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キリスト教およびキリスト教徒

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#迫害

古今東西の文明を包み込む京都「祇園祭」──禁教時代に「聖書物語」を飾った函谷鉾(「神社新報」2002年1月14日)

古今東西の文明を包み込む京都「祇園祭」──禁教時代に「聖書物語」を飾った函谷鉾(「神社新報」2002年1月14日)

 日本三大祭りのひとつ、京都・八坂神社の祇園祭について書こうと思います。

 昨年(平成13年)9月11日のアメリカでの同時多発テロ事件に端を発するアフガニスタン戦争はすでに最終局面を迎え、今度は他のイスラム諸国を標的とする第二段階に進みそうな気配です。「文明の衝突」という表現を否定する人は多いのですが、そうした側面は否定しても否定し切れないようにも思います。

 テロ事件の容疑者にはアフガン人は

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「戦前の迫害」はあったのか──教会指導者と行政による歴史の改竄(平成19年6月10日日曜日)

「戦前の迫害」はあったのか──教会指導者と行政による歴史の改竄(平成19年6月10日日曜日)

 メルマガを読んでくださっているクリスチャンの読者から、戦前のキリスト者が受けた「迫害」について、何度かメールをいただきました。たいへんありがたいことです。正直にいえば、私も以前はこの読者と同様に、キリスト者たちがつらい体験をした、という歴史をほとんど疑いもなく信じていました。

 けれども、戦時中、著書が発禁処分になるなど、当時の代表的神道人が受難を経験していたということを知り、歴史の事実は常識

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大司教文書が書き換えられた理由──「検証していない」とみずから説明(平成19年6月6日水曜日)

大司教文書が書き換えられた理由──「検証していない」とみずから説明(平成19年6月6日水曜日)

 先月、「書き換えられた東京大司教の文書」を書きました。信教の自由と政教分離をテーマに、日本のカトリック教会の指導者が昨秋来、発行した小冊子シリーズとそれらをもとにして今年3月に出版された合本を比較すると、大司教の文書の根幹部分が書き換えられていることを指摘したのでした。

 大司教の文書は信徒の靖国神社参拝を認めた1936年のバチカンの指針を再考察したもので、時代が変わったから、

「そのまま適

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「二十六聖人殉教」の背景──秀吉が見抜いたキリスト教の“侵略性”(「神社新報」平成10年4月13日号から)

「二十六聖人殉教」の背景──秀吉が見抜いたキリスト教の“侵略性”(「神社新報」平成10年4月13日号から)

「愛媛玉串料訴訟」最高裁判決から1年が過ぎた。

 判決文に

「わが国では……国家神道に対し事実上国教的な地位が与えられ、ときとして、それに対する信仰が要請され、あるいは一部の宗教団体に対し厳しい迫害が加えられた」

 というくだりがある。

 驚いたことに、同じような表現が昭和52年の「津地鎮祭訴訟」最高裁判決にもある。「国家神道」が宗教迫害の元凶だとする論が“判例”となっているのだ。

◇「

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