見出し画像

<失敗例>自分を持たず、お客さんの要望だけをかなえていった結果

昨日の投稿で、今の僕は、「店のコンセプトはコレ!合わない方は、違うお店へどうぞ」くらいのほうがいいということと、「お客さんの要望を叶えていくだけでは、うまくいかなかった」と言う話をした。

今日は、そのうまくいかなかったときの話をしてみる。

2012年。「らーめん食堂 元気や」というお店をオープンした。
メニューのメインは、醤油・味噌・塩の3種類のらーめん。
サイドメニューに丼ぶり、チャーシュー、餃子、からあげ、焼肉など。
ラーメンにおかずを合わせた定食を充実させた。
ベンチマークしたお店は、滋賀県に本社を置く「来来亭」さんやったかな。

お金もなかったので、スペイン料理の居ぬきを、ほぼそのまま。

らーめん屋さんの雰囲気はなかったなぁ。
今の僕なら、絶対しない。

お金かけてでも、店のコンセプトと外観、内観は統一性を持たせるべきだった・・・。

画像1

そして、裏では、とんかつ・うどんの宅配もしていた。
チラシを各家庭にポスティングして、電話で注文を受けて、お届けする、
宅配ピザのとんかつ・うどん版である。

画像2

画像3

表でらーめん食堂を営業して、裏でとんかつ、うどんの宅配をしていた二毛作ビジネス。

商品は、職人だった父親のバックアップもあって、今思い返しても、相当な商品力やった。

らーめんを食べるお客さんの反応も上々だった。

オープンしてから3か月後のリアルな売上が手元資料に残っている。

営業時間11:00~14:00 17:00~23:00 席数は約20席
1日の売上 
らーめん屋 ランチ8,880円
      ディナー20,500円

宅配    ランチ5,800円
      ディナー5,600円
リアルな数字 一日の売上は、40,780円。

うーん、売れてなかったなぁ(笑)

今の満太郎4店舗の中で最も売上が少ない店でも、これ以上は売っている(笑)

らーめん食堂自体も専門性がなく「この店に来たら、これを食べて!」というものがなかった。

美味しい商品は提供していたけど、
「この店に行かないとダメ」いう理由がない、お店だった。

飲食事業に反して、宅配事業は順調だった。
とんかつ、うどんに加えて、釜飯にもチャレンジした。
商品力が高かったから、リピーター率も半端なかった。

画像4

宅配事業。
これは、商品力のみがあった(笑)、当時のうちの会社には合っていた。
宅配事業は、商品力が高く、値段設定が妥当で、
配達時間をしっかりと守れれば、リピーター率は高くなる。
最終的には、宅配だけで日商10万円弱は売るようになった。

話を戻し、美味しいという商品力はあっても、
店のコンセプトや外観・内観、メニュー構成の統一感が無い。
いわば、自分と言うものがない、らーめん食堂。

売上は低空飛行も、常連さんがすこしずつ根付いてきた頃・・・。

常連さんから、宅配のメニューもお店で食べたいと言われ、提供することをやった。

今思えば、これは絶対したらあかんことやった。

らーめんを食べている人の横で、親子丼や釜飯を食べている人がいる。

もう何屋さんかわからない。

喫茶使いもしたいというお客さんの声にも応えて、割と本格的なコーヒーを用意したりもした。

画像5

そのころの外観。
写真は残っていないが、
この後、上の立体文字から、
「らーめん」の文字を外し、
「食堂 元気や」に改名した(笑)

その結果、、、店内飲食の売上は下がる一方。

画像6

当然のように、店内飲食は閉店した。

店前にバイクを3台置いて、宅配事業のみでフル回転する店舗となった。

「らーめん食堂 元気や」の敗因

コンセプトや、外観・内観の統一感の無さもあるが、ローカル立地で、らーめん食堂のスタイルを保っていけば、あそこまで売上が急落することは無かったと思う。

途中で、宅配メニューやコーヒーを出したことが、大きな敗因だったと思う。

「美味しいものを提供しさえすれば、飲食店は流行る!」「お客さんの声をどんどん取り入れればOK!」ということでは無いことを痛感した失敗談でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?