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こんにちは。齋藤です。

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今回は、株式投資について書いていきたいと思います。

実は、今般のいわゆるコロナ相場において、ある銘柄に投資したところ、手痛い目に遭ってしまいましたので、自戒の意味を込めて購入から終戦までをレビューしたいと思い、この記事を書くことにしました。

簡単に言いますと、ある銘柄を高値掴みしてしまい、現在売るに売れなくなっておりまして、感想戦のようなものを行い、この経験をシェアしたい、というのがこの記事の趣旨です。

●投資した銘柄

投資した銘柄は「弁護士ドットコム」です。

知る人ぞ知る弁護士検索ポータルサイトですが、近年、これに登録する弁護士がかなり増えてきており、かく言う私も同社のポータルサイトに有料登録しております。

同社は東証マザーズに上場しており、私が同社の株価を意識しだしたのは、2019年の1月頃、同社の株価が4000円を超えるか超えないか、というような時分だったような記憶です。

弁護士ドットコムの事業は、もともとは弁護士検索のポータルサイトの運営のみでした。

弁護士の数には限りがありますし、競合他社もいる中で、ポータルサイト事業だけでは同社の成長はいずれ頭打ちだったはずです。

そんな同社が、法務のデジタル化のニーズを機敏に察知し、電子契約サービス「クラウドサイン」を始め、このサービスのヒットにより大化けすることになりました。

2019年頃、既に弁護士業界内では、同社の電子契約サービス「クラウドサイン」はかなり知れ渡っていました。

私は同社について、投資対象云々というより、弁護士がイチから起業してポータルサイト事業で成功し、さらに電子契約サービスの草分け的存在となっているという事実を「カッコいいな~」というような漠然とした眩しさをもって眺めていたに過ぎませんでした。

そのころから、アメリカでは電子契約が既にかなりメジャーであることや、法務のデジタル化が不可逆の流れであることから、同社の伸びシロは容易に想定されていました。

そして、こうした状況に、コロナが拍車をかけました。

コロナ第一波において、マザーズ指数も2020年1月~3月にかけて急降下し、同様に弁護士ドットコムの株価も下落しますが、同年4月を境に反転上昇し、2020年6月には1万円を見据えるまでに上昇しました。

そして、このような中で、同社の株価にさらに弾みがつく出来事が起こります。

ご存じの方もおられるかもしれませんが、2020年10月頃、役所においてリモートワークを円滑に進める必要もあって、行政のオンライン化・デジタル化を促進すべしという話から、行政の「脱ハンコ」への取り組みが話題になり、弁護士ドットコムのクラウドサインが脚光を浴びるようになりました。

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↑弁護士ドットコムの株価のチャートです。2020年10月初旬に爆謄しています。

私が弁護士ドットコムの株を最初に購入したのがこの前後の時期です。

まず、1株約13000円で購入しました。

ここまで株価が上昇するまで購入しなかった理由は、単純にこの時期何かと仕事が忙しかったことと、値動きが激しいマザーズ株、しかも近時の高騰からするに、どう考えても割高だと考えられる株、を購入することを躊躇していたからでした。

購入を決心したのは、コロナ禍で急降下した日経平均が回復してゆく雰囲気が見られ、日経平均が上がりきる前に購入しておきたいと考えたことと、さらに弁護士ドットコムの事業規模が拡大していくであろうことは間違いないとみられたため、まだ株価に伸びシロがあると考えたからでした。

また、弁護士ドットコムのビジネスの内容についてよくわかっている(つもり)、ということも、購入を決めた理由の一つです。

もちろん、購入のタイミングが遅きに失していることはわかっていたのですが、振り返ってみますと、ビッグウェーブに乗りたいという欲望に理性が負けてしまったというほかないと言えます。

結論から言いますと、タイミングを失しているにも関わらず、少し乗り遅れたけど大丈夫だろ、くらいの安易な認識でこの銘柄を購入したこと自体既にミスだったというべきでしょう。

他の比較的リスクが低いと思われる銘柄ではなく、なぜ、圧倒的にハイリスクな弁護士ドットコム株にこの時期に手を出してしまったのか、悔やまれてなりません。

ここから、私は何度もミスを繰り返し、挙句現在のようににっちもさっちもいかない状態に陥るわけですが、その過程を皆様と一緒に見ていきたいと思います(基本的に、少し知識を持っていればやらないようなアホなミスの繰り返しであり、シロウトがコロナ相場で下手をうった話、と思っていただけましたら幸いです)。

●ミス①(ホールドの選択)

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このように、遅きに失したタイミングで約13000円で購入したのですが、幸いにして、株価はさらに上がり、14000円付近にまで到達しました。

振り返ってみますと、実際はこの時にすぐさま売り抜けるという一択だったような気がします。

遅すぎたことは薄々わかっていたにも関わらず、欲をかいてホールドしたのが第一のミスです。

●ミス②(押し目買い?の倍プッシュ)

