書籍:GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた
こんにちは。
3人娘を育てている、ベンチャー企業のCTOです。
GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた
「GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた」を拝読しました。
GitLabはオフィス無しの「オールリモート」の組織です。
世界中に従業員がいるため、就業時間は決まっておらず、非同期コミュニケーションを前提としています。
リモートワークを導入している企業は多いと思いますが、ベストプラクティスを把握することで、より効果的な企業活動が可能になると思います。
そのエッセンスが大量に詰まっているのが、この書籍です。
非常に有益な内容なので、ぜひ一度手にとっていただきたいと思います。
今回、この書籍の一部をご紹介いたします。
リモートワークのメリット
リモートワークには、複数なメリットがあります。
様々な記事にも書かれていることと重複しますが、ピックアップして記載いたします。
優秀な人材の採用
リモートワークを前提とした場合、全国の人材を採用ターゲットとすることが出来ます。
例えば、2021年度総務省統計において、労働人口は以下のようになっています。
関東圏(一都三県):2,200万人
日本全国:7,000万人
関東圏の企業においては、単純計算で3倍以上の人材プールにアクセスできるようになります。
地方都市であれば、それ以上の恩恵を得られることになるでしょう。
ソフトウェアエンジニアは採用競争率が高いことで知られていますが、そのソフトウェアエンジニアは特にリモート環境を好むとされています。
そして優秀なソフトウェアエンジニアは、すでにリモート環境で活躍している可能性も高いです。
リモートワークの環境を用意することで、そのような優秀な人材を獲得する前提が整います。
優秀なエンジニアを早く獲得することは、そのまま企業の競争力に直結します。
この採用の点において、リモートワークの環境整備は非常に重要なメリットとなります。
多様なメンバーのパフォーマンス向上
最先端にリモート組織では、ダイバーシティ&インクルージョンが重要視されています。
世の中の価値観が多様化していることから、働く場所だけでなく、働く時間も多様化しています。
国籍、言語、宗教も様々なメンバーで構成された組織も多く存在します。
日本国内だけに閉じた企業であっても、この多様性と向き合う必要があります。
出産、子育て、介護と向き合いながら仕事をしているメンバーがいます。
年齢も多様で、20代と60代が同じ目的のために働くことも普通のことでしょう。
当然ながら、メンバーごとに異なる文化背景を持つこととなります。
非同期、かつ、リモートを前提としたコミュニケーションは、背景(コンテキスト)を超えたコミュニケーションとなります。
透明性が高い、明確なコミュニケーションとなります。
そのようなコミュニケーションを取ることで、様々な背景を持つメンバーのパフォーマンスを最大化させ、結果的に組織のパフォーマンスも最大化されます。
コスト削減
リモートワークでは、コストが削減されます。
わかりやすいのはオフィスの賃料です。
中小企業でも毎月数十万円、大企業であれば数百から数千万円のコストが削減されます。
見えづらいが重要なものとして、ムダな時間の削減があります。
通勤時間の平均は、片道約40分、往復で1時間20分ほどと言われています。
1ヶ月あたり20日の勤務だと考えると、約26時間。
これは1日8〜9時間労働だと考えると、約3日分の労働時間に相当します。
リモート組織を構築するプロセス
この書籍の優れている点は、リモート組織の構築プロセスが記載されていることです。
リモート化していない組織がリモート化するために必要な流れを学ぶことができます。
また、リモート化された組織においても、「このステップが抜けている」というようにチェックリストとして活用することもできます。
8プロセス
この書籍では、以下の8個のプロセスをすべて実行することを推奨しています。
1:リモート組織に関する認識を改め明示する
2:リモート責任者を任命する
3:ハンドブックを制定する
4:コミュニケーションガイドラインを明示する
5:ツールの種類を最低限に抑える
6:経営陣のデフォルトをリモートにする
7:リモート作業環境を整備する
8:インフォーマルコミュニケーションを設計する
この後、書籍では具体的な各プロセスのポイントが語られます。
そして、リモートワークでのよくある課題、カルチャーの醸成の仕方、コミュニケーションの仕方、心理的安全性の重要性などが語られます。
特にコミュニケーションの仕方については、ローコンテキストの重要性を説いています。
実際の業務の中で「様々な前提条件を伝えないままコミュニケーションが行われる」ということが非常に多い感覚があります。
日本は、他国に比べてハイコンテキストな文化と呼ばれます。
目に見えづらいルールが多いという特徴があります。
これは、同じコンテキストを共有していることで、前提条件の認識あわせをスキップするというメリットもあります。
一方で、「異なる解釈をしていても気が付かない」というデメリットもあります。
ビジネスのような目的達成型の組織においては、認識齟齬が少ない方が効率的に活動が行えます。
(コミュニティのようなbeの組織は別として)
このようなリモート組織の構築以外にも重要なエッセンスが多数学べる内容となっています。
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