物語のタネ その七『けもパンファイトクラブ #45』
カーーーーーーン!
第4戦のゴングが鳴った。
コーナーから、ジリっとペケ丸が一歩前へ出る。
普段のペケ丸ならゴングと同時に攻撃を仕掛けて、相手が何かをする暇も無く秒殺というパターンだけど、今回はそうはいかないようだ。
腹に巻かれた包帯。
襲われた時に負った体のダメージが心配だ。
マスクドスーパーフライも一歩前へ出て来た。
両手、いや、両翼を前で合わせて、まるでマントをまとっているかのようだ。
この姿、誰かに似ているな。
あ、仮面ライダーに出て来る死神博士だ!
死神、、、まさに死神だ。
特にペケ丸にとっては。
また一歩、スーパーフライがジリっとペケ丸にじり寄る。
その瞬間!
シュビュッ!
空気を切り裂くような突き刺すような音が響く。
ウッ!
ペケ丸のうめき声?‼
吾輩はペケ丸に視線を移す。
ペケ丸の右頬から血が伝っている。
「ほう、なんとか避けたな。まあ、一発目で倒れられちゃショーが台無しだからな、ひひひ」
スーパーフライが首をコキコキ鳴らしながら言う。
嘴が照明を浴びてギラリと光った。
そうか、嘴か!
「じゃあ、これはどうだ、ひひひ」
そう言うと、スーパーフライは嘴をフェンシングのようにペケ丸に向かって突き出した!
辛うじて避けるペケ丸。
だが、今度はその攻撃が止まらない!
ウォアウォウォウォウォワアチャーーーーー!!!!
連続突きが繰り出される!
ちなみに、この声は吾輩の想像。
なぜならスーパーフライは口を閉じているから。
繰り出される突きを辛うじて避け続けるペケ丸。
だが、本来の調子とはほど遠い身体では、その全てを軽やかに避けるということはやはり難しい。
嘴が刺さりはしないが、時折かすり、そこから血が滲んで来る。
嘴突きを繰り出しながら、ジリジリとペケ丸に迫るスーパーフライ。
ジリジリと後退りするペケ丸。
やがて、
トン
ペケ丸の背中にコーナーマットが当たる。
追い詰められた⁈
スーパーフライがそれまで閉じていた翼を広げた。
一体なにをするんだ⁈
スーパーフライの翼、そこには小さな手⁈
「プテラノドンの翼、あれは4本目の指が異常発達したもの」
振り返ると、やはりハム星さん。
今回もChugle検索ありがとうございます。
その手でペケ丸の左右のロープを掴むスーパーフライ。
これでは逃げようにも大きな翼が壁のようになって逃げ場が無い。
まるでカプセルの中に閉じ込められてしまったかのようだ。
「さぁ、捕まえた」
スーパーフライの目が赤く光る。
ペケ丸!!!!
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