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モチベーション脳 やる気は脳から

【モチベーション脳 やる気は脳から】
著者 大黒達也
出版 NHK出版新書

【感想】
この本はモチベーションについて、著者の研究分野である脳の「統計学習」の観点から考えていきます。

まず「統計学習」とは身の回りで起きる出来事の統計的な確率を自動的に計算する脳の働きです。脳は常に、身の回りに起きる様々な事象を予測していて、自分にとって不確実な状況を減らすように働いているそうです。

これは知能指数とはほぼ無関係で「みな平等」の脳の学習システム。
無意識的な学習で、寝ている間も脳がずっと行っている学習だそうです。

この潜在的な学習である「統計学習」が実は人のモチベーションに大きく関わっており、
モチベーションとは必ずしも明確に意図や目標をもつことで上がるのではなく、むしろ無意識的な統計学習が影響を与えていることが多いと著者は述べています。

そうなると、脳のやる気スイッチは無意識的な学習である「統計学習」となる。

①統計学習とは「不確実性の減少」と「予測精度の向上」
②予測検証すると「わかった!」と脳が喜ぶ(報酬)
③不確実性にチャレンジする前向きモードになる。

子供のうちに、このサイクルをつくると、自動でやる気スイッチがONになるのではないか!?
不確実性の強度も重要で、不確実性が大き過ぎるとストレスになるし、不確実性が小さいと物足りない。
「丁度いい!」ってレベルの不確実性を体験し、それをクリアして、脳の予測精度を上げていくことが脳のやる気を上げる方法となる。

モチベーションを上げるという観点で子育てを考えると、予測可能な学習を繰り返すよりも、予測を裏切るような適度な不確実性を経験させて、それをクリアするという学習が良いということになります。
また、自分から主体的に興味関心をもって取り組む方が、クリア時の報酬が大きいので、モチベーションはさらにアップするそうです。(認知ー行動サイクル)
さらに、論理的思考活動を「抑えた」ときのほうが統計学習能力が上がるそうです。

まとめると、「細かいことは考えずに、気の赴くままに、適度な不確実性のある興味関心の高い遊びをする」となる。

最近の子供達の遊びはどうでしょう?
みんな大好きマインクラフト(ゲーム)は、不確実性の減少と予測精度の向上を生み出す統計学習的な遊びなのか?
例えばYouTubeやTikTokなどのメディアは、検索アルゴリズムによって、使用者の好みそうなものを自動的に提供してくれますが、これも統計学習的には余計なお世話になります。

小さい内は、あまり大人が準備し過ぎず、人のコントロールが及ばない自然の中で自由に伸び伸びと遊ばせた方が、統計学習的には良いのかもしれません。

勉強になりました!
感想は私の主観も入っておりますので、気になる方はご一読ください。

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↓【この本から学べる子育てポイント】↓

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