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1万4000円付近到達を境に株価は下落していきました。

他方で日経平均は上昇していたので、弁護士ドットコムの株価もすぐに反転上昇するだろうとの楽観的な見通しから、いわゆる押し目買いのつもりでさらに倍の株式数を約13500円で購入しました。

当時私の頭の中には、日経平均の上昇と共に、弁護士ドットコムの株価は15000円まで到達するのではないか、という思いがありました。

もちろん、同社のPERやPBR等の指標からすればあり得ないほどの高値なわけですが、それも承知で、そこがマザーズ株の面白さだろう、くらいに知ったかぶりをしていたわけです。愚かというほかありません。

結論から言えば、読みは全く外れており、上記のチャートの通り14000円が最高値だったわけです。

押し目買いどころか、下落基調であることを見抜けないまま割高でさらに買い増してしまったことになります。

●ナンピン買い強行

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その後、11月から12月にかけて弁護士ドットコムの株価は上がったり下がったりしながら下落基調の状態で、私の取得単価との乖離は大きくなる一方でした。他方で、日経平均はドンドン上がっていきました。

どう考えてもこの11月から12月にかけての下落基調で損切りしておくべきだったのですが、やはりマーケット全体の稀にみる上昇基調に目がくらみ、過度に株価上昇に期待をかけてしまっていたと言わざるをえません。

そして、ここでまたもや私はリスキーな判断をしてしまいます。

弁護士ドットコムの株価が10000円を下回ったのを見るや、ナンピン買いを強行しました。

ナンピン(難平)買いとは、保有している銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増しをして平均購入単価を下げることをいいます。

当然、思惑が外れて株価がさらに下落すれば、損失は拡大するわけですが、年初にかけてさらに日経平均が上昇し、弁護士ドットコムの株価もそれにつられて上昇することは鉄板、との読みからナンピン買いに踏み切りました。

後から考えるとここだけは読みが当たっています。

このナンピン買いにより、取得単価は1株約12300円ほどになりました。

結果オーライなのですが、後から考えると、全くリスクとリターンが釣り合っていない行動のようにも思えます。

また、どうせナンピン買いを強行するなら思いきってならしにかかればよかったわけですが、そこは日和ってしまい、ぬるくなってしまいました。

13000円台で購入してしまったものは仕方ないので、とにかく少しでも損失を減らして損切する、という発想を欠いたまま、ナンピン買いをしたのは、後から見ると恐ろしいです。

確かに、昨年末において、年初から日経平均が上昇するか下落するかのどちらかに張れと言われたら上昇に張るのは当然ですが、圧倒的に下落基調だった弁護士ドットコムの株価がつられて上昇する保証などなく、本当に分の良い賭けだったのか怪しいものです。

●3回目のミス(損切りを留保)

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このように、弁護士ドットコムに関してはミスばかり繰り返してしまった私でしたが、そんな私に最後のチャンスが訪れます。

弁護士ドットコムの株価が、2度ほど12000円を超えたのです。

上述のように高値掴みをし、さらに損切せずに迷走してナンピン買いのバクチに出てなんとか取得単価を下げたことで、あれほどこいねがってきた絶好の損切のチャンス(というか、瞬間風速ではプラスに転じてさえいました)が巡ってきたわけです。

しかし、私はここにきて最大のミスを犯してしまいました。

いずれのチャンスも見送ってホールドしてしまったのです。

理由はもちろん日経平均が過去30年で最高値を更新するほどの勢いだったからです。

翌営業日になればさらに上がるかも、と思うと損切できませんでした。

プラスマイナスゼロ付近では1%未満の上昇・下降にまで不合理にこだわってしまう、というプロスペクト理論の価値関数のグラフそのままの心理状態から、ここしかない、という瞬間を逃してしまったのです。

もちろんこの時これが最後の損切りのチャンスだなどとは予想だにできませんでした(涙)

●現在

そのまま弁護士ドットコムの株価は下降の一途をたどり、現時点(2月26日)時点で9500円前後となってしまっています。

ここから弁護士ドットコムの株価が再度12000円台をつけるということは当分考え難い気がします。

日本株全体が調整局面に入っているようにも見え、全体の動きが重い中で弁護士ドットコムの株価だけが上昇する材料は全くありません。

また、同社においては、売上高は伸びても基本的には投資のために当面赤字が続くので、3月決算での爆謄ということも考えにくいです。

さらに、NASDAQも下落を続けていることからIT銘柄は当面しんどそうです。

ずっとこの評価を先延ばしにし続けてきたのですが、弁護士ドットコムへの投資に関しては私は完全に敗北したと認めざるを得ず、あとは損失を可能な限り少なく切り抜けるより選択肢は残されていません。

もう一つの選択肢としては、弁護士ドットコムの株価が再浮上するという奇跡にかけて塩漬けにするというものですが、日経平均が25000円くらいまで下がってしまったときに、PER等の指標の裏付けのない弁護士ドットコム株がどこまで下がっていくのか想像もつきません。

