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原典を読みながら環境・農業問題について考えてみる

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聖書や日本書紀、平家物語などを読みながら、「日本」について外国人に説明するにはどうしたらいいかとか、農村部の論理と都会人の論理がどう違うかと言ったことについてのヒントを考えていま…
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#神皇正統記

「なぜ勉強をしなければならないか」への答えは「人間らしく生きるため」他

「なぜ勉強をしなければならないか」への答えは「人間らしく生きるため」他

子どもの頃、よく、「ひょっこりひょうたん島」を見ていました。

あの中に「勉強なさい」と言う歌が出てきました。

子どもたちが勉強なんかしなくたっていいじゃないかと言うと、お返事が人間らしくなるためだと言うやり取りが、子ども心に印象に残った記憶があります。

今聞いてみると、ちょっとズレてるかなぁと感じる点はあるのですが、ただ、勉強する根拠=人間らしくなると言うのは、この歌の論旨とは別に「あってい

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日本の環境再生型農業政策はけっこう進んでいるかもしれない~課題はあるけど・・・

日本の環境再生型農業政策はけっこう進んでいるかもしれない~課題はあるけど・・・

アメリカで環境再生型農業に5千億ドル(=1ドル130円換算で65兆円)規模の予算案が構想されているとの報を読みました。

思ったのはクリントン政権時代の「情報ハイウェイ」構想です。アメリカ全土に光ファイバーを張り巡らすと打ち上げられた構想です。

日本の場合、そう言う派手な打ち出しはなかったのですが、結局、日本中どこでも動画が見れるぐらいの状態にはなっています。

温暖化対策の件もそうで、日本は1

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善・悪の根拠は「外的規範」なのか

善・悪の根拠は「外的規範」なのか

善人が不幸になり、悪人が幸福になる、天道、是か非か(天の道は正しいのか、間違っているのか)

史記・伯夷列伝はこの問いを記しています。

さて、性善説を唱える孟子と反論する告子の論争は、「善・悪」と言う事柄について、興味深い視点を提供しています。

性は生、つまり、生きている事自体が人間の本性だと言う告子に対して、孟子はだったら犬だってウシだって生きている、
犬やウシの本性と人間の本性は変わらない

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南北朝時代、善政についての朝廷への誡め

南北朝時代、善政についての朝廷への誡め

「内乱の中の貴族(林屋辰三郎 吉川弘文館)」を読んだのですが、

花園上皇が皇太子量仁親王に「誡太子書」を与えたと言う記述を読んで、関心を持ちました。

「誡」はいましめると言う意味で、文字通り、皇太子をいましめるために書かれたのが「誡太子書」です。

この文は「太子は宮人の手に長じて未だ民の急を知らず
(朝廷の人達の手で育てられていて、民衆の大変さを分かっていない)」
と言う言葉から始まるのだそ

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宗教は非科学的だから信じないと言う論理

宗教は非科学的だから信じないと言う論理

「あなたは神を信じますか?」

そう聞かれたらどうお返事しますか?

宗教なんか信じない…

そう答える人も多いと思います。

その理由は?と聞くと、
「非科学的だから」と言う人も多いでしょう。

実を言うと、この理屈はかなり「怪しい」のです。

そんなことはない、どんなに自然を調べても「神」なんか発見されないじゃないか!

…当たり前です。「神」が、「自然」の外部にいて「自然」を造った存在だと考

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社会の改革と個人の不幸

社会の改革と個人の不幸

「るろうに剣心」と言うアニメがあります。

主人公の緋村剣心は、明治維新を実行したい志士達に頼まれて、幕府側の人を殺す刺客となります。
しかし、剣心に殺された人達にも家族がいたのです。

こうした社会の改革と個人の幸・不幸の矛盾について、史記は、伯夷列伝の中で「天道は是なのか、非なのか(天の道は正しいのか、間違っているのか」と述べています。

殷の紂王は暴君でした。周の武王は紂王を打倒しようと考え

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ちょっと寄り道して聖書と神皇正統記を比較してみる

第一物質である「水」から天地が作られている過程を聖書がどう描いているかを述べてきましたが、

今回はちょっと寄り道です。(シリーズ三回目で早くもと言う感じですが)

聖書の天地創造物語では、第一物質である水を前に、神様が「水の中に大空あれ、水と水を分けよ」と述べて、「大空」が出現し、その大空を神様が「天」と呼んだとあります。

しかし、これは第二日の事です。

では第一日は何をしていたのかと言うと

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