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“ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観” 第9章編


今日のおすすめは!
D・L・エヴェレット “ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観”
屋代通子訳



*本との出逢い
堀元見さんと水野太貴さんのYouTubeチャンネル”ゆる言語ラジオ”で話題となったこちらの1冊。


イビピーオってなんだろう、水野さんが語らなかった箇所について自ら読みたいという想いで手に取りました。
学びがあった記述やピダハンの情報などを、これから各章毎に分けて読書記録を残そうと思います。
ゆる言語ラジオリスナー(ゆるげんがー?用例?)に楽しんで頂けたらと思います。


それでは第9章からどうぞ!


*第9章

*外界から必要とする援助

①土地の境界線の決定
②侵入者の防御
③病気や怪我の薬

  • 周囲をカボクロ達に囲まれており、保護された居留地が必要。

  • ピダハンの隣人であるブラジル人は時折、エヴェレットに「なぜあのちんけな生き物が美しい土地を使えて、我々文明人が使えないのか?」と問いただして来ることがあり、ピダハンの土地を奪い取る可能性がある。


*ピダハンの土地を守る為に奔走するエヴェレット

①ピダハンの村に暮らし、博士号を取った後はアメリカに戻り、言語学研究の中心であるマサチューセッツ工科大学(MIT)言語哲学部で研究を続けることにした。
ノーム・チョムスキーの学科で、彼の文法理論がエヴェレットに大きな影響を与えた。

②5ヶ月が経ち、イリノイ大学のウォード・クラッケ博士を通じて国立インディオ保護財団(FUNAI)が、ピダハンの居留地を法的に定める為の実地調査に加わって欲しいと誘ってくれた。
当時ピダハン語を話せたのは、エヴェレットと、パリンチン文化の研究者ウォードのみだけだと考えられていた。
エヴェレットは誘いを喜んで受ける。

③ポルト・ベリョに向い合流する。

ブラジル北西部、ロンドニア州とアマゾナス州との州境に位置し、アマゾン川の支流マデイラ川に面する。

第3章で妻と長女がピダハン村でマラリアに感染し、エヴェレットたちが命がけで目指していた町。

FUNAIが、ブラジル国内の経費は負担出来るけれどもブラジルまでの旅費は自分で調達して欲しいと伝えて来た。
ウォードが「カルチュラル・サヴァイバル」に連絡をとって相談してみると、価値ある活動の為に喜んでブラジル行きのチケットを手配してくれた。

cultural survaivalとは
ハーバードの人類学者のデイヴィット・メイベリー=ルイスが設立した絶滅危惧民族の生活様式を保護する事を目的としている団体。


④何時間もかけてマディラの湖畔に向い、24時間船に乗ってピダハンの村に到着した。
FUNAIの職員ではなく、ブラジル政府の職員や人類学者、地図製作者、国立植民土地配分機関の専門官がエヴェレットを待っていた。
3日間ピダハン達と意思疎通できずに困り果てていた所、エヴェレットが冗談でピダハン達を笑わすのを見て驚いた。
ブラジル人の自分達が、ブラジル国内にいるのみアメリカ人に通訳して貰わなければいけないのだと正直ムッとしていたのだと打ち明けてくれた。

⑤1週間の調査が終了。
エヴェレットは、ピダハンにとっても、エヴェレット自身にとっても、ブラジル政府にとっても収穫のある調査だったと満足している。

  • FUNAIの作図者は、ブラジル政府が航空写真をもとに作成した地図の誤りを発見した。
    ピダハンの隣の村までの距離が誤って2倍の距離になっており、2日かかる事になっていた。

  • ピダハンに公的に認められた居留地が与えられる事が決定した。

  • レヴィニョと、ピダハンに創世記がない事や口承伝承が欠如している事を話、それが如何に珍しいか意識するきっかけになった。



*それではまた次回お会いしましょう!


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