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どうか神様 生きる力をください

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生きづらいこの世の中で、生きていく
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#生きる

ただ一日、また一日

ただ一日だけ、 また一日だけ、 少しずつを惜しんで生きてみてください。 寄りかかれる存在がないなら、 私がいます、あなたの傍に。 日常の喧騒の中で、 どうか忘れないで、 あなたを思う私がいることを。 無理に笑わず、そのままでいいんだから。 一緒に感じることが、 心の柔らかさを取り戻す鍵、 少しずつでいい、生きてみてください。 ただ一日だけ、 また一日だけ、 あなたの中にある 大事なものを一緒に守りたい あとがき 今日も、近しい人が鬱症状で仕事を辞めました。 私にでき

僕は走りたくて

いつも夢の中で僕は走りたくて あの先に光って見える場所へ行きたくて でも足は重く、まるで泥の中 進みたくてもすすめない、足は地に縛られ 見えない鎖が僕を引き止める あの光の中で、無邪気に走り回る僕が 今の僕を嘲笑うように笑っていた あんなにも恐れを知らず、進んでいたのに 今はどうして、進めないのだろう? 現実は残酷に過ぎ去り 夢の僕さえ追い越していく 「焦るな」と自分に言い聞かせるけれど 時間は僕を待ってはくれない 耳鳴りのように響く声が、僕に問う 「進まないのか?お前

今を咲かせて

「いつか笑える日が来るように」 そうあなたは私に言うけれど、 私には今、この足元の泥の中で 花を咲かせたいと願う瞬間がある。 未来の晴れ間を待つよりも、 今、この冷たい雨の中で私ができることを探したい。 重い雲の隙間に差し込む一筋の光を探すように、 その光がまだ見えなくても、今、ここで 濡れた頬を拭い、震える心を抱きしめて、 私の「今」をどうにかしたい。 止まない雨の音を聞きながら、 私はこの雨にどう立ち向かうかを考えている。 「いつか」は優しい慰めかもしれないけれど、

道なき森と僕らの物語

※物語は全て無料で読めます😊 木が生い茂り、来るものを拒む森。 ここは一体どこなんだろう。 どうして僕はこんなところにいるんだろう。 僕は何度も自分に問いかける。 足元の落ち葉を踏むたびに、 過去の誰かの冷たい言葉が、頭の中こだまする。 『君はいつも間違っているんだ』 『誰も君を必要としてない』と。 それらの言葉が、僕を森に引き戻し、 何度も何度も僕を傷つける 「こんな森にいる理由なんて、もうとっくに忘れてしまった。どこに行きたかったのかすら、忘れてしまったよ」 果て

¥100

逆さまくじら

ある晴れた日、小さな村に住む少女は、一人海辺に座っていました。潮風がそよそよと吹き、波が静かに寄せては返す音が聞こえてきます。太陽は真上から照りつけ、肌をじりじりと刺すようでしたが、少女は気にせずに空を見上げていました。 少女は今日も、何かを待つように空を見上げていました。誰よりも小さな少女はいつも馬鹿にされていました。そんな時は、いつもこうやって海辺に座り空を眺めます。彼女がまだ幼かったころ、世界を旅する船に乗って村にやって来た大きな男の人と出会いました。その出会いが彼女

すたー

星を身につけたら、無敵になれると思うんだ どんな困難もやってのけて 怖いもの知らずに進んでいける、そう信じているんだ でもきっと、それには時間制限があるだろうから 僕の星を使うその日が来るまで、ずっとスターの前で待っているんだ スタートダッシュが大切だから スタートダッシュのスターは星ではないけれど 僕の星が使うその日が来るまで したくないことをしているんだ その時が訪れたら、僕は気づくんだろう 星はただの象徴で、力は自分の中にあったと 待っていた時間も、犠牲も、すべて

神社の呼び声

神社の階段は100を超えるだろうか 額からほとばしる汗と 永遠に続く石階段に意識が飛びそうだ 急に思い立って来たものの 神社の階段ってこんなに辛かったっけ そんな独り言が漏れる ただひたすら登るのは もしかしたら誰かに呼ばれたからだろうか そんな気がしていた 最近、僕はひどく疲れていた 特別大変なわけではないけれど ただの睡眠不足だろう よく眠れない日々が続いた 登るごとに風が木々をざわめかせ 鳥のさえずりが不思議と心に響く 少年時代の記憶がフラッシュバックする 友達

