見出し画像

心地の良い悪夢

眠れないんです。全然、全然眠れないんです私。
何をしても、何をやっても、どう頑張っても眠れない。どうしたら眠れるのか、どうやったら眠りにつけるのか、そんなこと考えて一日中、無駄に時間を過ごします。

巷で聞いた快眠方法、手当たり次第試してみても、穏やかに眠れることはなく、病院で出された錠剤を、バリボリ砕いて飲み干したって、安らかに眠れることもなく。

あぁ、どうしたら私は穏やかに、緩やかに、眠りの境地に辿り着けるのか。

考えて、考えて、考えて。
考え尽くして、考えあぐねて、眠り損ねる、そんな日々です。


夢喰い貘は言いました。『お前がいつか悪夢をみたら、その時はわたしが全て食べてやろう。』と。
だけども私はそのいつか、なんて全く待てない信用できない。だから貘を頭から、バリボリ噛んで飲み干した。

そしたら、急に眠たくなって。私は、

とうとう、

うとうと。

まぶたがくっつきはじめました。

ああこれで、ようやっと眠りにつける。
そう思ったら。



いつのまにかわたしは貘で、眠れない悪夢を見続ける誰かの、そんな悪夢を食べていたました。


わたしはきょうも夢の中、美味しく悪夢をを食べ続けます。

この記事が参加している募集

いつも応援ありがとうございます! 頂いたお代は、公演のための制作費や、活動費、そして私が生きていくための生活費となります!! ぜひ、サポートよろしくお願い致します!