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Hi-Unitの新しいロゴができました

2023年6月26日11時に、お知らせをしました。

リリース文は、言うてもリリース文なので、noteで少しロゴ刷新の経緯や、そこに込めた想いなどを書きなぐろうと思います。

Hi-Unitの沿革

※もろもろうちの前段をご存知の方は、マルっとこの段落を飛ばしてくれて大丈夫です。以下のnote記事にも書いていますが、Hi-Unitのざっとした時系列は以下の感じです。

2016年12月、アルペックス社の担当と出会い、酒を飲む
2017年01月、初めての中国渡航。Hi-Unitの初号機プロトが誕生
2017年05月、初号機「HSE-A1000」が発売
2019年08月、有線ピヤホン誕生のキッカケとなる中野さんとの出会い
2020年03月、有線ピヤホン発売
2021年07月、Hi-Unitが会社になりました

2022年06月、有線ピヤホン3のクラウドファンディングで1億円達成
2023年06月、Hi-Unitの新しいロゴが完成

ロゴの始まり

2017年5月の発売タイミングで、ロゴも誕生。コラボレーション商品であることから、Unit(ユニット)の集合体というニュアンスを「Hi-Unit」という言葉で表現した感じです。なのでブランドというよりはシリーズ名というニュアンスでした。ちなみにパッケージのデザインを担当してくれた安田さんがパッケージに入れてくれたことで、Hi-Unitは生まれました。

「大好きな音楽をもっと好きになる」

パッケージに印刷されたロゴに「大好きな音楽をもっと好きになる」というメッセージを付記して、当初のHi-Unitロゴは誕生しました。
何か特別に議論を重ねたわけでもなく、流れのままフワッと作られたものでした。ちなみに結構いいロゴだなと今も思っています。

ブランドとして考えていこう

シリーズ名というニュアンスが強かったHi-Unitですが、先々の戦略を考えている中で、1つのブランドとして進めようという考えに至りました。
キッカケは、2018年に訪れた深圳南山区の小米(シャオミー)の旗艦店。
https://www.mi.com/service/mihome/detail?id=MI50021

スマートフォンメーカーのイメージが強かった小米ですが、実はありとあらゆる商品をラインナップしていて、ちょっとした衝撃を受けました。
その時、「あ!これかも…」と思い、頭の中の点と点がバババババーッと線になった感覚をを覚えています。
これはこれでむちゃくちゃ記事にできてしまうので詳細は端折りますが、
「求めやすい価格帯でリスナーの感動を深めるイヤホン」をコンセプトに、コラボレーションなどで共同開発を進めるブランドという方向性を定め、いつかは小米のようにいろいろなプロダクトを作れるようになったらいいな、と考えました。

この頃から、いつかのタイミングでロゴを変えたいな、と思い始めました。

そして2021年7月、Hi-Unitは会社となり、Hi-Unit branding.株式会社が設立されます。このタイミングで、あらためてブランドについて一人じっくりと考えを深めました。

 ・改めてどうなっていきたいのか
 ・実際のところ、どうありたいのか

いろんな考えや思慮を巡らせ、ビジネス的な観点からの視座を混ぜながら、あーでもないこーでもないと、思考を練りこみ、絞り込んでいきました。

 ・イヤホンだけにとどまらないプロダクトを企画をしていこう
 ・初めから掲げている「求めやすい価格」という概念を明確にしよう
 ・シンプルなプロダクト(新技術や多機能、高性能にとらわれない)
 ⇒ いろんな得意を組み合わせて、モノを作るコラボレーションブランド

ここからちょっと行き詰ります。どうしても思想的なコンセプトが必要だと感じたのです。

そこで自分自身のそもそも論に立ち返りました。
iPodが誕生した2001年秋、持っているCDを全部持ち歩けるのか!と興奮したと同時に、イヤホンに興味をもったあの日。それからいろんなイヤホンを試して感じたあの時の感動、「え!ぜんぜん音が違うやん!?」。

ソフマップクリエイターズランドで店長を務めていた当時。僕はその興奮と感動を多くの人々に伝えたくて、AVのバイヤーにイヤホンの取り扱いを希望したのですが、それは却下されました。「そんなイヤホン売れないよ」と。

どうしても諦めきれなかった僕は、自分が主管として動ける範囲にあった楽器分類で「中分類:PA」、「小分類:イヤホン・ヘッドホン」を新たに設定し、商品登録を行いました。そして在庫を使って試聴できる環境を含め棚を作ったわけなのですが、この原動力はなんだったんだろうか・・・と。

”いいな”と感じたものを、”いいな”と言葉にできて、それを誰かに伝えることができ、それを”いいね”と優しく受け止め合うこと。むっちゃええ世界やん、それ。
ブランドメッセージ「あなたの大好きをあの人の大好きに」の根幹となる想いにたどり着いたのです。

