半透明のスター
キラキラ輝く一番星。
きみはいまどこにいるの?
ぼくは残月
昼間に取り残された半透明のお月様の片割れ
輝くことも許されずにただぼうっと青い空に浮かんでいる
ぼくだけひとり、浮かんでいる。
けれど時々、ぼくとすれ違う星。
ぼくはその星に恋をした。
西の空で輝いているキラキラ眩しい一番星に。
ああ、ぼくは恋をしたのだろうと確信したのは、多分今で。
面と向かってお話するのはもちろん今日が初めてで、けれどもその確信を伝えずにはいられなかったから声をかけた。
ぼくはあなたに恋をしています。と。
面食らったような表情の後、少しはにかんで、ぼくを拒絶するどころかしどろもどろなぼくの言葉を聞こうとしてくれるその姿にさらに気持ちは募っていった。
日が落ちるわずかな時間。
夕と夜の間の時間。
黄昏、トワイライト、刹那。
オレンジに透けるぼくの姿と、一等輝く君の光。
釣り合わないことはわかっている。
僅かな時間しか会えないことも。それでもぼくは君に焦がれる。
また明日もこの場所で、この時間にお会いしましょう。
ぼくは昼間のことを話すから、どうか夜のことを教えてください。
半透明のスター
真昼の月は宵の明星に恋をした。
白く透ける体を精一杯空に釘づけて。
今日も一番星が輝き出すのを、今か今かと待ちわびている。
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