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日本酒の英語表現について学ぼう!

「日本酒を、もっと身近に」という理念をかかげながら活動している日本酒メディア・コミュニティ『酒小町』。今回は日本酒の英語表現についてご紹介していきます。 

このマガジンでは、日本酒の豆知識をわかりやすく、ちょっと飲んでみたくなるようなコラムを書いています。
日本酒が好きという人はもちろん、日本酒がはじめてな方、好きで飲んでいるけど専門用語まではちょっと…という方、これから日本酒を勉強してみたい!という方、ぜひお酒を片手に読んでいただけると嬉しいです。

ただ飲むだけでもお酒は美味しいですが、少し知識をいれるだけで普段飲む日本酒が更に美味しく、楽しくなりますよ! 

さて、みなさん。日本酒を飲んで

「こういう味の日本酒、なんて言うの?」
「この味、どう言えばいいの?」
「私、“おいしい“しか言えないです・・・」

とお悩みの方、いらっしゃいませんか?
安心してください。
味を的確に表現できる人の方が珍しいと思います。

正直、個人で日本酒を楽しむ分には「おいしい」の一言で十分です。

でも、ちょっと背伸びしてみたいですよね。

日本酒の味を表現する時には、日本語で表現するよりも、英語の方がイメージがつかみやすいかも、と思っています。

また、昨今では、海外の方も日本酒を楽しむ時代になっていますので、もし海外の方と共に日本酒を楽しむような場面があった時には、そのままその英語表現が使えますね。

今回は日本酒の英語表現に触れてみたいと思います!

【今回の記事作成にあたって】
今回の記事作成にあたっては、酒小町メンバーであり国際唎酒師である
ふみさんにご協力いただいています。(instagram)


香りの特性によって分類される日本酒

ちなみに、みなさんは日本酒をその香味の特性によって分類する方法があるのをご存知ですか?

香り×味わいの組み合わせにより、4タイプに分けられる表現で、どんなタイプがあるのか以下の表をご覧ください。

引用:https://saketomo.tvaichi.co.jp/knowledge/20221229_koumitokusei.html

薫酒 香りの高いタイプ
爽酒 軽快でなめらかなタイプ
醇酒 コクのあるタイプ
熟酒 熟成タイプ

中にはこの表に当てはめにくい日本酒も存在しますが、味を表現する時には「このお酒はどこに当てはまりそうかな」と自分なりに考えてみてはいかがでしょうか。

そして、これを英語にすると以下になります。

薫酒 aromatic sake
爽酒 refreshing sake
醇酒 rich sake
熟酒 aged sake

この表現をするだけでも、端的に日本酒の香りや味わいを説明できます。

具体的なニュアンスの表現

ここからもう一歩踏み込んで、もう少し具体的なニュアンスを出したい時には、どのような表現になるでしょうか。
以下、使えそうな単語を、カタカナ発音と訳をつけてみましたのでご覧ください!

●色/color(カラー)
Clear (クリア):透明感がある
Sparkling (スパークリング):発泡
Cloudy (クラウディ):にごり
Matured(マチャード):熟成した

●香り/aroma(アロマ)
Floral/Fragrant (フローラル・フレグラント):華やか
Fruity (フルーティ):果実感のある香り
unique:(ユニーク):個性的な

●味わい/taste(テイスト)・flavor(フレーバー)
Sweet(スウィート/スイート):甘い
Dry(ドライ):辛い
Smooth(スムース):(いい意味での)引っ掛かりがない、飲みやすい
Light(ライト):軽い
Sharp(シャープ):キレがいい
full-bodied(フルボディード):濃厚、コクがある
Clean(クリーン)・Clear (クリア):透明感がある、雑味がない
complex(コンプレックス):複雑な
Tart(タート):酸っぱい、酸味がある

<補足>
※Dry(ドライ):「糖分が少なく、口当たりがすっきりしていること」。
香辛料がきいて刺激的・spicy(スパイシー)ではない。
※Sour(サワー):酸っぱい→「腐敗して酸っぱくなった」という意味合いを表すことがある。
※Acid(アシッド):化学的な意味での「酸」。
例) アミノ酸:amino acid(アミノアシッド) 乳酸:lactic acid(ラクティックアシッド) クエン酸:citric acid(シトラティックアシッド) リンゴ酸:malic acid(マリックアシッド)


いかがでしたでしょうか。

見たことがある・聞いたことがある単語も多いのでは?
香りや味わいでも両方で使える単語はもちろんあります。

また、これらの単語以外にもいろいろな表現が可能です。

注意点としては、本来の英語とやや異なった意味で、日本語としても定着しているカタカナ言葉があること。

「超リッチでユニークなキャラの彼は、飲み会の一杯目は決まってレモンサワー。でも実は、背が低いことがコンプレックスなんだって。」

いま、みなさんがすらすらとこちらの文を読んだ時、脳内では、

・リッチ→お金持ち
・ユニークな人→面白い、風変わり
・サワー→ソーダを加えた飲み物全般
・コンプレックス→劣等感があるところ

と意味を変換していると思いますが、いかがでしょうか。

今回の記事を作成するにあたって、英語の表現を覚えておいた方が便利だなと思ったのは、日本酒のイベントでスタッフとして入った時でした。

イベントには、当たり前ですが海外の方もいらっしゃいます。
咄嗟のことに文法はめちゃくちゃ、ゴリゴリのジャパニーズイングリッシュ、カタカナ英語のアクセントで対応せざるを得なかったのですが、それでもなんとかお酒の提供は出来ました。

細かいニュアンスは難しくても、正直、単語の羅列+ジェスチャーを交えれば、割となんとかなると思います!

経験上、実際に通じたフレーズは、

「Hi, what kind of sake do you like?」 (どんな日本酒がいい?)
「This sake is 〜〜(fruity/rich) aroma.」 (このお酒は〇〇な香りだよ)
「This sake is 〜〜(sweet/dry) taste.」 (このお酒は〇〇な味だよ)
「This sake is recommend / popular / famous」 (このお酒がおすすめ・人気・有名だよ)

という言い方でした。

また、的確な意味のピンポイントな単語が思いつかなくても、言い換えたり、思いついた単語を非定文にすることで反対のニュアンスを伝えたりもしました。

例) 「Like a whisky color」 (ウイスキーのような色)※熟成した日本酒の色の説明。
「This sake is sweet taste」「This sake is not.Which one?」 (こっちは甘口だよ。こっちはそうじゃないよ。どっちにする?)

★★★応用編★★★
・「This is unpasteurized sake , so very fresh!」 (これは“生酒“なので、とてもフレッシュだよ!) ※unpasteurized(アンパスタライズド) 
意味:低温殺菌されていない
※※流通の関係で、火入れしていない生の日本酒は海外ではほぼ飲めません。そのため、海外の方にとっては非常に貴重な体験になるので、強力なセールスポイントになります。
・「This sake is good much for 〜(料理名)」 (このお酒は(料理)と合うよ!)
・「Don’t shot, sip sip!」 (一気に飲まないで、ゆっくり飲んで!)
※sip(シップ) 意味:少しずつ飲む、ちびちび飲む
※おちょこが小さいため、ショットグラスのようにぐいっと一気飲みするものと思う人がいるため

それでは今回はここまで!

参考: Dancyu March 2020
特別監修: 国際唎酒師 ふみさん

日本酒コラム『ゆるゆる日本酒教室』

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今回コラムを書いてくれた社会福祉士×日本酒学講師のダイゴさんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。

酒小町制作メンバー

執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note
ディレクション:関谷サイコ(Xnote
企画:卯月りん(XInstagramnote


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