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「過去は過去だろ。」に、救われた。

大好きな「いいちこ」を片手に、ほろ酔い気味に父が言った。

「お前、過去は過去だろ。未来を気にしろよ。」

この前、久々に母親と父親に会う機会があった。僕自身、普段はどこか気恥ずかしくて両親に悩みとかは相談しないけど、酔いが回っていたこともあって「大学の時に遊んでないで、もっとオレも資格の勉強とかしてたら、って思うんだよね」と後悔の念をこぼしていた。

フリーランスのWebライターとして働くなかで、何かしらの専門性を持ってる人が羨ましく感じてて。大学時代の僕はというと、サークルとバイトの日々で、「専門性を身に付ける」なんて選択肢すら気付かなかったから…。

で、酔いの勢いもあると思うけど、父が言い放ったのがさっきの一言。

「お前、過去は過去だろ。未来を気にしろよ。」

「大学んときなんて、選択肢を知らないほうが当たり前だろ。大人になって、経験積んで、いろんな選択肢に気付いてくもんなんだよ。」
「遊びに費やしていた時間だって、今のお前の財産だろ。」

父がもっと何か言っていたかと思うけど、呂律が少し怪しかったり、僕も酔ってたから、記憶に残ってる言葉だけ、だけど。

でも、心が少し軽くなったのは覚えてる。

脱サラしてフリーランスになった僕にとって、フリーランスの生活は「自由」の連続。そして想像以上に自由過ぎて、逆に戸惑うことも多い。

「これから何を軸に食べていこうか…」
「どんなスキルを磨いていく必要があるのか」

描けるキャリアが無限大だからこそ、悩みも無限大。特に僕はこれといった資格も持ってないし、人に誇れるような技術も持っていない。Webライティングの魅力にやられ、着の身着のままに「えいやっ!」っとフリーランスとして働くことを決めたひとりに過ぎない。

だからこそ、未来に目を向けるのが怖い。「専門性」という明確な武器を磨いてこなかった自分に、苛立つこともある。でも、そんなん言っても始まらないから、何か行動を起こさないと――。っていうループが、最近の日常茶飯事だった。

そんなときの、父の言葉。

そうだよなぁ。

過去は過去にすぎないし、これまでの成功体験も失敗体験も、出会ってきた人たちも、今の自分を作っている、立派な財産。目を向けるべきは未来だし、昔の僕より、今の僕のほうがたしかに多くの「選択肢」を知っている。専門性を磨くのも一つだし、色々な仕事を広く浅くこなすって道もあるだろう。場合によっては会社員に戻って働くという道だって、可能かもしれない。

相変わらず、「いいちこ」の黄色いボトルを手に、おいしそうな表情を浮かべる父。その手に持つボトルは、僕に掲げられた小さなトロフィーに見えた(ような気がする)。

うん。今の自分に自信を持って、頑張ろう。

引用:三和酒類株式会社


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