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“ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観” 第4章編


今日のおすすめは!
D・L・エヴェレット “ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観”
屋代通子訳


*本との出逢い

堀元見さんと水野太貴さんのYouTubeチャンネル”ゆる言語ラジオ”で話題となったこちらの1冊。



イビピーオってなんだろう、水野さんが語らなかった箇所について自ら読みたいという想いで手に取りました。
学びがあった記述やピダハンの情報などを、これから各章毎に分けて読書記録を残そうと思います。
ゆる言語ラジオリスナー(ゆるげんがー?用例?)に楽しんで頂けたらと思います。



それでは第4章からどうぞ!


*第4章

〈ピダハン達の医療環境〉


・第3章で詳細を綴った妻ケレンと長女シャノンのマラリア治療に関してピダハン達の同情を示してもらえなかった事に傷つくエヴェレット。

・ピダハン達にはそのような苦しみは日常茶飯事であり、もし病気になった時は駆け込める病院も医者もいない。

・ピダハンは決して死に無頓着なのではなく、助けられる見込みがあれば必死に精を尽くす。
しかし、現実を受け止め、身内が病気で死にかけているからといって日課を疎かにする事はない。

・近親者が亡くなった際は森に埋葬している。


〈ピダハンの交易〉


・雨季にはマルメロスから商人達の船が、1日3-6隻ほど
ブラジルナッツやソルバ、ローズウッドなど熱帯雨林の産物を求めて毎日マイシ川を登ってくる。
そして、ピダハンの為に様々な品物(メルカドリア)を運んでくる。

ソルバはコウマの木の実。甘い味わい。
ローズウッド



・行商人の船が来る時はディーゼル・エンジンのパタパタという音が聞こえて、ディンと一度、舵手がエンジンを止めるタイミングを機関手に伝える信号音(鐘)を鳴らす。
そして、2回ディンディンと鐘を鳴らし船着場兼水浴場の小さな浮き桟橋に後ろ向きに入ってくる。

・ブラジル人の行商人はピダハンを一人前の人間とは考えず、猿と同類にする人種差別者だった為、白人のエヴェレットと話したがった。
また、エヴェレットのポルトガルの話し方がサン・パウロ方言に近く、アマゾン方言とは違い面白がられてもいた。
エヴェレットはピダハン語も喋るのでピダハンのボスとして見られていた。


・ピダハンが商人と意思疎通するには、身振りと、ポルトガル語のいくつかの決まり文句、リングア・ジェラル(いまは消滅したが、かつてはブラジル海岸部のほぼ全域で通じた先住民の言葉。ポルトガル語とトゥピナンバ語の混成語。)

・カシャーサを行商人が交易の支払いにするのは、国立インディオ保護財団(FUNAI)が最高2年刑務所に入れるという決まりがあるが時々破られた。

カーシャは
サトウキビから精製するラム酒


・行商人に規則を破られるせいで、酔っ払ったピダハン達はアメリカ人を殺せば新しいピストルをやると唆されて、エヴェレットはピダハンにお前を殺すと言われた。


・エヴェレットはブラジル人は高くつく交易品の代わりに安い酒で支払いをしている、騙されているのだと弁解し誤解を解いた。

・その後ピダハン達は酔うと凶暴になり、仲間に矢を仲間に射ったり、掴み合いの喧嘩を始めた。

・翌朝、ピダハン達の顔は血やあざだらけで、家のどの部屋にも血痕が飛び散ったり、床に血溜まりが出来ていた。

・男達は罪悪感からエヴェレットの家を避けていたが、女達がしきりにああ言え、こう言えと大きな声で指示を出し誤りに来た。
ピダハン達はエヴェレットの薬が必要だと主張し、留まるよう願った。


〈ピダハンの文化〉

・羽飾りをつけたり、手の込んだ儀式やボディペインティングなどはっきりと目に見える形で文化を誇示しない。

・雑草は茂り放題。
・ゴミは捨てない。
・何百というゴキブリにたかられたり、タランチュラが体を這い回っていても平然といびきをかいている。



*ピダハンに殺されかけた事で、ピダハンとの認識のズレに気付いたエヴェレット。
ピダハンの文化は分かりやすい形で誇示されない為に、深く考えるのを避けていたが、
秘密に満ちたピダハンを人類学者の観点からきちんと分析しようと心に決める…!


ピダハンの家、性生活、死人の埋葬などについて詳しく書いていますので是非読んでみて下さい!

*次は第5章でお会いしましょう!

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