U23多国籍チームを率いたヘッドコーチ
昨年2019年のグローバルチャレンジでチームインターナショナル(日本人7名、アメリカ人2名、メキシコ人1名)を率いて下さった
古達 貴(ふるたち たかし)さんに大会の感想をお伺いしました。
グローバルチャレンジを知らないって人はまずこちらをどうぞ
古達さんは千里金蘭大学(関西1部)のヘッドコーチを務めておられます。
「元々海外が好きなんですよね。日本のバレーがどこまで通用するのかを知りたかったし、海外のコーチングの仕方も学びたいと思っていました。」
参加してみてどうでしたか?
「絶対参加した方が良い!ということを伝えたいです。今、海外でプレーできる選手って、A代表であったりとかかなり高いレベルの限られた選手しか行けないというイメージがあると思います。ただ、この大会はトップ選手に限らず誰でも行くことができる。海外チームとの交流を通して、自分が持っていた価値観も変わるし、バレーへの考え方も変わると思います。」
実際に古達さんの価値観はどう変わりましたか?
「自分が指導してきたスキルは通用するんだと感じました。それによって自己肯定感は高められたと思います。自信になりましたね。あとは日本では食べられない食べ物に挑戦したりとかも刺激になりますし、外国の人とたくさん話すっていうのは普段の練習ではできないことですね。参加した日本人の選手達は今でもたくさんの外国人選手達と繋がっているようです。繋がる世界が一気に広がりましたね。」
いきなり初対面の外国人3選手を含んだチームの指導でした。指導する上で難しかったことはありましたか?
「3人の性格もわからない、普段彼女達がどんな練習をしているかもわからない。。。。ただこの3人はとても真面目に取り組んでくれましたので良かったです。この大会に参加したいという選手達なので元々モチベーションが高い子達だったとは思います。日本独特のやりかたもありましたが、あくまでもバレーボールなので指導する上でそこまで苦労することはなかったですね。3人にとっては新鮮な練習だったようで、彼女達のリアクションを見るのは楽しかったです。“あ、この練習は好きなんだ、でもこれは嫌いなんだ”っていうのが表情から伝わってきました。」
どんな練習は楽しそうでしたか?
「ゲーム形式の練習ですね。逆にレシーブだけなどのスキル練習は “まだやるの?” みたいな表情をしていましたね 笑」
他の国の練習を見ていてどうでしたか?「イラン、中国のチームはスキル練習が多かったと思います。ヨーロッパ、アメリカからのチームはゲーム形式の練習がかなり多かったですね。」
イラン、中国のチームはとても強かったですが、スキル練習の成果が出ているということでしょうか?
「それは確かにあると思います。ただ、身体能力の高いアメリカなどと対戦すると体格の差が埋められない部分もありますよね。イランチームのスキルはとてもバランスが良かったです。中国チームですが、実はこのチームのアンダーカテゴリーが日本遠征に来ていたんです。それを見た時、正直そこまでレベルが高くなかったんですよね。という事は、その後のコーチ達の指導がとても良いからシニアチームへ上がる頃にはあれほどのレベルになるって事だと思いました。今回うちのチームはかなり小柄な子達が多かったですが、あそこまで良い戦いができたのは日本でのスキル練習の成果だと思います。次回参加した時は大きな相手に対してもっと良い勝負をしたいです。」
セミファイナルで負けてしまいました。前日までのグループ戦では、みんなのびのびプレーしていたのに、決勝トーナメントでのセミファイナルでは日本人選手がとても緊張してしまい、力を発揮できずに終わってしまったように見えました。逆に外国人3人は余計に気迫を感じたのですが、コーチから見てどうでしたか?
「あの3人はプレッシャーのかかった場面でも、自分の感情を露わにして気迫のあるプレーをしていました。“それって今の自分達に必要な事だよね”って日本人選手達は試合が終わった後自分たちで話をしていました。同じコート内にいるからこそ、そういう違いを本人達が肌で感じられたと思います。」
今回の大会で感じた海外のバレーと日本のバレーの違いは?
「やはり体格の差ですね。ただ、日本の選手は小さい頃からバレーを始めている子も多く、大きな相手に対してどう戦えば良いのかというのを考え、スピードや正確性のあるバレーが出来ます。日本のチームが海外の大きな選手達に勝つには、パスの正確性や、技術面は大事になりますよね。海外チームのコーチ達からも、日本のチームの技術力と速さは褒めてもらいました。」
参加していたチームの中で“このコーチの指導すごいな!”と思う人はいましたか?
「元アメリカ代表監督のミック・ヘイリーですね。事前合宿で練習試合をした時と、そのあとセミファイナルで対戦した時では驚くほどチームが成長していました。練習の様子を見ていると、ほとんどがゲーム形式で、その中で必ず課題を持ってやっていたようです。その課題がとても明確で、選手のモチベーションを上げるのがとても上手なんだと思います。チーム力としての仕上がりがすごかったですね。」
2021年のグローバルチャレンジにまた古達さんも参戦する予定ですが、これを読んでくれているバレーボール選手・コーチ達に伝えたい事はありますか?
「今回うちのチームは外国人を合わせてやっと10名。せめて12名いれば練習ももっと充実したものになるし、試合で更に勝ち進むチャンスがあると思います。単独で参加しても、個人のコミニケーション力を磨く機会です。同じところにいたら同じ景色しか見えないかもしれない。ただ、外に目を向けてみるとまた成長できるチャンスがたくさんあります。学生のうちはこの時期は学校があったりテストがあったり、、、うちも学校も実はテスト期間中でしたが学校と掛け合い今回の参加が実現しました。参加したいという気持ちがある人は、行きたいという意思を周りに伝える事が自分の夢が実現していく第一歩だと思います。」
2021年のグローバルチャレンジに向けて日本から参加する選手・コーチを募集しています。
改めて応募フォームを掲載いたしますが、いつもで気軽にお問い合わせください。
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