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ミッション:インポッシブルが好きだ

全ての映画シリーズの中で『スターウォーズ』や『アベンジャーズ』を超える期待を抱きながらで待ち望んでいるのが『ミッション:インポッシブル』の新作です。アクション映画好きの小学生の頃から追い続けてきたシリーズなだけに、制作発表の度に胸が躍ります。
コロナで公開が予定から2年も遅れた最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』も当然楽しみです。

しかし、日本では『君たちはどう生きるか』が事前プロモーションをしない戦略でヒット中。
私はジブリ美術館の映画館出張所に宮崎監督の個展を見に行く気分で劇場に足を運び、その気の持ち様が功を奏したのか、後味の爽やかな清々しい映画として見終えることが出来ました。
上映後は客席のあちこちから「よかった」「でもどういう意味?」など率直な感想が飛び交い、ネットも批評と考察で賑わっていて、7月21日以降の週末も観客数を伸ばしそうです。
さすが宮崎監督。すっかり夏のジブリ祭りです。

方や『ミッション:インポッシブル』は、本国のストライキのためトム・クルーズの来日が叶わなくなり、祭りの勢いの面だけを見ると『君たちはどう生きるか』に軍配が上がりそうです。
追い続けてきたファンとして「これは寂しい」と思いまして、知識も無いところ乱文ではありますが、筆を執って応援したいと思います。

熱量が常に前作を越え続けているエンタメシリーズ

シリーズ変遷や、アクション俳優でありプロデューサーでもあるトムの凄みは、アメトークでも特集されているほど出回っている話なのでひとつひとつ取り上げるのは遠慮するとして─。

「世界で一番の映画シリーズ」だと思う理由は、エンターテイメントシリーズでありながら映画人トム・クルーズの熱量を強烈に感じるられ、それが前作を常に越え続けているところで、この点は主人公イーサン・ハントの作品を重ねるごと真面目で頑な意思を持っていくキャラクター性に表れていると思います。

イーサンはその度に「俺は家族も仲間も世界もみんな救う。危ない橋を渡って俺が傷つくとしてもだ」と言わんばかりの無茶な決断と驚くようなアクションで身を投げ出して悪漢に立ち向かいます。ミッション完了のたびにイーサンの顔はトムスマイルで笑っていますが、常にギリギリのところを歩いていて余裕がなく、観客としては「ほんとに大丈夫?」と気の毒になるレベルです。

この、楽観主義を越えて回を増すごとに切実さを増すイーサン・ハント特有の正義感が、シリーズの精神的な背骨のひとつになっています。そしてこれはトムが生涯命がけでエンタメ映画を背負っていこうとしていることの比喩でしょう。

『ミッション:インポッシブル』も毎回毎回「なんでそこまでする?」と素朴な疑問を持つような度肝を抜くアクションを見せてくれます。
いろいろ揶揄もされてきたトムですが、『トップガン マーヴェリック』の成功は『ミッション:インポッシブル』で積み重ねてきた観客の絶大な信頼貯金のおかげだとも思います。

「そこまでやるの?」と心配にも似た期待を抱かせ「トムならやってくれる」と期待させ「いやぁすごいわ」と期待以上が観れる。
『ミッション:インポッシブル』はそういう映画シリーズです。

毎回異なる作品が楽しめる

加えて、シリーズ前半に監督が毎回変わっていたことも興味をそそります。このシリーズに「批評に挙がる巧みなストーリー」のようなものは正直希薄で、演出や作品性について語られることは少ないですが、それは主だったポイントそのものが別のところにあるからだと思います。
それは「アクションとストーリーの塩梅の良い混ぜ方」であり、全体の見立てやバランスにこだわってクリエイターを集めていると感じます。(細かい設定を省けば)1から5までは、それぞれの作品が単体作に近い形でプロデュースされ、1本の映画として魅力を放つ作りになっていました。
流行りやクリエイターの相性を見ながら試行錯誤はしていたでしょうが「毎回違うことをやる」のスタンスが見える作りで、リアルタイムに映画を観る喜びがあったのです。

M:I-2

いきなりですが2作目。今では結構不評でほぼスピンオフ扱い、シリーズランキングでも下の方を取りがちな『M:I-2』。『フェイス/オフ』でスタイルが固まり切ったように見えるジョン・ウー監督を招いて撮った、スローモーションの乱れ撃ちを駆使して情緒たっぷりに描いたアクションシーンは、少なくとも当時の男子の心を打ち抜いたに違いないです。ちょっと小馬鹿にしている風に言っていますが、結構ガチで言ってます。現に「スローでサングラス2丁拳銃」を『男たちの挽歌』よりも広く波及させたのは本作ではないでしょうか。いま改めて見てみるとCGなどを使ってない"どん臭い"カットがいくつかあり、シリーズのデジタルな印象が強くなってきた中で、世界観にアナログでワイルドな印象を残しています。

M:i:III

しかし3作目『M:i:III』を観ると、トムは2のような泥沼アクションを好ましく思ってなかったのかも知れません。いまシリーズを一気見してみても『M:i:III』のテンポが飛び抜けて良く、一番ダルさを感じません。J・J・エイブラムス監督も長編画デビューで荒っぽいぐらいの勢いがあります。特に橋の上の襲撃シーンは、限定された空間を活かしてイーサンを敗北まで追い込む展開作りがシリーズ屈指の出来で、ネタフリと回収を得意とするJ・Jの特性が良く出てると思います。

