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初めての小説を書こう!〜書き始める前に編〜

素晴らしいですね!
なにがって、こんなにも娯楽に溢れた現代でよりにもよって「小説を書いてみよう!」と思い至るバイタリティがですよ!

最初に言っておきます。
小説を書くのは、めちゃくちゃに労力を消費します。びっくりするほど疲れます。

というか、皆さんは『文字を書く』という行動にかかる労力を知っているはずです。

例えば大学生の皆さん、あるいは大学生を経験したことのある皆さんは、レポートというものを書いたことがあるでしょう。
あれは平均で1000〜2000字を要求されるらしいです。めんどくさいですよね。

あるいは、夏休みの宿題に読書感想文ってのがあったと思います。
あれは400字詰めの原稿用紙が3〜5枚ですから、ぎゅうぎゅうに書けば1200〜2000字もの文字量を要求されているわけです。わあ大変。

じゃあ1冊の小説にはいったい何文字詰め込まれているか、ご存知ですか?
物語が始まって、紆余曲折あって、主人公が成長して、ヒロインとめでたくゴールインするまでにかかる文字数です。

答えは、なんと100000〜120000字!
じゅうにまん!多すぎる!
夏休みの宿題100年分じゃないですかあ!!

はい。意味もなくビビらせてみました。
ですが大丈夫です。たしかに時間と労力は必要ですが、やっと自分の作品を書き終えた時の感動と喜びは、ちゃんと割に合ってますから。

世界観ができあがって、キャラクターができあがって、自分だけの物語ができあがっていく感覚は、何にも代えがたいものです。

さて今回は、具体的な知識やらテクニックやらの話をする前に、小説を書くにあたって一番大事な心構えをあなたにお伝えします。


1.技法・テクニックを気にしすぎるな!

一般的に、『小説を書く』という趣味はハードルが高いとされます。
その理由はズバリ、暗黙の縛りが多いからです。

文頭は字下げする、感嘆符と疑問符の後ろは空白を入れる、3点リーダー(…)とダッシュ(―)は偶数個で使う、括弧(セリフ)の文末には句点をつけない……

日頃から読書をされる方であれば自然と頭に入っているルールかもしれません。
しかしイチから小説を学ぼうとした時には、前提となる知識量がちょっとばかし多いんですね。

ドラマチックな物語が作りたいのに、あるいは美しい文章を書きたいのに、全く関係ないところで躓いて挫折してしまってはもったいないです。

これから小説を書くあなたはバリバリのアマチュアです。
商業作家でもなければ、依頼を受けて書くわけでもありません。

いつかは覚えなければいけない時(プロを志したりとか)がくるかもしれませんが、最初から気にしすぎる必要もありません。
こんなのは好きに書きながら少しずつ覚えていけば大丈夫です。

2.執筆を義務化するな!

あなたは、なんのために小説を書きたいですか?

感銘を受けた本と同じような物語を自分でも書いてみたくなったから?
それとも、ネット上に公開して人気を集めたいから?
あるいは、新人賞に応募して夢を掴むためですか?

1つ目の理由に当てはまる方。
あなたはきっと大丈夫でしょう。読み飛ばしてもらって構いません。

さて、2つ目と3つ目に当てはまる方は、少し注意が必要かもしれません。
というのも、私も経験があるのです。

最初はひとりで楽しんで書いていたはずの小説でしたが、やがて小慣れてきてネット上に公開するようになり。
ランキングとかにも載って、多くの読者に読んでもらえるようになって。

本当はそれだけでとてもありがたい話のはずなのですが、人間とは欲深いものです。
いつしか「もっとランキング上位を狙わなきゃ……!」とか「読者はきっとこういう展開を求めてるはずだ……!」とか考え始めて。

で、執筆に義務感が生じるようになり、モチベーションが低下し、いつしか書くこと自体が苦痛になっていたのです。

これの対処法はたったひとつ。
『書きたい時に書き、書きたくない時には書くな!』です。
趣味ですから。無理に書く必要なんてこれっぽっちもなかったんですね。

とにかく、『小説を書く』という行為をもっと気楽に捉えましょう。

3.他人の意見に耳を傾けすぎるな!

この場合の他人とは、自分以外の全員のことを指します。

ちょっと書き慣れてきて、ネット上に公開したり創作仲間に読んでもらったりし始めると、意見や感想をもらうことがあります。

そんな時に、このような言葉をかけられるかもしれません。

・キャラクターに魅力がない
・何を伝えたいのかがわからない
・ストーリーの整合性がとれていない
・文章が下手
・単純に面白くない

相手は善意から言ってくれていることが多いでしょうし、自分でも欠点として頷ける場合もあります。

ですがそれはそれとして、自分が手間と労力をかけて生み出した作品を否定されたら傷つくのも当然。
小説を書くのって簡単じゃないんですよ。

ましてややっとの思いで完成させた長編にケチをつけられたら、「自分は才能がないのかな」と落ち込んで筆を折ってしまう可能性も。

ここでひとつ、大事ことをお伝えします。

でも、そんなもんです。

Amazonで適当な本のレビューでも見てみてください。
中には☆1の評価をつけて、あまつさえボロクソに叩いている文章が見つかることでしょう。

プロの出した商業作品ですらブッ叩かれる世の中ですよ。
つまりそんなのもう、何を書いても合わない人には合わないってことです。しょうがないです。

もちろん、参考になる意見を丁寧に伝えてくださる読者の方も大勢います。
そういう言葉は大事にした方がいいですが、あまり気にしすぎて病んでしまうのも損でしょう。

否定されても『まぁ、そんなもんだよな』くらいに受け止めておくのが精神衛生上は健全です。

4.創作仲間を見つけろ!

執筆とは孤独な作業です。
自分の頭にある文をアウトプットする作業ですから、基本的に共同作業というものができません。

だからこそ、同じ趣味を持った仲間が必要なのです。
たった一人だけで書き続けていては思考も凝り固まりますし、インプットの量も減っていきます。

他人と関わり、刺激を受け、時には息を抜いて、そしてまた一人の作業に戻る。
そんな趣味です。

それに創作仲間を見つければ、先輩方から参考になる情報を貰えるかもしれません!

・直近で開催されるコンテストの情報
・Web小説でランキングに掲載されるコツ
・参考になる小説の紹介
・各新人賞ごとの傾向の違い

このあたりは、自分で調べるよりも先人たちに聞いた方が正確かつ早く情報が手に入ることでしょう。

創作仲間を見つけるには色々な手段がありますが、今はやっぱりSNSを使うのが手っ取り早いと思います。
例えばTwitterやDiscordで仲間を探せば、あっという間に見つかるはずです。

そう、Twitterとか、Discordで……
……ん?
おっと、こんなところに小説特化のDiscordが落ちているぞ!?

はい。

私が管理・運営しているDiscordサーバーなんかもありますので、よろしければお使いください。

おわりに

今回は『初めての小説を書こう!』第0回ということで、実際に書き始める前に知っておいてほしい心構えについてお伝えしました。

しかし今あなたはこう思っているかもしれません。
「いいから早く小説の書き方教えろよ」と。
すみません。次回からちゃんと小説の書き方編やります。

それはそれとして、きっとあなたが小説を書き始めた頃には、今日お伝えしたことは忘れているでしょう。

そしていつか、ぶち当たるはずです。
そうなった時、「そういえばそんなこと言ってるヤツいたな」とまたこのnoteを読み返しにきてください。
きっと答えが書いてありますから。

ではまた次回。

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