「大好き」が、大事なキーワードであることに気付く

ここまでまとめた後、表現を試したり言葉などを選びながら、メッセージ部分を変更したロゴが完成しました。

前田さんとの出会い

ちょっとだけ時間を戻します。2020年10月、大阪市内某所で開催されたイベントに、ひょんなことからゲストで参加することになりました。主催の方が前田さんをイベントに呼んでくれていました。僕がゲストのイベントに前田さんが遊びに来るという、どう考えてもあり得ないシチュエーションで僕らは出会いました。

その後はリリースのコメントにも書いた通りなのですが、詳細に書くと以下のような流れで時を刻みました。

 ・Twitterでフォローする
 ・前田さんの餃子愛を「たかし餃子」で知る
 ・facebookでもつながる
 ・メッセンジャーで、おススメの餃子屋さんを数軒ご紹介
 ・おススメした中野区の餃子屋さんで飲む

ですが、当時すでにとんでもないデザイナーである前田さんですし、勢いのあるデザイン会社のNASUさんですから、まさか仕事をお願いすることになるとは、想像さえしていませんでした。

そして2021年6月、前田さんがデザイン本の超ベストセラー「勝てるデザイン」を出版されます。

ちょうどHi-Unit branding.株式会社の設立準備にてんやわんやしていた頃です。ついでに東京から大阪に帰ることにもなっていたので、本当にてんやわんや状態でした。けれど、僕は本を読み倒しました。
全ての業務をほぼ1人で行う1人会社だったので、何かにつけて「デザイン」という壁にぶつかりました。本が出版されたのは絶妙のタイミングで、僕はそれがきっと自分のために出してくれたのだと信じています(笑)
とにかく、これは必読書です。
僕は、20代でこの本を読んだ自分に会ってみたくなりました。

そしてその後も、機会があれば前田さんにがっつりと絡んでいきました。そこで得た話す機会や作品に触れる機会は、まさに学びだらけ。

思うに、僕にとって前田さんとの出会いは、【デザインとの出会い】だったのだと思います。

デザインと出会った僕は、いつしか前田さんにこう話していました。
「いつか、必ず、前田さんにお仕事をお願いできるように頑張ります」

クラウドファンディングに挑戦

2022年4月、Hi-Unitは新たな挑戦としてクラウドファンディングを行いました。長い時間をかけて準備を重ねてきたものの、Hi-Unitにとってクラウドファンディングは初めての試みであり、1万円以上の製品を出したことのないブランドが、ワイヤレス全盛の時代に3万円を超える有線イヤホンを出す決断は、とても大きな一歩でした。

たくさんのご支援と応援をいただき、大きな目標であった1億円を達成しました。この結果が、Hi-Unitというブランドを新たなステージに押し上げてくれたと感じます。会社となったHi-Unitの1年目が助走期間であったならば、2年目は飛躍に向けた大きな土台を作れた年度でした。
そして支援品を全数出荷し、有線イヤホン3の一般販売の準備をしながら、僕はHi-Unitのロゴ刷新と商品ランナップのリニューアルについて本格的に考え始めました。

ロゴについては、事前に前田さんに相談した後、2022年11月18日に正式に依頼をしました。この日から、ロゴ刷新のプロジェクトが始動しました。

新ロゴが完成するまで

前田さんをはじめ、NASUの久本さんとのロゴ刷新プロジェクトの6か月間は、本当に濃密で、学びと気づきに満ちていました。その過程で、仕事への向き合い方や取り組み方まで考えさせられるものでした。
それはまた、NASUさんと僕らの6か月間というタイトルで、いつか書こうと思っています。
※プロジェクトには久本さんも参画してくれているので、以後はNASUさんと表記します。

少しだけ新ロゴ完成までの経緯を書きます。

NASUさんとのミーティングでは、キックオフからとてつもない資料が登場しました。今となっては、その資料は単なる叩き台ではなく、コンセプトを深く掘り下げるためのきっかけだったことに気づきます。
ともあれ「あなたの大好きをあの人の大好きに」というメッセージの核心に迫るインタビューから始まりました。

・好きと叫べる世界をつくりたい
・好き!良いね!を普通にいえる ゆくゆく世界平和
・新技術よりもシンプルに身近に 感動できるものがある

Hi-Unitロゴ刷新PJ 議事録

1回目の議事録に上記の記載があります。あれこれと僕が話したことを、箇条書きでNASUさんがまとめてくれた内容です。

「Hi-Unitは、世界平和を目指しています」

この僕の言葉を口にした時に、一瞬もキョトンとせずに受け止めてくれたのは、超歌手大森靖子さん以外では、NASUさんが初めてでした。もうそれだけでお願いしてよかった!とテンションが上がりました。
※余談ですが、靖子さんは「え!いっしょだね。というか世界平和以外に何を目指すの、だよね」と話してくれたことは、僕の大きな糧になっています。

そして新ロゴの根幹となった2回目のミーティング。そのミーティングでNASUさんからいただいた質問。

「あなたの大好きを、あの人の大好きに。」の原体験は?

