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“ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観” 第1章編

今日のおすすめは!
D・L・エヴェレット “ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観”
屋代通子訳


*本との出逢い

堀元見さんと水野太貴さんのYouTubeチャンネル”ゆる言語ラジオ”で話題となったこちらの1冊。


イビピーオってなんだろう、水野さんが語らなかった箇所について自ら読みたいという想いで手に取りました。
学びがあった記述やピダハンの情報などを、これから各章毎に分けて読書記録を残そうと思います。

ゆる言語ラジオリスナー(ゆるげんがー?用例?)に楽しんで頂けたらと思います。



それでは第1章をどうぞ!


*第1章



・エヴェレットはピダハンの村に行くまでにテープでピダハンの響きを聞き、かつて耳にしたことのある言語とはまるで似ていないと思った。

YouTubeにピダハン語の動画を見つけたのでもし良かったら聞いてみてください♩
世界でも非常に珍しい [ɺ͡ɺ̼] や [t͡ʙ̥] の発音を聞くことができます!


〈ピダハン語〉


・ピダハンの言葉は声調言語で、中国語などのように子音と母音の音だけでなく、母音の音程でも意味が変化する。

・11の音素(母音が3つ、子音が8つ)
母音はi,a,o。子音はp,t,h,s,b,g,声門閉鎖音,k。

・音の数が少ないので単語が長くなる。

・文章の基本構造はSOV(主語+目的語+動詞)、動詞のは非常に複雑で、少なくとも6万5000もの活用をする。

・”交感的言語使用”が存在しない。
交感的言語使用というのは、社会や人間同士の関係を維持したり、対話の相手を認めたり和ませたりする働きをする。
例:こんにちは。ありがとう。ごめんなさい。
・ピダハンはそのようなコミュニケーションを必要とせず、以下の表現のみする。
1.質問。情報を求める。
2.宣言。新しい情報を明言する。
3.命令。

・感謝や謝罪の気持ちは、返礼品や荷物運びの手伝いなど親切な行為で表す。

・比較級がない。

・色を表す単語がないので、赤を”あれは血みたいだ”とか、緑を”まだ熟していない”と説明的に表現する。

・過去完了がない。

〈村や生活の様子〉

・マイシ川の流域(ウマイタとマニコレの岸)に住んでいる。
(ピダハンの生息域については3章などで語っていますので参考になさって下さいください)

ウマイタ、マニコレ付近の気候は
年間を通して暑く気温変動が少なく
雨の多く降る熱帯性気候


・村の造りは規則性がない。

・小屋はどれも道の片側や川に近い方にのみ建てられ、土手からは20歩ほど離れている。川の曲がり目から曲がり目まで見渡せる。

・中央広場と呼べるような場所はなく、ジャングルに隠れるようにして小屋が建っている。

・他の家々を結ぶ細い道がある。

・思春期前の10歳くらいの子供達は裸で暮らしている。

・早朝5時くらいから活動を開始する。(そして夜は殆ど寝ない)

男は漁へ行き、女と子供はジャングルの畑にキャッサバを収穫しにいく。昼過ぎに村に戻り、男達がまだ戻っていなければ焚き木を集めて魚を料理する支度に取り掛かる。

キャッサバはタピオカの材料
として有名。
ピダハンはパンにして食べる。


・プロローグでジャングルの危険要素としてタランチュラを挙げていたが、ピダハンはタランチュラはゴキブリを食べてくれる、害はないとの理由で殺さない。


〈ピダハンの文化〉

・ピダハンは外国語の名前を好まない為、外国人には似ている仲間の名前を用いた渾名を付けて呼ぶ。

・ピダハンは、ジャングルで会った精霊と自分の名前を交換するなどして、折りにふれて名前を変える。


*次は第2章でお会いしましょう!
*プロローグの記事もありますので是非読んでみてくださいね!

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