【マンガ感想文】K-1の石井館長が女子高生に転生する「どるから」
異世界転生の小説やマンガが流行している中で、著名な人物が転生するテーマも多い。パリピ孔明や島耕作も転生している。その中で異彩を放つのが、格闘技イベント「K-1」の創始者である、石井和義館長が女子高生に転生する、「どるから」である。
あらすじ
石井館長は脱税の罪で実刑を受け、一年の刑期を終えて出所してすぐにトラックに轢かれて死亡する。そのとき自殺を図って一命を取り留めた、格闘家の一ノ瀬ケイに乗り移る。
ケイは空手道場の館長の娘だった。しかし館長だった父親が死に、道場の資金繰りは悪化していく一方の現状に絶望していた。乗り移った石井館長は一ノ瀬道場の再建に乗り出す。
女子格闘技の隆盛
一昔前は格闘技、特にボクシングや空手などの打撃系の格闘技は男の世界であったが、近年は女性の活躍も目覚ましい。東京オリンピックでは入江選手がフェザー級で金メダルを取っている。
市民権を獲得し始めた女子格闘技界において、ケイは選手兼プロデューサーとして活動をする。元々ケイ自身が優れた空手家であったので、フィジカルが優れているのに加えて、百戦錬磨の石井館長の経験と知識によって、選手として頭角を表すようになる。
ちなみに入江選手の快挙について、某テレビ局であるコメンテーターは「嫁入り前の女の子がボクシングなんて〜」って暴言吐いていた。それなら柔道やプロレスはいいんかいと、ちょっと思う。
格闘技市場のノウハウ
石井館長は空手の正道会館と格闘イベントK-1の創始者である。それだけに格闘技の市場に精通しており、そのノウハウを一ノ瀬道場再建に生かしている。豊富な経験と知識に加え、時代の先を読むセンスによって、新規事業やイベントの開催をしている。
従来の道場式の空手ではなく、スポーツジムなどに出張をしたりしている。これを公文式空手と名づける。
顰蹙を買うような企画でイベントを開催し、炎上をあえて起こさせることでイベントを盛り上げる。
原作者:石井館長
存命の人をネタにして大丈夫か?と思うかもしれない。しかも石井館長はすでに服役を終えているとはいえ、実刑を受けた人物なのだから、周囲は気を使いそうなものである。
しかしどるからの作者を見ると、石井館長も著者の一人なので、結構ノリノリなのかもしれない。
そのうち美空ひばりさんや手塚治虫さんが現代に転生したりして。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?