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原典を読みながら環境・農業問題について考えてみる

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聖書や日本書紀、平家物語などを読みながら、「日本」について外国人に説明するにはどうしたらいいかとか、農村部の論理と都会人の論理がどう違うかと言ったことについてのヒントを考えていま…
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2019年5月の記事一覧

縄文から弥生への記憶なのか

縄文から弥生への記憶なのか

つまり、6つの別伝が終わった後、再び日本書紀の本文が始まります。

次に神有り、埿土煑尊埿土・沙土煑尊、次に神有り、大戸之道尊・大苫邊尊。次に神有り、面足尊・惶根尊。次に神有り、伊弉諾尊・伊弉冉尊。

こうして、有名なイザナギ・イザナミが登場してくるわけです。

ところで、日本書紀冒頭部の第二別伝では、「葦牙の抽け出たるが如し」と葦の芽のようなものがあったとしています。

この葦の芽について、他の

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罪と罰の起源

罪と罰の起源

「最初の保持者は自分の所有物を示し、厳かにそれを手渡し、こうして受領者を買う」

マルセル・モース「贈与論」によると、代金を払う前に商品を手にしている時、買い手は売り手に「買われている」のだそうです。

非常に奇妙に感じる事ですが、こう考える事で万引きが犯罪となる事が説明出来ます。

つまり、品物を手にして代金を払うまでの間、買い手は売り手に買われている、その状態を解消するには、買い手は売り手に代

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日本書紀第四別伝と古事記の神々の系譜

日本書紀第四別伝と古事記の神々の系譜

他の別伝とは少し趣きが異なる日本書紀のアフター天地開闢物語の第四別伝。

神々の系譜をこう述べています。

天地初めて分かれしときに、始めに倶に生れる神有り。国常立尊と号す。次に国狭槌尊。又曰く、高天原に生れる神、名付けて天御中主尊と曰す。次に高皇産霊尊。槌に神皇産霊尊、皇産霊、此には美武須毘と云ふ

つまり、第四別伝は、「天地開闢の時に国常立尊や国狭槌尊が生まれた」と言う記述と「高天原に天御中主

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