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#18 努力は苦労ではないってこと

こんにちは。sacaikumiです。

この「考える」マガジンでは、私が関心を持ったトピックを幅広いテーマで自由に書いています。今回は私が考える努力と苦労の違いについてお話させてください。

さっそくですが、私はデザイナーとして世の中に良い影響を与えられるくらいの実力を持ちたいっていつも思っています。

デザインって本当に面白い仕事で、丸8年もやって少しも飽きが来ません。寧ろ、来たる30代は更に上の次元に昇華させたいなって、そればかり考えるほど!これまで辞めたいと思ったこと一度も無いんです。

私は、私自身のお仕事を「視覚の翻訳家」と捉えています。

これは私のやり方なのですが、何かをデザインする為には、まず「想い」という材料が必要になります。そしてその材料を次は「解釈」と「言葉」に変えます。そしてその2つを私の頭の中で調理してビジュアルに変換させたあと、ふたたび言葉でビジュアルと想いをつなぐストーリーを紡ぎます。

この一連の作業すごくパワーを使うのですが、物凄く楽しいです。誰かの想いをピタリとハマるビジュアルに変換できた時、いつも大きな達成感に包まれます。

でも、8年やってもまだまだ課題は山積み。なにせ世の中に影響を与えるほどの力を持たなくてはいけないから。こんな壮大な夢掲げてたら笑われちゃいそうですが、本気で思っているから見栄を捨てて正直に書いちゃいました。何も言わずに実行・達成するのってクールだけれど、言葉にした方がはやく達成出来そうな気がします。

最近、少しずつ「私自身の思い」の材料が揃って来たので、そろそろプライベートワークとして形にしたいなと考えています。これまでプライベートワーク出来なかったのは、肝心の材料になる「想い」がなかったからなんだなぁと妙にしっくり来ました。

そう、それで本題の「努力は苦労では無い」っていう話です。前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、ようはデザインに関してはかなり努力してきたし、これからも努力したいと考えています。

ではこれまでの8年が苦労だったのか…というと、実際苦労も沢山ありました。初任給は周りの人たちの半分くらいでしたし、それから6年くらいずっと安月給でした。いちばん厳しかった制作会社時代はプライベートの時間も削って、寝ても覚めてもデザインに明け暮れ、毎日12時間以上働いていました。それでもデザインを辞めたいと思ったことは無いんです。デザインを恨んだこともありません。

日本の文化なのか教育なのか、苦労と努力は一見すると同じことのように捉えられているのかな、と感じます。でも私は、この2つは全然違う言葉だと考えています。

最近は「働き方改革」と題して沢山残業するような企業は減ってきているとはいえ、残業のような目に見えた苦労がイコール努力していることとして映っていた実情はまさにその考えの現れなのではないかと思います。

でも実際は、努力を苦労と履き違えると色々な面で不具合が発生します。

そもそも本当の意味での努力は、好きなこと・あるいは能動的にやりたいと思ったことに没頭している時間や状態を指すと思っています。好きな事に集中して没頭しているから、努力が実を結ぶのです。苦労が実を結ぶという言葉はありません。好きこそものの上手なれ、という言葉もまた努力を表している思います。

だけど、努力を苦労に置き換えてしまうと、本来あるべき姿から道が逸れてしまいます。

苦労は言葉の通りネガティブな意味合いを持つ。本意ではないが厳しい境遇に立たされたりするような状況を指しています。例えばプロの料理人になりたい見習いが「努力(苦労)して1日20時間の皿洗いに耐えたんだ。そろそろ料理人として認められたい」と言った場合、努力を苦労と履き違えていることになります。皿しか洗ってないので、料理の腕が上がるわけがありません。

この見習いさんが本当の意味で努力したいと思ったら、休日にシェフのレシピを真似て作ってみたり、色んな産地のじゃがいもで同じメニューを作り比べてみたり…自分が一番楽しめる形で直接料理につながる行動をしている時間を作ることこそが本来のあり方です。

軽い言葉で「努力しないで成功したい」などと言うような人たちも、実際に避けたいのは努力じゃなくて苦労だ(と、信じています)。

だから、世の中に居る、努力だと思って実際には苦労している人たちが、「本当の意味で努力したいことは何だったっけ。」と一度立ち止まって、自分に問いただす時間を持って欲しいな。と思っています。そしてポンと彼らの背中を押してあげたい。

私は、私が抱えるそんな想いを、努力してビジュアルに変換していきたいです。

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