波兎を追いかけて/竹生島
滋賀での滞在制作も終盤。
江ノ島、宮島は何度も訪れましたが、竹生島は未経験だったと思い、この機会に行ってみることにしました。
元々竹生島にはじめに興味を持ったのは、 謡曲(能) 『竹生島』 (ちくぶしま) の一節からです。
『 緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり
月海上に浮かんでは 兎も波を奔るか 面白の島の景色や 』
島の木々の影が湖畔に映り、まるで魚たちが木を登っているように見える。 月も湖面に映り浮んでいるから、月に住むという兎たちも、波間を奔けるだろう なんとも不思議な島の景色よ。
兎を作品のテーマにする際、すぐに波兎という文様があることを知りましたが、そのルーツの島が琵琶湖にあるということも知り、いつかとは思っていました。
今回、行ってみて新たに興味を持ったのは、この写真の上の廊下(重要文化財)です。
観音堂から神社に続く渡廊・舟廊下。この舟廊下は、朝鮮出兵のおりに秀吉の日本丸の船櫓(ふなやぐら)を利用して作られたところから、その名がついているそうです。
形の美しさ、墨のメモ書きのようなものがところどころ書かれています。長浜の舟板塀を思い出しました。
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