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【毎週ショートショートnote】白骨化スマホ

お題:白骨化スマホ


「はあー……またかよ」
「また白骨スマホですか?」
「ああ。これの書類を書く身にもなれってんだ」

 町内の巡回中、歩道の花壇から携帯電話の残骸が見つかった。左上の角だけが頭を出しているそれを急ぎ掘り起こし、ポケットに仕舞っていたポリ袋に入れる。
 近年、老いも若きも必ず携帯電話を持つようになった事と、AIが高度に発達を遂げた事が重なり、携帯電話にはAIが搭載されるのが標準となった。だがそれが俺達警察にとって最悪な法の制定を後押しした。「白骨化スマホ法」。要は携帯電話にも人権を認め、遺棄を禁じた法だ。しかしそうは言っても新米法律。未だ人権の有無を争っている団体は多く、遺棄も絶えない。法に人間の感情が追いついていないのだ。
 そしてそこで割を食うのが俺達警察だ。やいのやいの言おうが目の前のこれは立派な仏さんで、これは死体遺棄事件だと法で定めされている。遠い昔のようにゴミ箱にぽいでは済まされない。

「あー、俺も人権認めねぇ団体に入ろっかな」

 無情な残業確定宣告を下す目の前の携帯電話を睨みつけた。



小説内で携帯電話をスマホと書くのが嫌いなので、無駄に文字数を食ってしまった。

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