見出し画像

初めて精神科に電話をした時の話。

うつ病とは精神科を受診し、ある程度通って初めて診断が出されるものだ。
初診で「あなたはうつ病ですね」とはならない。
だがこの初診のハードルは、うつ病の人間にはとても高かった。

実を言うと精神科を受診する事は周りの人間から勧められてはいた。
身動きが取れない程気分が落ち込んでいたのだ。
周りが勧めるのも当然の事だろう。
だが精神科を受診すると言う事は「自分は精神的に問題がある」と認める事だ。
どこの病院にするべきかだとかよりも、よっぽど難しく苦しい事である。

私の場合、自律神経失調症を同時に患っていたので気分の落ち込みと言う精神的なものよりも、腹の具合が悪いと言う身体的な症状に一番苦労していた。
とにかくすぐ腹を下してしまうのが鬱陶しくてしょうがなかったのだ。
正直、気分の落ち込みだけであれば病院の受診はもっと遅れていたと思う。
周りから見ればヤバイ状態だろうが、当の本人には普通の落ち込みとの違いなんて分からないのだから。

と言う訳でようやく重い腰を上げ、自宅から通える距離で精神科の病院を検索し、とりあえずこの病院にするかと受診を決めた。
決めた、まではよかった。
だがそこから先がなかなか進まなかった。
「私は本当に精神科に行くのか?」
「精神科に行かなきゃいけないのか?」
「私は精神科に問題があるのか?」
「もしうつ病だったらこれから先どうするんだ?」
そう思うと、病院に電話をかける事が出来なかった。
何度も病院のホームページを開いては閉じたし、電話をかけるぞと決意をしても指が震えて電話を出来ずに終わる事も何度もあった。
もちろん精神科を受診している人を貶す意図はないが、当時の私は「精神科に行くなんて人生終わったようなもんだ」と考えていた。

だがそうは言っても体は待ってはくれない。
うつ病と、それからくる自律神経失調症だ、放っておいてよくなるはずもない。
結局体が上げる悲鳴に耐え切れず、震えながらようやく病院に電話をかけ、受診に漕ぎ付けた。
実際に病院に行く時も恐ろしくてたまらなかった、とにかく「精神科に行く」と言う事が恐ろしくてたまらなかった。
当時の私はメンタルが本当にどん底の絶不調。
「初めて」な上に「精神科」だなんて恐怖でしかなかった。
ヤバイ奴しかいないと震えていた。

しかしそれも今となっては、一体何をそんなに怯えていたのかと思う。
自分を客観的に見て考えたら分かる事だ。
普通に外来で通院出来る人に、精神科に無知な人間が想像する「ヤバイ奴」がいる訳がないのだ。
そう言う人は外来じゃなくてとっくに入院している。
こうして書いていても、うつ病がどん底の時は本当にまともな判断が出来ないものだと改めて痛感する。

精神科は皆が思う程、怖い所ではない。
私が通っている所では小さな子供を連れた人や、高校生も見かける。
なので「ちょっとこれはメンタルがヤバイかもしれない」と思った時は、無駄に引き延ばす事なく、精神科を受診してほしい。
どんな病気も早期に治療が出来るに越した事はないのだから。

「ほら餌の笹代だ」的な感じでサポートよろしくお願いします! ポチって貴方に谢谢させてください!!!