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嫌われたくない

元気?ご飯おいしい?

私、ときどき「なんだか心の健康が心配!」と思った人にはこう聞いてました。
心が元気じゃなくなると、ご飯美味しくないですからね。ご飯がおいしいって大事!

タイトルで私の心の健康が心配になっちゃった方、すみません。私は心も身体もとっても元気!

ご飯もおいしいくてまさに食欲の秋という今日この頃です。

✳︎

今日は私が最も信頼する友人が
「今のあなたが読むべき本!」と強く勧めてくれた一冊の本のはなしです。

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『嫌われる勇気』なんと6年連続トップ5入り!(帯参照)

あら聞いたことあるわ、って方も多いのでは。

私も勧められて あら聞いたことあるわ、でも読んだことないわ!と翌日本屋に向かったのですが

なんと入手するまで1週間かかりました。
さすが6年連続トップ5入り。

いつ行っても、どこに行っても《形跡》はあるのに棚が空っぽ。
やっと出会えた瞬間はドラマさながらに駆け寄りました。

✳︎

まずここまで苦労して出会った本となればそれはもう期待がすごいことになってるわけです。

さぁ、私の人生を変えちゃってくださいよ!

書き出しはこうです。

かつて1000年の都と謳われた京都のはずれに(中略)哲学者が住んでいた。
(中略)
青年「では、あらためて質問します。…
哲人「ええ、世界は信じがたいほどに…

ト書きに、会話形式。
ははん、さてはこれは台本だな?(←ちがう)

本読める人じゃないと難しいよって忠告までくれた友人は今日も正しかった。


文体は正直、まあまあ読みづらいです。
(これに関してはちゃんと理由があります。それは後ほど。)

あとこの本の中で私の変わりに主語になる
いわゆる主人公の「青年」。
ごめん、君には全然共感できない。

君はなんでそんなに卑屈なの?
大丈夫?ご飯おいしい?

それから「あ、この場面見たことある!」って
アレかな?ってくらい知ってる感じがしてたけど
この本、実は前にも読んだことある事が発覚。


読んだ事を忘れた自己啓発本をもう一回読む。
おまけに主人公とは仲良くなれなさそう。

これはある意味挑戦だ。
だって一回、たぶん私は挫折したんだろうから。


✳︎


読み終わるまで、4日かかりました。


結論から言います。

この本は人生のバイブルになる、かもしれない

そんな本です。

内容が専門的なので内容の感想ではなく
書籍としての魅力と感想を。



まず、この本はサブタイトルにも「自己啓発」と入っているので「自己啓発本」のジャンルに入ることが多いようです。

でも私はこの本を
「心理学の世界へようこそ〜アドラー超入門編」
みたいな本だと感じました。

もちろん私は心理学の何たるかは全くわからないのでこれは主観です。

この本では随所に「アドラー心理学では…」という
客観的視点での解説がしっかり入ってます。

私はこの本を読んでまず最初にストーリー云々よりも心理学っておもしろいなぁ!って思ったのです。


✳︎


私は基本、自己啓発本は読まないタイプです。


昔は読んだ時もありましたが今ひとつピンと来ず。(この本も忘れてたくらいですし)

そもそも私の考えでは
自己啓発とは本来、他者にああだこうだ言われた事を言われるがままにするものではないのでは!
がベースにあったのですが
この考えはこの本を読んだあとも基本変わりません。(←実はここが大事です。)


というのも、この本を自己啓発本として捉えて
「書いてあったからこうする!」とやっちゃうと
多分ちょっと「あれ?」となります。

どちらかというとこの本が教えてくれるのは
「思考の整理整頓のしかた」。

「自分はなんでいつもこうなんだろう…」→「それには必ず原因があるよね!」というのを「青年」と「哲人」が寸劇で教えてくれるのです。

そのための会話形式ですね。
さっき読みにくいなんて言ってごめんなさい。



まとめると

「この悩みはこういう心理のせい
   それを解決するにはこうしたらいいよ!」

これがこの本の大枠です。

そして問題→原因→その原因を解決する問題→原因…というかんじで繰り返して行き、最後の答えに向かっていくわけです。

時に客観的に
時に青年を自分に置き換えて。
論点の主軸を移動させながら自分の課題に向き合う。

そして最終的に自分自身の考えと意思で動き出す
ここまでがこの本のテーマだと考えます。

✳︎


と、ここまで書いておきながら
実際「…?????」というフレーズはいっぱいありました。

理解しました!とは全くもって言えません。


でも私の「問題」は事実、半分くらいは解決しました。

解決というか、現状半分気にならなくなったという感じです。


で、残りの半分って何なのよ!っていうのが

「ちょっと難しくて一気には応用できないし!」

の部分です。


30歳、お肌と心の曲がり角。
生きてたら悩みって尽きないものです。

全部当てはめて行ったら今年中に終わらないしその間にも新しく問題って出てくる!

だからたぶん、また何かわからなくなったらこの本を開いてヒントをさがしてみるんだと思います。

いまのところ人生のバイブル候補、みたいな感じです。


✳︎


そもそも昔読んだことを覚えていなかったのは
当時「理解する必要を感じなかった」というか。

たぶん「理解しようとする事を拒否」したんでしょうね。やっぱりちょっと難しいもの。


今私がこの本を読んで色々感じたのは、今の私にとっては必要を感じたから。


共感できないなんて言ってごめんね、青年。
私もちょっと大人になったよ。




✳︎


余談ですが
青年の「ううむ。」「ははっ!」「なんと!」
みたいな、ちょっとクセありな感嘆詞もだんだん面白くなってきます。

最後は「ふっふっふ」「へっへっへ」とか言ってるし。(役者としては声に出して読みたいところ。)


青年、最後の方哲人に会うとちょっと嬉しそうです。


よかったね、青年。
もうご飯美味しく食べれるね。



そうか、例の友人は私で言うところの「ご飯おいしい?」の気持ちで「この本読みなよ!」って言ってくれたんですね。



このあいだは少し新しい日常に疲れてたんだけど
今はご飯もおいしいです!いつもありがとう。


✳︎

早速、ひとに勧めてみたんですよ。

これは面白いよ!「嫌われる勇気」って本だよ!読んでみてよ!って。


「私、嫌われたくないからいいや!」
って言われちゃいました。

ひえー!


あ、そうか、なるほど。


うん、たしかにあなたにはこの本は必要ないのかも。








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