見出し画像

まいにち子育てヒント#13 Big5の経験への開放性について解説

心理学に関するこれまでの研究から、人間の性格には5つの基本次元、通称ビッグ・ファイブが確認されています。その5つとは、情緒安定性・外向性・経験への開放性・調和性・勤勉性とされています。
ここでは、経験への開放性について解説します。
経験への開放性とはすなわち、「多才な、想像力に富む、進歩的、独創的で頭の回転が速い、柔軟で独立的、美的感覚が鋭い」などの傾向を指します。単なる知能に加え、創造力や好奇心なども含まれています。
経験への開放性と勉強への嫌悪感については負の相関が見られるという研究や、経験への開放性が学業達成に好影響を与えるという研究も見られ、学校の成績において重要であると言えそうです。
ただし、経験への開放性は働き方には影響を与えるかもしれませんが、年収とは直接の相関は見られないようです。というのも、経験への開放性が強い人は例えば単純作業をし続けるのに向いておらず、パフォーマンスが下がってしまう可能性もあると考えられています。
経験への開放性を含め、こういった性格傾向は生涯変化し続けるものと言われていますが、特に経験への開放性については10代までが特に伸びやすいそうです。
新たな経験を通して喜びを得ることを繰り返すと、この傾向が強化されるでしょう。

参考文献
大沢正子. "5 因子論と Big Five 尺度の検討: YG, MPI とのジョイント因子分析を通して." 教育諸学研究 16 (2002): 7-20.
岡林秀樹. "わが国の最近 1 年間における教育心理学の研究動向と展望 発達部門 (成人・老人) 成人期・老年期における発達研究の動向." 教育心理学年報 50 (2011): 89-96.
西川一二, and 雨宮俊彦. "知的好奇心尺度の作成." 教育心理学研究 63.4 (2015): 412-425.
古屋健. "大学生の学業遅延傾向に関わる性格特性について." (2017).
鶴光太郎.”性格スキル 人生を決める5つの能力.”祥伝社(2018).

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?