議事録には、僕が話した内容が、こう記載されています。

・自分の好きなものを「大好き!」といって、普通に「いいね」となる世界→平和
・「大好き」という言葉が大好き
・自分の好きなことをすることで、周囲に何か言われることの違和感が子供の時からあった

Hi-Unitロゴ刷新PJ 議事録

とりとめもなく話している内容を、受け止めた側が言語化してくれると、とても自分自身の気づきになります。

そして前田さんが振り返りメモで、こう書いてくれていました。

「あなたの大好きを、あの人の大好きに。」
増田さんがこの思想にたどり着いたきっかけ。
増田さんは昔から周りの目を気にしない。「好きなものは好き」。
それゆえ、周りからバカにされたこともあり、違和感を感じていた。
自分の好きなものは好きと言って何が悪いのか?
増田さんは自分の好きなものいい、
好きなものを人に惜しみなく伝える。
これは、増田さんの「好きの自由化活動」なのかもしれない。
今、自分が好きなプロダクトを作って、好きの連鎖を生み出そうとしている。どう考えても今回、Hi-Unit、増田さんから「好き」というワードが切り離せない。
意味の方向は、いろんな意味の「好き」が包括される「キューピッド」が有力候補。
・好きを作る
・好きを広げる
・好きをつなげる
・好きの連鎖を作る
・好きをひとつひとつ積み上げて反響させる
グラフィックデザインはユーザーに向けたイメージもあるが、内部に向けた指針にもなる。

Hi-Unitロゴ刷新PJ 議事録「前田さんの振り返りメモ」

この後からロゴデザイン案について、候補を確認しながら、多種多様な議論を行いました。その中で、ロゴに併記するメッセージについてのやり取りがありました。
ロゴに併記する場合に、日本語は注目がそちらに行ってしまうこともあり、英文の方がいいというアドバイスをNASUさんにいただきました。

「あなたの大好きをあの人の大好きに」を、英文に直訳すると、
「Make your favorite into their favorite.」です。
でも新しいロゴでは、こう記しています。

My Bliss , Your Happiness

日本語と英語のニュアンス。単語の持つ意味合い。これらを理解していて、かつ相談をできる友だちが、運よく僕にはいてくれました。すぐに彼女に連絡をし、新ロゴプロジェクトの件、メッセージの意味合い、目指している世界観などを共有して、彼女がアドバイスと意見をくれました。

・「make」には、「させる」という意味合いがある
・結局主体がどこなのかって言うだけなのよ、英語って
・日本語だと曖昧さもメッセージになる。けれどこれが英語になると、訴求性が少なくて、メッセージが薄い
・自分が大好きなものを、押し付けたいということではないよね
・「あなた」や「あの人」って、「自分」であり「大切な人」だよね

かなこさんとのDMブレストより

このやり取りの中で、彼女が示してくれた英文の1つが、「My Bliss , Your Happiness」という英文でした。
あまり目にしたことのなかった「Bliss」という言葉。翻訳サイトなどで確認すると「至福」「この上ない幸せ」「歓び」などという意味が出てきます。
言葉の感じと文章のリズムがとても心地よく感じて、しっくりきました。また余白として、動詞をわざと入れないことで、
「私の幸せはあなたが幸せである事そのもの」という意味と、「私の好きなもの = あなたをハッピーにしてくれるもの」という意味を内包しています。

こうして、Hi-Unitの新しいロゴは完成しました。

さいごに

ここまで読んでくれた皆さま、ありがとうございます。
餃子から始まった新ロゴへの道のりですが、左側のマークは餃子ではありません。キューピッドの弓です。そこから放たれた矢は、Hi-Unitの中央を抜けて、いつかきっと皆さんのところに届いていくはずです。
2023年は、多くの新しいことが始まり、進んでいく年度になると思います。いや、もうなっています。

2023年01月、アルペックスハイユニット社の通常業務開始
2023年02月、新オンイヤースピーカーのクラウドファンディング
2023年06月、新ロゴの発表
2023年08月、ピッドホン2発売
2023年10月、新オンイヤースピーカー一般発売(予定)
2023年11月、有線ピヤホン1および2などリニューアル(予定)
2023年12月、セミワイヤレス【イ】ヤホン発売(開発中)
2024年01月、新サービス リリース予定(準備、調整中)

これからのHi-Unitに対するご期待とご注目を引き続きいただけること、そして今後も変わらぬご支援を心からお願い申し上げます。

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