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今こそ「昔のインターネット」が必要じゃないか?

「縄文土器 どこで買う」みたいな検索をしていたらこちらのサイトに出会いました。

なんでそんな検索をしていたかはさておき。

なんの変哲もない、というか失礼を承知で言うならちょっと古さを感じるデザインのインターネッツです。
でもそれがまた懐かしさを感じるんですよね。

さて。
こちらのサイトの何が素敵なのか。

それはもうズバリQ&Aコーナーです。
ぜひ覗いてみてください。
見ずには帰れません。

どの質問も面白いのですが、なにより各質問に対するセンターの従業員さんの回答が秀逸です。
ジワジワ来ます。
⇩特にこのQ&Aはたまりません⇩

いかがですかこの2行足らずの質問に対しとんでもない量の回答。
しかもわりと全体的に的外れな回答。
しまいには「答えになっていなくてすみません」と謝る始末。

いいんですいいんです。
このセンターの人の埋蔵文化財に対する異常なまでの熱量が感じられるのがすばらしいんです。

今どきあります?
こんなに自分本位なアツいウェブサイト(褒め言葉)

もれなく他の質問も見てみたくなる魔力が備わっています。
出そうと思っても出せるわけじゃない、この不思議な魔力。引力。

私はこれをみて90年代後半のアツいインターネットを思い出さずにはいられませんでした。
しかもこのサイトをネットサーフィン中に偶然見つけるという体験もアツい。
キリ番ゲットとか言いたい。


今って何かしらの情報まとめサイトやまとめアプリから、自分が興味のある情報だけが入ってきますよね。
現代のウェブはそういう風にデザインが完成されてしまっています。
広告主体で作られた、決まりきったユーザーインタフェイスでは「偶然」という体験が無い。

私はこの現代のインターネットがつまらなくて。
この埋蔵文化財センターのウェブサイトは、その現代のインターネットから取り残されたような、それでいてしっかり輝きを放っている、ユートピアのような存在です。

90年代後半のインターネットに生息していた人々はみんな無駄にアツくて、何かに特化したオタクが多かった。
時間を忘れて自分の作品を作っては発表し、制作過程を公開し、掲示板やICQでは推しメンについて語り合い、自分の気持ちを素直に「日記」としてぶちまけていました。
ホームページのデザインだって、オシャレでデザイン性の高いサイトを見つけてはソースコードを読んで、自分のサイトに落とし込んでは日々改良を続けたり。
それは仕事や広告や金稼ぎじゃない、ただただ純粋な趣味の領域。


・・・ふと気づいたんです。
あれ? これって現代のインターネットが欲している環境なのでは・・・?


YouTubeやマインクラフト、今ならNFTも。
自分の作品を公開するのが当たり前の時代。
ブログやnoteで個人が意見を発信していく時代。
その制作過程を売っていく「プロセスエコノミー」時代。
推し活はもちろんのこと、趣味を突き詰める&他人と同じではない自分だけの世界観を持つ時代。
SNSや有料コミュニティで特定の人とだけの濃いつながりを求める時代。

今は、オンラインサロンなどの有料コミュニティや鍵アカといった、罵詈雑言や批判の無い優しい世界、つまりより平和で有益な「閉じた」世界へと人々が退避していっている時代です。
90年代後半のインターネットには既にこの世界観があったのです。
インターネットが大衆化されるにつれて忘れ去られていった、本当の自分を表現できるもう一つの世界。

そこで必要とされるのはなんでもそつなくこなせる無難な人じゃなくて、何かに特化した人。
ただ専門的な知識があるだけじゃなくて、熱量をもって取り組める人。
パラノイア(偏狂者)、すなわちオタクです。
まさしく埋蔵文化財センターの人のような人材です(褒めてます)。


閉塞感漂う現代のウェブに風穴を開けるべく、昨今はweb3という概念が登場してきています。
私はこの概念はとても面白いし広がっていく可能性を感じてはいます。

しかしながら、システムや概念で片づけてしまう前に、私はもっと人の可能性に賭けてみるべきじゃないかと思ったりもします。
広告とか金儲けといったビジネス目線じゃない、人が持つ原始的で純粋な探求心や欲求。
これからの人生、そんな本質をもっと追求してみるのも悪くないんじゃないかな。

どんなにQ&Aを読んでもぶっちゃけ埋蔵文化財にはまるで興味が湧かないですが・・・
埋蔵文化財センターさんが偶然にも懐かしい素敵な時代を思い出させてくださいましたし、色々思考するキッカケを与えてくださり、束の間の素敵な時間を過ごすことができました。
感謝、感謝です。

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