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閃光のハサウェイ 4DXレビュー+キャラの服装の話(ネタバレあり)

浮遊感と重力感、4DXは伊達じゃない‼️

ということで、「閃光のハサウェイ」観てきました。

ガンダムを劇場で観るのはガンダムUC7部作の上映会以来、実に約7年ぶりだったのですが、控え目に言ってめちゃくちゃ堪能しました。

やはり宇宙世紀はいいですねぇ。

小説は読まずに観たのですが、スッと入ってくる内容でした。
他方で、ガンダム初見の方向きではない気がしました。
ギギとハサウェイの会話の独特の節回しを楽しめなければなりませんし、また、ハサウェイを取り巻く人間関係を所与のものとしてストーリーが進行していきますので、ガンダム一見さんお断りな作りになっている気がしました。
その意味では、UCのほうが遥かに初心者が取っつきやすい作りだったと思われます。

●キャラの服装

ちなみに、カバー画像は映画館でもらえるリーフレット的なものです。

ケネス大佐のスーツがキマッています。
薄いベージュのツーピース(ジャケットはピークドラペル)に襟付きのダブルの濃いベージュのジレを合わせるという今風のクラシックなディテールを重視した装い。
しかも懐中時計のゴールドの鎖をチラ見せさせています(宇宙世紀にも懐中時計は健在なのか・・・)。
ただ、ギギが「仕立ての良いスーツ」と評していた割には、ケネス大佐のジャケットの背中にはガッツリつきしわが入っていたのが少し気になりました(本当にどうでもいいです・・・すみません。)。

ハサウェイはネイビーのスーツにグレーのシャツ、濃いエンジのネクタイに赤いセーター?ベスト?を重ねています。
ケネス大佐の派手スーツとは対象的に、シックな色合いでまとめているのは、マフティーの指導者としてむやみに人目をひくべきではないとの配慮からでしょうか。

物語の途中でジャケットを脱いでシャツ姿になったハサウェイも必見です。グレーのシャツをこれほどカッコよく着こなせる男はなかなかいない気がします。

ギギの服は男性陣とは違ってこんな服着てるヤツみたことないぞ、というようなもので、コメントが難しいのですが、宇宙世紀になってもスーツ姿の男性陣とは異なり、さすが宇宙世紀の服、というべきなのかもしれません。

物語の途中でギギはジャージ?に着替えるのですが、これまた現代に一般に流通しているジャージと全く同じものに見えます。リラックスウェアとしてのジャージの実力は宇宙世紀でも色褪せません。

↓↓↓他にもこんなものももらいました。

「2週目入場者プレゼント」というからには、毎週中身が変わるのかもしれません。

●あらすじ

舞台は宇宙世紀0105年第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年
地球連邦政府は、地球環境のさらなる悪化を防ぐべく、強制的に民間人を宇宙へと連行する政策「人狩り」(マン・ハント)を行っています。
そんな中、反地球連邦組織「マフティー」は、どうやら、連邦政府高官を暗殺する方法で、反地球連邦運動を行っているようです。
そして、その組織のリーダーは、「マフティー・ナビーユ・エリン」を名乗っており、その正体は、なんとブライトさんの息子、本編の主人公ハサウェイ・ノアだった‼️

この部分は公式サイトのストーリーに記載されているのですが、当然の前提として物語が展開していきますので、私のような、ガンダムは好きだが富野小説までは押さえていない、というレベル感のガンダムファンは、公式サイトである程度予習してから観ることをおすすめします。

私は「ハサウェイが反地球連邦運動をしていてその組織の名前がマフティーというらしい」程度の事前知識でしたので、マフティー・何ーユ?・エリン?という感じになりましたし、ハンター?という感じで観てました。もちろん観ていれば何となく理解はできますので、大きな問題は生じませんが。

●ストーリーの雑感(ネタバレ含む)

逆襲のシャアから12年とのことなので、ハサウェイは、25歳くらいなのでしょうか。

ハサウェイによると、第二次ネオジオン戦争(逆シャア)の際は、一機を撃墜したということで、モビルスーツを持ち出した件は不問に付されたとのことのようなのですが、じゃあチェーンの搭乗機を撃墜したことはどうなったの?という感じです。まさかバレなかったのでしょうか? 

