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うさる
2023年10月23日 13:30
記事が読んでもらえているのをきっかけに、久しぶりに「銀英伝」のことを思い出した。 前から自分が「ヤンをどう見ているか」を書きたいと思っていたので、いい機会なので書こうと思う。*原作10巻まで及び他の田中芳樹の作品のネタバレが含まれます。◆ヤンは「当事者としての選択とそれに伴う責任」を免除する機能。 自分はヤンをキャラではなく「機能」として捉えている。「銀河英雄伝説」の面白さと凄さ
2023年10月13日 14:15
「葬送のフリーレン」を読んでいて、「ノルウェイの森」の永沢のセリフを思い出した。「君はよくわかってないようだけれど、人が誰かを理解するのはしかるべき時期が来たからであって、その誰かが相手に理解してほしいと望んだからではない」(「ノルウェイの森」(下)P116) このシーンの永沢は終始、邪悪と言っていい残酷さをハツミに向けている。このセリフはその悪意の極めつけと言っていい。 主人公のワタ
2023年10月12日 14:11
*既刊11巻までのネタバレが含まれます。未読のかたはご注意ください。(これまでのあらすじ) これまでブログやnoteで、「葬送のフリーレン」は主要キャラは人間関係の機微を察知し対応する能力が異様に高く、その能力を標準としてコミュニケーションをとっている。 そしてそういうハイレベルなコミュケーションを行うキャラの内面は直接的にはほとんど描写されない。そのため、その内面もそこから派生するスト
2023年10月8日 09:48
「葬送のフリーレン」を読み返したら、シュタルクやザインに対するフェルンの態度が余りに理不尽で我儘なのが気になった。 フェルンのシュタルクやザインに対する態度は、↓に書いた究極の甘えだ。「不機嫌や無視で人をコントロールしてはいけない」とよく言われるが、フェルンは「家族に感情や機嫌をモロに出す甘え」をそのままやっている。 人間関係は相互作用を長いスパンで本人同士が判断するものなのでそれだけを
2023年10月4日 16:17
自分が「葬送のフリーレン」で最も好きな点は、「人をわかろうとすること」を無条件に「いいこと」として肯定せず、魔族を通してその危険性と暴力性を描いているところだ。 多くの場合、人同士の間で起こることもさほど変わらない。「『人を理解する』とはどういうことか」という疑問を持たず、「自分の認識で相手をはかることが人を知るということ」と勘違いしたまま他人の心の内に踏み込めば、相手を致命的に傷つける