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最後の魔法物語

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「魔法物語ロウチ」のまとめ。ほぼ毎週書かれる新しい原稿が発表されるごとに追加してゆく予定。過去に講談社で発行された『魔法物語』上下の続編を最終的に完結させるために執筆中。
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記事一覧

魔法物語 タイファ1 No.25

 メイリの世界に現れた時、外の世界での時間から継続しているようでありながら、わずかな断絶…

斎藤肇
6日前
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魔法物語 竜の大地1 No.23

 朝を待って飛行艇は、竜の大地に行くらしい。  ィロウチはまだ、自分が小さな目によって竜…

斎藤肇
2週間前
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魔法物語 行方  No.22

 それがどこなのかが分からない。  いや、どこなのかが特定できるのか、特定できたとしてそ…

斎藤肇
4週間前
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魔法物語 ロブロウ No.21

 風が出てきた。  強い風だ。日暮れ前の凪が終わったようだ。もうじき夜になる。  道に突っ…

斎藤肇
1か月前
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魔法物語 間奏曲1 No.20

 世界とは、届く限りの内側のことだ。  ただ足で歩き、走るしか行くことができないならば、…

斎藤肇
1か月前
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魔法物語 メイリ8

 だがルシフスはまだそこにいた。  ィロウチの小さな目から投影された映像に、暗い空に浮か…

斎藤肇
1か月前
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魔法物語 メイリ7

 そこに、ホーサグはいた。  突然、脳裏に浮かんだルシフスという名前に、全身が小刻みに震えていた。かつて経験した、砂嵐の印象と重なり合って、その特別な名を受け止めた。  嫌悪と恐怖、畏怖。自分でも滑稽なほど、その言葉に敏感だった。  それは意図せぬ変身のおぞましい記憶とも結びついている。変身については、その後魔法によって解いてもらえたものの、完全に元に戻ったわけではなく、納得できる自分になるために、時間をかけて鍛える必要があった。  そんな苦い記憶の鍵となる名前がルシフスだっ

魔法物語 メイリ6

 朝が薄れてゆく。  太陽が高くなるにつれ風が止まった。  飛行艇は、動きだそうとして軋ん…

斎藤肇
2か月前
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魔法物語 メイリ3(セグロ)

 風に夜のにおいが溶け込む頃、男は店を開ける準備を始めた。 『青い猫亭』  このソドウとい…

斎藤肇
2か月前
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魔法物語 メイリ5(ホーサグ)

 出発まで三日を要した。  一日目は船の建造を、主にオクライが行った。魔法を使えば、建造…

斎藤肇
2か月前
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魔法物語 メイリ4

 メイリは静かに立ち上がる。もうこの場所に寝ているわけにはゆかない。  まだ幼いが、裸で…

斎藤肇
2か月前
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魔法物語 メイリ2

 自分の名を呼んでみる。 「メイリ」  良い名である、とは思わない。悪いとも思わない。ただ…

斎藤肇
3か月前
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魔法物語 ロウチ12,メイリ1

 少女は停まっていた。  ソドウと呼ばれる街の大樹に封じられて、もうずいぶん長いこと凍結…

斎藤肇
3か月前
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魔法物語 ロウチ11

 身体の目を閉じる。小さな目は、宿の建物の上にあった。その場で街を見回す。  光が、まだあちこちにあるが、少し減ったようだ。グラウゼもまた、ようやく就寝の準備にかかったらしい。  その全体を見たくなって、小さな目を高く運ぶ。見下ろしながら、後退するように昇って、夜の風景をまとめていった。明かりがあるのはグラウゼの中だけ。周囲は深い闇に包まれている。  ロウチは、少し予定を変えた。このまま大地をどこまでも真っ直ぐに進み、あの夜に見た世界の果てを、その先を目指すつもりだった。が、