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地方で特許調査会社を運営して、大変なこと&良かったこと

この投稿は「知財系 もっと Advent Calendar 2020」 12月23日付エントリーです。 前日12月22日投稿は西脇怜史先生Twitter)の「知的財産関係の権利侵害の警告をするときどうしたらよいか」です。
(アドベントカレンダーの主催は、知財系ポータルサイト「パテントサロン」の管理人・大坪さんです。今年は大盛り上がりで、もうひとつ会場があります。⇒ 知財系アドベントカレンダー2020

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こんにちは!酒井美里と申します。長野県で調査会社を運営しています。

コロナ禍の今年、2020年は「テレワーク」「在宅勤務」そして「どこにいても仕事ができる」ことが、否応なしに身近になった1年だったのではないでしょうか。とはいえ、今年「ちょっとビックリした」のが、テレビ画面に映ったこちら。
2021年ヒット予測9位に「長野でテレワーク」ですってよ!(ほんとかな?)

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ランキングの出所はこちら。
日経クロストレンドの「2021ヒット予測」です。

長野でテレワーク、本当に流行るのでしょうかねー?
それはさておき。
個人的には、長野には限らなくても「どこにいても仕事ができる」って良いなぁ、と思います。色々な場所で過ごすと、それだけで五感を通じた経験ができ、視点や知覚も変わりますよね!

この時期「短期~のワーケーション」から「地方に拠点を移す」まで、「都会以外で働く」選択肢が、頭をかすめた方もいらっしゃるかも・・・?ということで、「地方で働いていて、大変だったこと&良かったこと」を書いてみます。

大変だったこと 1:交通費(特にコロナ以前)

コロナ禍前はほぼ毎週、東(東京)か西(名古屋・関西)どちらかに出張していました。新宿だと電車1本なので、移動自体はさほど苦ではなかったのですが、毎月の交通費はそこそこの額になっていました。

税理士さんにも「売上が上がると面白いように交通費が増えますね!」って笑われていましたが・・・

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今年は打合せが100%近くオンラインになり、交通費が激減しました。コロナ禍がおさまったら、多少Face to Faceの打合せも復活するのかな?とは思うものの、 

オンラインの打合せは、日時選択の自由度が高いので(たとえば 都内の企業と打合せをした1時間後に、関西の事務所と打合せ・・・ってスケジュールは、オンラインならでは、ですよね?)弊社としては、コロナ終息後もオンライン打合せを積極的にご提案する見込みです。

大変だったこと 2:人材採用

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「地方に事業拠点を置く」場合、ネックになるのは人材採用、と感じています (いました)。地方では知財経験者はもちろん、調査経験者の絶対数が少ないので、募集を行ってもなかなか人が集まらないのが現状です。

弊社の場合はどうか?というと・・・
2008年頃から、テレワーク前提の採用と組織運営を行っており

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約10年で、事務系/営業系を中心にテレワーク10名弱、という現状です。
「調査系はどうしているの?」とよくご質問頂くのですが、こちらは前職知財つながりで、弊社に来てくださった方が殆どです。

今後、テレワークが一般化することで、調査系でも「他県に居住しながら一緒に仕事」の可能性が広がったら嬉しいですね。

大変だったこと 3:人に会う/セミナー等参加

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コロナ以前、毎週のように都内出張していたとはいえ、宿泊日数でいうと週1~2泊程度でした。やっぱり居住しているわけではないので、ご一緒したい方がいても、スケジュールが合わない、とかはよくありました。

セミナー等も同様で「別の出張と連続なら良いけど、わざわざセミナー2時間のためだけに上京するのもね・・・」とか思ってしまって、見送る事が多かったですし。今年はオンラインセミナーが多いので、とても助かってます!

番外:ちょっと困ったこと(地方限定ではないかも?)

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以前「村の生活で、ちょっとだけ困ってたこと」を思い出しました!

私・・・家族は主人と、子供が2人。4人家族です。(子供、と言っても 24才と21才なので、今は「成人した同居家族」ですね)

子供たちが小中学生だった頃、村の公立校に通っておりまして、
他の保護者の方から、季節の挨拶くらいの感じ?で「〇〇ちゃんのお母さんって、お仕事何してるの?」って聞かれると説明に困りましたねー。
「役場」とか「JA」「農家(野菜/花)」「以前の勤務先」などは「わかりやすい職業」なんですけども・・・。特許調査会社って、一体どう説明したものかな?と。(汗

しかし途中から「これ、たぶん挨拶代わりに聞いてるね・・・?」って時は

うふふー。ちょっとね、「ないしょ」の多い仕事なのよ。
私もうまく説明できなくてー。ごめんねぇ?

