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「生きる」パズル

「俺は今日が最後でも悔いはない」と人生の先輩が言った。

欲しいものは星のように追い求め、やりたいことは風のように追いかける。
彼の一日一日は、鮮やかな絵筆で描かれ、瞬間の輝きに満ちて、今というキャンバスに色を塗る。

ならば私はどうだろうか。

私の生きる道は、永遠に続く航海のよう。
果てしない海を見つめながら、「なぜ」という問いを帆に掲げる。
そういう道しか知らない。

彼の足元には確固たる大地、私の前には広がる大海原。
それはどちらも旅の一部であり、どちらも探求の形だった。

彼は炎のように燃え盛り、瞬時に輝きを放ち、
私は静かに流れる川のように、時の流れに沿って進んだ。
時に波にもまれ、思いがけないところへ行ったこともあれば、波風のない場所で途方に暮れることもあった。

「生きる」意味は一つではなく、パズルのピースのように散りばめられ、
彼の一歩は大地を震わせ、私の一歩は波紋を広げる。

人生に答えなんてなくて、「生きる」模様は無数のパターンを描き、
どれもが美しく、どれもが真実。

「生きる」とは、無限の可能性の中で、自分だけの道を見つけること。
彼の道も私の道も、それぞれの輝きを持つ。



あとがき
この詩は、生きることに対する二つの異なるアプローチを対比しています。一つは、今を全力で生きる姿勢で、欲しいものを手にし、やりたいことをすぐに実行する生き方。もう一つは、生きる意味を問い続け、模索しながら進む生き方です。

ある日、人生の先輩に「生きる」意味って何でしょう、と尋ねたところ、「生きる」意味を考えたこともないと言われ、衝撃を受けました。ただ一つ、後悔しないように生きるだけだと。詩の中で表現したように、彼は欲しいものを星のように追い求め、やりたいことを風のように追いかけます。星も風も掴むことはできませんが、それを掴むための努力をするという意味です。そういう生き方も素晴らしいと感じました。

一方で、私の生き方は生きづらいと感じつつも、生きることの意味を考え続ける道です。海のように広がる未知を前にしながら、絶えず「なぜ」という問いを自分に投げかけています。いろんな方の人生観に触れることで、自分がまだ知らない世界に対する興味と驚きを感じています。

今日もまた、生きる意味を考える私です。あぁ、生きづらいと感じつつも、それが楽しいと感じてしまう

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