風が運ぶもの

夜の静寂が訪れる頃、 一陣の風が、過去の記憶を運んでくる 何の前触れもなく、胸に触れるその風は 忘れたはずの痛みや後悔を呼び起こす 心がざわめき、かつての感情が蘇っては 吐きそうになる自分が風に乗って 嫌な思い出に一瞬で胸を支配される 心の平穏が揺さぶられ、不安が顔を覗かせる 怯えにも似た感情が覆いかぶさり 過去に縛られるみたいだ 先ほどまで緩やかに流れていた風が 酷く冷たく、荒く吹く フラッシュバックは自分をどこまでも沈め 言葉にならない感情で埋め尽くされてしまう

青の時間と過去

路地の奥にある時計店「アズール・タイムズ」は、時間と空間の狭間である。この店では、時計が止まった瞬間青く光り、その光は「青の時間」と呼ばれる過去へと訪れる者を導く。 彼女はその一人だった。行き場を失くした劣等感がこの店まで引き寄せた。店の扉を押すと、賑やかだった店内の時計たちが一斉に停止し、すべてが深い青色に包まれる。時計師は彼女に語る。「ようこそお嬢さん。ここは青の時間への扉、時間は流れを失い、過去と現在が繋がる場所です。」彼女は安心したかのように微笑み応える。「ずっと、

アクアブルーの夢

そっと目を閉じてイメージした私の未来はどうなっているんだろうって 眠気にも似た感覚で瞼を閉じ、イメージするは未来の私 アクアブルーの世界が広がる たくさんの人が浮かぶ でもそれはフィルターをかけたように アクアブルーに染まって映る 見え方が違う、心のせい? 過去の記憶が色を変えたの? どうしてこんな風に見えるんだろう? 世界の色がアクアブルーしかなくなったような 靄がかかったような 心が創り出す幻影 希望と恐れの狭間で揺れる 儚い未来の景色 その中で見たものは、私

透明に溺れて

すごく悲しい時に、大丈夫、あなただけが辛いんじゃないからって 落ち込んでどうしようもない時、ほら、前を見て進まなくちゃって 絶望で心が追い付かない時、みんなそうよ、そうやって強くなるのよって 声にもならないくらい辛くて胸が痛くても、新しいステージへ行く準備ができたのよって それでも心は海の中で、静かに漂うクラゲのように 「そうじゃない気がするんだ、そこじゃない気がするんだ」 とつぶやく自分がいる 透明な心を、海の流れに委ねて漂いたいだけなのに 悲しくて落ち込んで絶

青い夢の一分間

プールの中に潜れば 世界が広がる 美しい魚たちが 静かに泳いで見える 魚と息を合わせて 深く深く沈む だけど息が続かず 再び浮かび上がると そこには日常が 静かに溢れていた 「もうプール上がるよ」と 耳に届く声 あと1分だけでいいから この世界を忘れさせて あと1分だけでいいんだから あの青い世界に夢を見させて あとがき 詩のテーマは、現実と非日常の対比を通じて時間の流れと儚さを感じさせることです。プールに潜ることで現実の束縛を忘れさせ、深い静寂を表現しています。詩の

青とプール

プールに足を浸して、水を揺らしてみた。 水面に反射する青い空がゆらゆらと揺れた。 いつか絵本で見た、遠い遠い美しい海に浮かんで、 海の青さと波の揺らめきに心を奪われたみたいに。 どれほど世界は広くて、 人はちっぽけなのか知ってみたい。 私はプールの中に入って、体を丸め浮かぶ。 息を止めて、目を閉じて。 暑い夏の日のプール 絵本の世界の大海を感じて。 息が途絶えるときには 思いっきり顔を出して 息を吸って 私は生きていると実感できるだろうか。 あとがき この詩は、プールで

枯れたせせらぎ

かつて、せせらぎのように清らかに流れていた川 その水は透き通り、魚たちは跳ね、虫たちは舞い、 動物たちが水を飲みに訪れる場所だった。 川は誇らしげに言った、「私がここにいるから皆が助かるのだ」と。 だが、その声の中には不満があふれていた。 魚が来れば、川はその泳ぎを非難し、 虫が舞えば、川はその羽音を嘆き、 動物たちが水を飲むたびに、川は愚痴をこぼした。 不満と嘆きが積もるにつれて、 川の水は次第に淀み、澄んだ色を失っていった。 かつての透明な流れは、今や濁った泥の色に変わ