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時計の契約:第5章20時

第5章:影に封じられた記憶

20時:光と影の謎解き

ちょうど開いたページにカタカナの「マ」を見つけた。二人は互いに手を取り合い、文字に触れた。すると、文字が浮かび上がり、大きなパズルのような形に変化した。やっと二文字目だ。こんなペースだと全部見つかるまでにどれだけ時間がかかるんだ。果てしない挑戦と体力の消耗が判断を鈍らせる。二手に分かれることも提案したが、広大な広場から一人で探すほうが無謀だという結果となり、二人は次の目的地へと進んだ。
 
次に向かったのは。学園のアーケードだった。美しいアーチ型の建造物で、学生たちが授業の合間や休憩時間に集まる場所だ。ここでは、魔法の実技の演習や模擬戦が行われ、生徒たちが魔法のスキルを磨いている。ここには書物はないだろうと思ったが、垣根の間に猫が入れるくらいの扉があり、その中に本が眠っていた。本は開く前にその後ろにカタカナの「ル」を見つけた。二人は互いに手を取り合い、文字に触れた。すると、文字が浮かび上がり、大きなパズルのような形に変化した。
 
次は庭園だ。学園の広大な庭園には様々な種類の魔法植物や妖精たちが生息している。ここでは、魔法の実践や自然との調和を学ぶための実習が行われる場所だった。ちょうど生徒たちが実習をしていた。一人の生徒が魔法植物がどれかを本で調べていた。俺たちはその本を借りて文字を探した。彼が探していたチューリップのような形をした花びらに顔があるおかしな植物のページにカタカナの「ヴォ」があった。二人は互いに手を取り合い、文字に触れた。すると、文字が浮かび上がり、大きなパズルのような形に変化した。
 
 
次はこの近くにある博物館へ向かう。古代の魔法具や魔術の歴史に関する展示物が展示されていた。学生たちがここで魔法の知識や歴史を学び魔法の世界に触れるということらしい。ここにはたくさんの本があるがどれだか全く分からなかった。先生が持っていた本が風でペラペラとなびかれた、一番最後のページになった時にカタカナの「ラ」が見えた。二人は互いに手を取り合い、文字に触れた。すると、文字が浮かび上がり、大きなパズルのような形に変化した。
 
次に訪れたのは、魔法の修練場だ。ここは、生徒たちが魔法の技術を練習するための場所で、呪文の詠唱や魔法の訓練が行われている。いろんなところで詠唱や魔法を放つ音や光が瞬いている。本らしいものはどこだろうか。本を持っている生徒一人一人も調べていった。一人だけ魔法が全く出ない生徒がいた。気になって二人はこの生とのところへ行った。本は特に変わったところがない。というか文字が全く読めないので探しようもないなと考えてしまう。はるが何かに気づいたみたいだった。
「もしかしてこれ本が逆じゃないかな?」本を上下変えてみる。するとさっきまで魔法が全く使えなかった生徒が特大の雷を落とした。回りの生徒は思わず拍手をしている。俺たちもつられて拍手をした。すると開いているページにカタカナの「ヴィ」を見つけた。二人は互いに手を取り合い、文字に触れた。すると、文字が浮かび上がり、大きなパズルのような形に変化した。
 
いよいよ残すはあと2文字だった。次に向かったのは、学校の裏で、そこには悪そうな生徒や明らかに学生ではない人たちが黒づくめの姿でうろついている。いわゆる闇市場だろう。ここには秘密裏に魔法具や禁断の魔法書が売買されている。怖い人たちににらまれながらも闇市場に置いている本を片っ端から探していく。奥まで進むとそこには真っ黒なフードを被った少女が一人立っていた。フードからは真っ白な美しい髪が見える。その子は本を持っていた。俺たちが近づくと彼女は気づいて逃げていってしまった。俺たちは慌てて追いかけた。


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