜5/31:2日
2回目以降は付与回数(つまり勤続年数)にあわせて、以下のように付与しています。
2回目:11日
3回目:12日
4回目:14日
5回目:18日
6回目以降:20日
ケース
12月1日に入社した人の場合、12月1日に10日分、翌年6月1日(入社半年後)に11日分の有給休暇が付与されます。
5月1日に入社した人の場合、5月1日に2日分、翌月の6月1日に11日分の有給休暇が付与されます。
いずれも労働基準法にて定められた基本ルールと比べ、社員が有利となります。
意図
弊社は、人々の充実した余暇をサポートするプラットフォームを提供する企業として、社員のプライベートな時間を尊重しています。
この取り組みは、社員の余暇を充実させることがサービスの改善に繋がるという弊社の信念に基づいています。
管理
「マネーフォワード クラウド勤怠」を利用して、有給の残数と有効期限を管理をしています。
この製品にはワークフローシステムがあり、有給取得時には申請・承認フローを回します。
有給休暇の有効期限切れの防止策
オーバードライブでは「有給を消滅させない」というスタンスのもと、有給休暇の取得促進をしています。
具体的には「定期的なアナウンス」と「有給休暇の申請・取得状況の可視化」を行っています。
季節イベントにあわせたアナウンス
年末年始、ゴールデンウィーク、お盆、シルバーウィーク、クリスマス等は、世間一般として有給休暇が取得されている時期と言えます。
このタイミングの前に、「有給休暇を使った長期休暇の取得を推奨する」旨のアナウンスをしています。
残数と有効期限をアナウンス
有効期限まで1年を切っている有給休暇の残日数と有効期限を、定期的にアナウンスしています。
有効期限が近づくにつれ、アナウンス頻度を上げています。
申請を即時承認
休暇の申請があった場合、申請理由は特に確認せず、承認しています。
※事前に業務の調整は必須としている
社員から見たら「休暇の申請は却下されることなく即時で承認される」という状況を作っています。
申請の依頼・承認を可視化
休暇の申請はワークフローで実施しますが、承認漏れが無いように、申請後にチャットツール上でメンションしてもらっています。
承認後に「承認しました」とチャットツール上で返信をするようにしています。
自分以外の社員が気軽に申請を出していること、そして、それが承認されていることが可視化されます。
有給休暇の取得状況を可視化
社内のGoogleカレンダーに「誰がいつ休暇をとるか」が公開されています。
カレンダーを見ると、毎週誰かが休暇を取っているということが可視化されています。
スタンスの共有
「今まで有給休暇を消滅させたことが無いのでそれを継続したい」というスタンスを社員に共有しています。
以上、弊社の「有給休暇の取得促進策(有効期限切れの防止策)」でした。
参考になれば幸いです。
特段すごい施策があるわけではなく、地味にアナウンスと可視化を続けているだけですが、継続することが重要と考えています。
弊社の育休・産休についての考え方も公開しています。
こちらも参考にしていただければと思います。
※カバーアートの生成にはAIを利用しています