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日本酒における”酸”について知ろう!

「日本酒を、もっと身近に」という理念をかかげながら活動している日本酒メディア・コミュニティ『酒小町』。今回は「日本酒における”酸”」についてお話していきます。 

このマガジンでは、日本酒の豆知識をわかりやすく、ちょっと飲んでみたくなるようなコラムを書いています。

日本酒が好きという人はもちろん、日本酒がはじめてな方、好きで飲んでいるけど専門用語まではちょっと…という方、これから日本酒を勉強してみたい!という方、ぜひお酒を片手に読んでいただけると嬉しいです。

ただ飲むだけでもお酒は美味しいですが、少し知識をいれるだけで普段飲む日本酒が更に美味しく、楽しくなりますよ! 

ゆるゆる日本酒教室、第93回目の今回は【日本酒の旨味=酸?】についてのお話です。

日本酒を飲んでいると、どこかで出会う“酸”という言葉。

「この日本酒は酸味がある」
「後味に酸がきいていますね」

なんて言いながら飲んでいる人を見かけたりしませんか?

“酸”。

まったく知らない言葉ではない。

ただ、わかりそうでわからない。

「お酒で?日本酒で?酸、って??」

そんな、絶妙な難しさがあります。

日本酒ライトユーザー・ビギナーがハードルに感じる要素の一つかもしれません。

人によって指している意味やニュアンスが異なり、混同していることもしばしばある“酸”という言葉。

今回はそんな“酸”を紐解きましょう!


人間の味覚で感じる5つの味

甘味・塩味・苦味・うま味、そして酸味です。

日本酒に含まれる、味として感じられる代表的な酸の成分は以下の5つにな
ります。

味のイメージがしやすい食材も一緒にチェックしましょう!

●クエン酸
→レモンなどの柑橘類、梅干し、パイナップル
●リンゴ酸
→りんご、梨
●乳酸
→ヨーグルト、カルピス、乳酸菌飲料
●コハク酸
→貝類(特にあさり、しじみ)
●酢酸(さくさん)
→お酢

クエン酸や酢酸は、想像したら口の中に唾が溜まるような、いわゆるすっぱい酸ですね。

ただ、酸はそれだけではありません。

実際にはひとつだけの成分だけでなく、様々なものが重なり合って酸味を作っています。

コハク酸はその代表で、主にうま味、コクのように感じられます。

コクを生み出すコハク酸

味わいがどっしりとしていて、骨太なタイプ、お燗にすると味が膨らむような日本酒を飲んだことがありますか?

そのような日本酒には、コハク酸がいい仕事をしていると思われます。

ただ、人によっては、舌をギュっと緊張させ、渋味・えぐみのような感じが
苦手、という方もいらっしゃるかもしれません。

一般的には、冷やして活きるのは、クエン酸やリンゴ酸の多めな、いわゆる「すっきり」、「爽快」、「甘酸っぱい」ようなお酒。

温めて活きるのは、旨味や乳酸の多めな「コクのある」、「まろやか」、「ほっこりする」ようなお酒です。

〜第21回目【温度によるお酒の七変化】より〜


日本酒にも含まれるアミノ酸

実は日本酒にもアミノ酸が含まれています。

アミノ酸はたんぱく質を構成する最小単位の物質です。

ピンポイントで「これ」と断定するものではなく、甘み・苦味・うま味などが含まれている様々な成分の組み合わせによって成り立っています。

代表的なのは

●グルタミン酸・アスパラギン酸
→昆布
●イノシン酸
→煮干し、鰹節、魚肉類
●グアニル酸
→干したキノコなど

です。

これらが重なることで味の相乗効果がうまれ、何倍も味が膨らみます。
鰹節と昆布で出汁をとる、というのを耳にしたことがありませんか?

これは、グルタミン酸とイノシン酸を組み合わせている、理にかなった出汁の取り方なのです。

上記の5つの酸に加えて、アミノ酸の要素があわさり、日本酒の味が出来上がっています。

これだけ複数の要素が合わさっているのですから、味を一言で言い表せなくて当然です。

唯一、これらを全て包み込む感想、それは

「この日本酒、おいしい」

です。笑

まとめ

日本酒における酸とは、

・日本酒に含まれている酸の種類を指している
・酸の成分による日本酒の味への影響のことを指している
・日本酒を取り巻く会話の中で「酸」とは、この2つのパターンが混同して使われるため、ちょっとハードルを感じる

といえます!

時々、ラベルをみてみると、“酸度“”アミノ酸度“が数値で書いてあることがあります。

写真をご覧ください。

ぜひチェックしてみてくださいね。

それでは今回はここまで!

※今回の記事作成にあたっては、管理栄養士の資格を持つみーるさんにもご協力いただきました!ありがとうございました!



日本酒コラム『ゆるゆる日本酒教室』


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20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが乾杯するだけでなく、自分たちであそびを企画したり、日本酒について学んだり......誰もがホッと一息ついて自分らしくたのしめるようなサードプレイスをつくっています。


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今回コラムを書いてくれた社会福祉士×日本酒学講師のダイゴさんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。


酒小町制作メンバー

執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note
協力:みーる(Xinstagram
ディレクション:関谷サイコ(Xnote
企画:卯月りん(XInstagramnote
編集:makio(Xnote)

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