と返したら、それ以上追求されないぞ・・・?って気がついて。

以降「これ、面倒だけど深い意味はない質問だな・・・」(察し) って時は、大体この方法で返事してます(笑)。もしかするとこれ、「地方だから」ではなく「知財職あるある」かもしれないですね^^

それでは次から「良かったこと」です。

良かったこと 1: 文献調査(図書利用)が便利になった!

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普段の業務は「特許を対象としたデータベース検索」が大半なのですが、時折「文献調査」もお引き受けしています。

文献調査の際、書籍がヒットするとざっくりで

所蔵館を確認 ⇒ 書籍取り寄せ ⇒ 複写依頼

という手順をとるケースが多く、その際、原村図書館には本当に良くして頂いています。(図書館員のみなさんには、ちゃんと職業もご説明しました。だいぶ前ですけどね。)具体的にはこちら▽

「国立国会図書館が保有している書籍電子データを、他の図書館にデータとして貸し出す」という制度があります。これは、どこの図書館でも利用できるわけではなく、登録図書館のみの扱いです。そして・・・

原村図書館は、長野県内でもかなり早い段階で「参加館登録」をしてくださいました。小規模自治体だから「酒井さんって、しょっちゅう謎の利用をしてる」と、気にかけて頂いてたみたいです。感謝しかありません。

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良かったこと 2:気分転換し放題

これ、前々から「長野の良い点」だと思ってはいましたが、コロナ禍に突入してからは本当にありがたいなーって感じてます。

以下・・・この機会に「長野勤務の自慢」をさせて頂きます
(全部ここ1年以内の出来事です^^)

秋は出勤しながら紅葉を見て・・・

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今はだいぶ寒くなって、冬景色です。
降雪は、少しだけ。毎日晴天が続いて、気温はすごく下がります。(諏訪湖)

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まだかなり気が早いけど・・・春先の「雪山と新緑と水田」の景色も、長野らしいし。 (徒歩通勤の日、いつも通る道です)

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夏場「天気が良くて、観光客が少なそうな平日」をねらって、御射鹿池を見に行ったこともあったし。

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取引銀行に外出した帰り道、虹が端から端まで見えたこともありました^^

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・・・こんな感じのロケーションで、平日は毎日調査をしています。
業務中はずっとモニターの前に座り続けているので(これは都会でも地方でも、だいたい同じですよね?)仕事場から一歩出ればこの景色!というのは、自分としてはとても切り替えになって、大げさに言えば救われています。

最後に「みなさんにお伝えしたかったこと。」

テレワーク、在宅勤務の状況は職種によってもかなり違う、と見聞きします。そのような中、知財業界はテレワーク率高めなのではないかしら?と感じます。(Twitter等でも「今日は在宅」といったつぶやき、毎日のように見かけます)

そのような環境変化の中・・・
「好きな場所・生活してみたかった場所」で働いてみるのは、アリなんじゃないかな?とお伝えしたくて、こちらの記事を書きました。

前半に挙げさせて頂いた「地方ってここが大変!」だった事も、コロナ以降は「そこまで大変ではなくなったかも・・・」と感じますし。

逆に以前から「よかった」と思ってはいた、長野勤務。
開業時は「やっぱり知財業界は首都圏が便利なのかなー?」と、少し弱気?になった時期もあったけれど、今は心の底から「こんな時期だからこそ、好きな場所で働き続けていてよかったー!」と思います。

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今年は旅行に行けなくなったり、
たとえば・・・嵐が活動休止するけど、最後のコンサートには行けなかったり。首里城やノートルダム大聖堂のニュースを見た時にも。
「行きたい場所には行けるときに行き、会いたい人には会っておけばよかった・・・!」「推しは推したい時に推すべし!!」と痛感された方、多かったのではないでしょうか?

国内のコロナが下火になったら
「パソコンを持って、過ごしてみたかったあの街に」
海外渡航も自由になったら「過ごしてみたかった、あの国で」
思い切って仕事を持ち込んでみるの、良いと思います!
(もちろん今は、いろいろな気遣いが必要ですけど、ね?)

来年は、みなさんも
そして私も
行きたかった場所、行きたかった国で
楽しくてドキドキの!
チャレンジができるようになると良いですね^^


どうぞ よいクリスマス、よい年末年始をお迎えください。

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知財系 もっと!!Advent Calender 2020」は
明日12/24 は、 Takaraya_chizaikenさん、
大トリの12/25 は 弁理士の山田龍也先生 (Twitter)  です。


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