見出し画像

消しゴムを消す描写

さて、お読み頂いて参りましたこの【すぐ使える物語講座】も残り五回です。

今回は説明と描写について語ります。

 ✴ ✴ ✴

物語は説明と描写から

結局のところ、表現というものは説明と描写の二つしかないと、私は考えるのです。

もちろん、私の独断と偏見じぶんかってに過ぎません。

そこで、私が考えます説明と描写の相違そういについて掘り下げてみましょう。

 💖 💖 💖

あたしは嬉しい 

この一文って、あなたにとっては説明と描写のどちらになりますでしょう?

私の感覚では説明です。では、描写ならどうなるか。例えばそう──

込み上げる喜びで胸が一杯になった。

この表現もまだ説明ですね。喜びという抽象的な言葉が入っておりますから。

つまり、抽象度の高い言葉が入ると説明だ、というのが私の考えです。

では、抽象度を下げます。

 🐼 🐼 🐼

胸が震える。弾けそうだ。体は火照り、血が熱い奔流となる。ぐるぐると駆け巡った。

これなら、描写と言えるでしょうか。

いえいえ~まだ具体化できます。

声が上ずる。言葉を出しても自分の声に聞こえない。ぼうっとする。口の中は乾く。唾を飲み込むゴクリ。肌は粟立っていた──

 🍇 🍇 🍇

描写は五感を使います。

五感へ訴える表現ならば、抽象度は下がってより具体的になるのです。

読み手が肌身に感じて、想像しやすいので、物語世界へ入り込んでくれます。

さあ、ここで在り方が大切です。私は常にしつこく、在り方を強調致して参りました。

書けるという在り方で取り組むのです。

 ✏ ✏ ✏

きっと書けるという在り方が確認できましたでしょうか。次は言葉を隠す訓練ですトレーニング

言葉を隠す?

例えば、消しゴムという言葉は使わないで、消しゴムを描写するのです──

直方体である。面六つ。それぞれの面長方形。全ての面平らで白い。触ってみる。すべすべと滑らか。大きさ全体でも親指と人差し指で摘まめる程度。軽い。持つという感覚すら生じないほどの軽さ。使う。シャーペンで書いた文字当てる。紙沿って擦れば消えていく。紙から消えた黒い文字白く滑らかな面に削り取られた。材質ゴム。私ゴムについて知識──

スビバセンごめんなさい。長くなりました。書き始めると面白くなります。延々ダラダラと続きそう。

 🗿 🗿 🗿

いくつか工夫しました。

例えば、文末は揃えません。単調にならない配慮きづかいです。文の長短でリズムを出す。

同じ助詞は続けません。

助詞とは、を・に・が・へ・や・は・で・てなどで例文の太字です👆

 📚 📚 📚

人物でこうした描写訓練をするのも面白いあはは~ですね。例えば、ご家族や友人知人の中から、どなたか描写してみます。

相貌かおかたち身体形状スタイル性格キャラ物言いくちぐせ当然もちろん、名前は伏せますが。

描写が楽しくなります。

そのような在り方を設定するのです。私は描写できる。面白がって上手くなる──

実況中継ヒマつぶしもよいでしょう。電車に揺られつつ周囲の方や窓外の風景を描写する。

少しは気が紛れるかもです。


ではまた💚




ありがとうございます│頂いたお金は巡りめぐってあなたの元へ還っていくでしょう│何倍にもなって☆