今後、電子契約業界では、国内のパイオニアである弁護士ドットコム「クラウドサイン」とそれを猛追するGMO「GMOサイン」がしのぎを削り、そこに世界ナンバーワンシェアを誇るアメリカ「ドキュサイン」が日本市場に殴り込みをかけるという熾烈な生き残り争いが展開されており、国内最大手の弁護士ドットコムも全く安穏としていられない状況にあります。

他方で、この日本市場を牛耳ることができれば、ドキュサインの年商からするに、現在の市場規模とは比較にならない売上高も想定しうるところであり、アフターコロナでの覇権を巡って、戦いはさらに激しさを増していくものと思われます。

そんな中で、今後私は弁護士ドットコムの株をどうしようかと考えますと、来期のどこかでの黒転に賭けてホールドしようかな、とも思っております。

また同じミスを繰り返しているとお笑いになられるかも知れませんが、何年も持ち続ければ何が起こるかは誰にもわからないはずです(もちろん、10分の1以下になるリスクも同様にあるわけですが)。

●まとめ

・株式投資はやはりギャンブル

コロナ禍という特異な状況で個別銘柄で運用してみて、やはり株式投資はギャンブルだということを再認識しました。

もちろん、株=ギャンブル論に反対意見のある方も少なくないかと思いますが、少なくとも、不確定要素の多いコロナ禍×マザーズ株はギャンブル性は非常に高かったと言わざるを得ません(それを承知で参加した以上、リスクを負担させられる結果も当然と言うほかありません)。

私のような素人には、低PER銘柄等リスクの比較的少ない株はともかく、マザーズ株はレベルが高すぎたように感じています。

やはり慣れないことはやるものではなく、とっさの判断が命取りになることを改めて肝に銘じました。

そんな中でも、取引する前に、リスクとリターンの釣り合いが取れていること、リスクを過小評価していないかを何度も確認することの重要性を指摘しておきたいです(当たり前ですが・・・)。

また、特定銘柄へのこだわりを捨てることの大切さも再認識した次第です。

「弁護士ドットコム」という自分にとって身近な銘柄への思い入れという不合理な感情が、利益が出た瞬間での売り抜けやマイナスになった瞬間での損切の判断を曇らせていたのは間違いありません。

・2回までのミスは許される(かも) 3回ミスれば・・・・

今回の私の弁護士ドットコムへの投資を麻雀(弱い)にあえて例えると、2回裏目った時点ではまだアガリを目指すことはかろうじて許されたが、3回ミスったにもかかわらずアガリを目指そうとして直撃されたような感じでしょうか。

リーチの発声などないまま普通にダマで直撃されるわけで、テンパイを見抜けないのが悪いとしか言いようもありません。

やはり1回ミスったと感じたらベタオリが初心者の心得なのでしょう。

「○%で損切」とデジタルにやるのが初心者のセオリーで、それを徹底しておけば問題はなかったわけですが、相場全体の上昇感で正常な判断がつかなかったのだと思っています(なんとなく、カン・ペンをツモってこれる気がする的なオカルトに頭の中が支配されていた)。

イケイケの時は初心者の下手なうち回しでも何も問題はないわけですが、ディフェンスに回ったときの立ち回りで差がつきます。まして、今回、私は、劣勢に立たされていることすら認識できていなかったと言え、お話にならなかったわけです。

例えるなら、ドデカい手を張っているわけでもないのに突っ込んでいくような、リスクとリターンの釣り合いが取れていない打ち方を知らず知らずしてしまっていたのかもしれません。

・素人はアクティブよりインデックスファンド?

というわけで、弁護士ドットコム単体では大損ですし、ポートフォリオ全体をみても、コロナ禍の上昇相場にもかかわらず思うように利益が上がらなかったため、結果論にはなりますが、投資信託(インデックスファンド)をやっていたほうが遥かにパフォーマンスはよかったはずです。

ただ、あれこれと考えながらアクティブに運用する面白さは捨てがたく、今後もちょこちょこ個別銘柄の取引は続けていきたいと考えています。

今回のコロナ禍での運用で、ただ漫然と株をやるだけではなく、もっと投資の知識を身に付けたいとの思いを強くしました。

もちろん、多少の知識が増えたからといって急に運用成績が向上するような単純なものではないと分かってはいるのですが、現在の、ただ牌を並べられるだけ、というレベルから脱却してもう少し知識を増やせば、もっといろいろなものが見えるようになるのでは、という期待はあります。

また、資産運用の知識も増やしたいので、FPなどの資格を取ってみてもいいかとも考えております。

●参考書籍

株に全く興味はなかったが、コロナで株が上がっていると聞いてやってみたくなった人は、まずはこのあたりの本から読んでみるのはいかがでしょうか(最低限の知識がないまま参加するのは結構危険かと思う一方、多少の知識を仕入れても結局失敗するときはするのだから、私のように何冊か本を読み漁っても意味はない気もします)。

いずれも若干古いですが、わかりやすくまとめられた良書です。


長々と愚痴のようなブログにお付き合いいただき誠にありがとうございました。投資については今後も折に触れて書いていければと思っております。













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