あれだけ衝動的にチェーンを殺めておきながら今では世直しのヒーローを演じているのだとしたら、その心中は全く穏やかではないはずで、そのあたりの精神面の掘り下げを次回作以降は期待しています。

ハサウェイは、逆シャアの後も軍務に就いていたようで、ハイジャック犯をほぼ一人で鎮圧してしまいます。
宇宙世紀のガンダムパイロットで格闘技が出来るキャラはあまりいない気がしますので、本格的なサブミッションの描写には驚きました。
ああいったアクションシーンも従来のガンダムにはなかった気がします。

たまたま?シャトルに乗り合わせていたヒロイン、ギギ・アンダルシアと出会うのですが、なぜかギギはハサウェイがマフティーの頭目であることを見抜きます。

シャトルの乗客のセリフからは、ギギは18か19くらいであると推察できます。
私の職業柄、ハサウェイは20代後半なのだから、未成年はやめておいたほうがいいのでは、、、とつまらない危機管理意識が働きますが、ハサウェイにとっては無用の老婆心というべきでしょう。惚れてしまった以上、仕方がありません。

ギギは、フォウ・ムラサメクェス・パラヤを彷彿とさせるプッツン系ヒロイン感がありますので、悲しい最期になるのかなーと思わずにはいられませんでした。
ハサウェイはこのテのタイプに弱いようですが、二人には幸せな結末は用意されていなさそうです、、、

印象的だったシーンは、ハサウェイがタクシーに乗った際に、タクシーの運転手から、その日の暮らしに精一杯で、地球に住む人々のすべてが宇宙に住むべきだ、などという夢物語にうつつを抜かしていられない、とのコメントを聞いてたじろぐシーンです。

マフティーは、「人狩り」政策を進める地球政府高官を暗殺していますが、他方で、最終的に地球に住む人類も全て宇宙に上がることを謳っており、まさに逆シャアでアムロがシャアを評して言っていた、革命はインテリが始めるが、夢みたいな目標をもって始めるから過激なことしかやらない、という話を地で行ってしまっています。

シャアはモノレールで薔薇をもらって、歌まで歌ってもらえるほどの人気ぶり(Char’s believing Our's pray pray シャアの信念こそ我らが祈り?とまで歌ってもらっている)だったわけですが、マフティーはそこまで熱狂的に支持されているわけではなさそうです。

シャアは、地球に住む市井の人々のことなど意にも介さない(意にも介さないわけではないが、切り捨てることをためらわない)ある種の冷たさ・傲慢さがありましたが、ハサウェイは上記のような一般の人の発言に確実に心が揺れ動いており、その優しさが彼をどこに向かわせるのか、次回作の展開に注目です。

●4DX‼️

はじめて4Dで映画を観たのですが、モビルスーツ戦は4DX向きだと思いました。

中でも、実体弾の直撃を受けた際の熱風やフラッシュ、座席の震動の演出には思わずニヤニヤしてしまうほどです。

また、機体の傾きが座席の傾きにリンクするため、一人称視点の臨場感・没入感はこれまでのアニメ映画では体験できないレベルに到達している気がします。

さらに、本作品は、音響にかなりこだわっているとのことで、弾丸が装甲を叩く音やメッサーとグスタフがぶつかり合う音など、戦場の一つ一つの音まで細かく表現されているように感じました。

↑↑↑映画館で配布される諸注意のプリントです。ここに書かれている特殊効果のうち、「bubbles」と「snow」以外は使用されていたように思われます。

●新ガンダム

最後は新たにお目見えした新型機の話で締めたいと思います。

○ペーネロペー
ネットでペーネロペーという新型機が登場するとの情報を読んで、ぺぇねろぺぇと読むのだろうか、などと思っていたところ、ケネス大佐(諏訪部さん)の発音は、ぺねろぺぇ(ペーと伸ばさない)に近いように感じました。

 竜の頭みたいなものがついたかなりゴテゴテしたデザインです。
テストパイロットのレーン・エイムでは性能を十分に引き出せていないとかいう話なのですが、まさか、ギギが搭乗してペーネロペー覚醒みたいな展開になったりするのでしょうか。
ヒロインがモビルスーツに乗ると死亡率が高い気がしますので、そうした展開にはならないよう祈るばかりです、、、

○Ξガンダム(クスィーガンダム)
なぜ「Ξ」をクスィーと読むのかは良く分かりませんが、ペーネロペーにも増してズングリしたデザインで、SDガンダムのデフォルメされたデザインが頭をよぎります。

空中受領から搭乗、起動→敵の攻撃を受けそのまま戦闘へ、という初お目見え時の一連の流れは鉄板かつ最もカッコいい流れで、心底シビれました。

ガンダム同士の戦闘は見応えがあり、最新技術をつぎ込むとこうなるのか、と感心した次第です。

●まとめ

モビルスーツ同士の戦闘では、一人称視点が多様され、とにかくエンタメ性が重視されていたように感じました。
他方で、富野節もふんだんに盛り込まれ、オールドファンも納得の新時代のガンダム、といった仕上がりかと思います。

1000円増しと安くはないですが是非4DXでの鑑賞をお試しあれ。

長々とお読みいただきありがとうございました。


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