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6/【フリーランス1年生】はじめよう!10万円控除コースの帳簿づくり

●「勘定科目(かんじょうかもく)」という言葉だけ覚えよう


前回、サンプルとしてお見せした「おもづかい帳」のような帳簿。もう一度振り返ってみましょう。

経費の項目と、内容を見比べてみて、なんとなく想像がつくのではないでしょうか?
でも、いわゆる「確定申告の入門書」を見るとこの経費の項目が実に分かりにくいんです。この経費の項目のことを、簿記では「勘定科目(かんじょうかもく)」と言います。今後、複式簿記を覚える方のためにも、ここからは「勘定科目」と書いていきますね。

多くの「確定申告入門」の本では、例としてこんな勘定科目が並んでいます。たとえば、租税公課、外注費、荷造運賃、製造原価、水道光熱費、修繕費、貸倒金……。

これは物を仕入れて物を売ると言う自営業の方をメインとしているからなんだと思います。確かに、商店や飲食店だったら、重要な項目だと思います。つまり職業によってだいぶ変わって来るんですよ。

「でも、作家(ライター)には『仕入れ』もないし、『外注』も今の所ないし……貸倒金って何?」ということで、困っちゃう。入門書を読んで混乱しちゃうのもこの点です。
「何を書けばいいの?」
「これは何やら大変だぞ?」と焦っちゃう。
でも、これルールで決められているわけではないんです。

10万円控除コースの帳簿で重要なのは、

1・仕事に関する経費が項目ごとにわけて記入してあるということ。
その経費の年度合計が出ていること(excelの計算式を使えば自動です)

2・さらに仕事に関する収益が記入してあるということ。
その年度合計が出ていること(こちらもexcelの計算式を使えば自動です)

この2つを満たしていれば、実は自分が見やすい形式でいいし、自分に必要な「勘定科目」だけでいいのです。

●「勘定科目」のルールは? 

そこで、自分の仕事を想定して「勘定科目」を書き出してみましょう!
自分の場合はこんな風に自分に必要な「勘定科目」を決めました。

「地代家賃」(業務に使っている家賃、事業用の駐車場代など)
わたしは、自宅兼事務所として、自宅で原稿を書いていますし、自宅のパソコン、執筆に必要な資料を置く本棚まで仕事用の設備が全て自宅にあります。なので、「自宅の半分を仕事に使っている」ということで、家賃の半額を経費として認めてもらっています。

「旅費交通費」(電車やバスなど交通機関の運賃、宿泊代など)
取材や打ち合わせに出かけることも多いので、交通費は仕事の経費です。さらにイベントなどで地方出張があった場合、仕事先で宿泊費を持ってくれなかった場合は宿泊代を出す必要があった場合はそれも含めます。

「通信費」(電話料金、インターネットの利用料、切手やはがきの代金など)
電話やインターネットでの打ち合わせは仕事に欠かせません。携帯電話料金(月額費)や自宅への光回線料金、また仕事のやり取りで使うクラウドのサーバー代も経費として認めてもらっています。

「会議費」(仕事の打ち合わせを行った喫茶店の代金や、レンタルスペースの賃料など)
喫茶店などでは飲食も発生しますが、仕事の打ち合わせの際は経費とします。これを「接待交際費」として勘定科目に入れる人もいますが、そこは自由です。

「消耗品費」(筆記用具などの事務用品、コンピュータ関連など小額備品の購入費)
仕事用のタブレットやマウスなどの周辺機器も「消耗品」で申請しています。ただし、10万円が上限なので、それを超える場合は「少額減価償却資産」や「一括償却資産」という特別な方法で「複数年にわたって経費として扱う」ことになりますので、ちょっとややこしいです。これはまたの機会に説明しましょう。

「修繕費」(店舗や設備の保守点検や修理費用)
我が家の場合は自宅が事務所兼用なので、仕事にまつわるものは経費としています。火災報知器のメンテナンスや、トイレの修理などは経費として認めてもらっています。

「資料費」
これは、他の職業だと必要ない科目ですが、ものを書く仕事、ものを作る仕事には必要だと思い、税務署の人と相談して作りました。原稿を書く際、直接必要になる書籍や映画を鑑賞した場合など出費です。

「研究費」
こちらも通常の職業だとありえないのですが、直接ではないものの、原稿執筆の知識を蓄えるために同業種、近隣業種の本を読んだり、映画を観たりすることも必要です。これも税理士の人と相談し、「資料費」とは別項目で経費にしています。

以上、経費に含めて良い条件はふたつ。
1・仕事で使うものであること
 仕事とは直接関係のない食費や、衣類、娯楽のためのアプリ代、などは認めてもらえません
2・自分宛ての領収書がもらえること
 確定申告時は、全ての勘定科目の領収書が手元にあることが必要です。ただ、あくまで「原則」なので、領収書の出ない電車やバスの少額の交通費の場合は必要ありません。

ここに書いた例は、わたしが税務署で認められた勘定科目なので、これに準じているなら、みなさんも真似して基本的に帳簿に書き込んでも確定申告で通用するはずです。もし自分なりに考えた勘定科目や、「これは経費としてどうだろう?」という疑問が湧いてくるかもしれません。そのために「相談会」に参加するのは結構有意義なのです。

次回も、勘定科目と経費について細かな補足をしていこうと思います。まずは、自分の仕事に関連する勘定科目を書き出すところから始めましょう。

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