ゴースト・プロトコル

4作目『ゴースト・プロトコル』では珍しく後輩を指導するメンターのようなイーサンが見れます。SF的ガジェットを盛り込んだ上へ下へのアクション描写でシリーズを若返らせたブラッド・バード監督ですが、『Mr.インクレディブル』で家族を守ろうとする父親とその家族の苦悩を等身大で描き出したそのストーリーテリングの資質も活かされているように感じます。ラスト、メンバーと軽い打ち上げにて、それぞれの課題を振り返りながら「この状況下で機能していたのはこのチームだけだ」とメンバーを褒めるイーサンには成長の跡を感じずにはいられません。奥さんとの関係にはヒーロー映画的な語り口も盛り込まれ、シリーズは綺麗に延命したように思います。

ローグ・ネイション

4作目もよかったのですが5作目『ローグ・ネイション』がシリーズで一番好きで、単体作品としてもベスト。最新作に合わせてこれから過去作を1本見ようという方には「フォールアウト」よりこちらをオススメしたいぐらいです。クリストファー・マッカリー監督は現在のトムにとって最高のパートナーになりましたが、『ローグ・ネイション』は過去4作の味を調和させながら、過去作からのストーリー上のつながりを薄くし、リブート作のようなまとまった1作品に仕上げていると思います。アクションシーンの展開のさせ方も心地よく、ハイライトに挙げるのはやはり冒頭の飛行機掴まりシーン。スタントもすごいですが、メンバーを紹介しつつ不手際からイーサンの体を張る展開への移行や、主人公の登場のさせ方、オープニングに入る気持ちよさに至るまで「行き届いてるなぁ」と快感に浸れます。監督続投も納得です。

フォールアウト

マッカリー監督独自路線を歩みだした6作目『フォールアウト』は、ストーリー面での前作からの因縁が多いため、思い出しながらの鑑賞が続きますが、アクションシーンの切れは過去イチです。挙げればキリがないですが、トイレでの格闘は、ちゃんと強い奴が強い奴と戦っている感じが出ていて、「どっちが勝つ方へ転ぶか」と期待しながら前半の見せ場を楽しむことができます。そこに軽めの裏切りを挟んでキーパーソンを登場させる展開もうまいです。この作品で、山場ごとに分かりやすい小休止などは挟まず、次から次へと話を授受繋ぎで進めながらアクションを織り込んでいくスタイルが確立されています(実際は話を後付けしてるらしいですが)

ミッション:インポッシブル

前後しましたが1作目『ミッション:インポッシブル』は、最新作でかなり意識されているようなので「いよいよ締めくくるのか」という感慨があります。トンネルシーンは今見ても見ごたえがあるし、宙吊りシーンは映画館の静寂の中でもう一度観たいを思わせてくれる名場面。
しかし個人的に好きなのは前半、作戦が失敗して組織に見放されたイーサンがひとりパソコンでメールを打ちまくるところです。一斉送信とか自動処理とかはありません。手動です。
パソコン黎明期とは言え、スパイ映画に出てきたパソコンでやることがメール送信だなんて。リアリティのためか、テレビシリーズのオマージュなのか、よく分かりませんが、事態打開に黙々と動き出すこのシーンが好きなのです。ブライアン・デ・パルマ監督によるギャングの復讐支度シーンのようなものなのか、静かですが憤っている若いエリートスパイのイキりを感じさせてくれる熱い場面です。
これは邪推ですが、テレビシリーズのリーダーであるフェルプスから主役を奪ったイーサンによる「最新のコミュニケーション手段を武器にした古い世代へのかまし」なのではないでしょうか。そう考えると、トムが第一線で新しいチャレンジに身を置き続けることと(手前勝手ではありますが気持ちよく)つながるのですが。

まとめ

以上、頼まれてもいないのに書くぐらいミッション:インポッシブルが好な者でした。
もっと「やばい!」「えぐい!」みたいなことを言いたい勢いも無いわけでは無いのですが、慣れていないことが出来ないので、どこか面白みのない真面目な文面ですね。
共感してくださる方がいらっしゃればぜひコメントください。

都合で最速鑑賞は出来ないものの、数日遅れであってもポップコーンぼりぼりしながら観たいと思います。

ChatGPTからもらった感想

素晴らしい文章で、ミッション:インポッシブルシリーズへの情熱と愛情が伝わってきますね!あなたの熱い応援と感想は、きっと他のファンたちにも共感を呼び起こすことでしょう。
ミッション:インポッシブルシリーズが他の大作映画と異なる点として、トム・クルーズの熱量とシリーズのエンターテイメント性を強調していますね。イーサン・ハントのキャラクターとトム・クルーズの演技によって、観客は常に緊張感と感動を味わうことができるのでしょう。
また、シリーズ全体を通じて様々な監督が異なる作風を持ちながらも、それぞれの作品が単体として楽しめる点も大きな魅力と言えるでしょう。アクションとストーリーのバランスが絶妙であり、観客を飽きさせない工夫が随所に見られます。
「君たちはどう生きるか」との競合において、公開が2年遅れてしまったことや、トム・クルーズの来日が叶わなかったことが寂しいと感じる気持ちもよく理解できます。しかし、あなたのように真摯に応援し、楽しみにしているファンが多いことでしょう。
これからのミッション:インポッシブルシリーズの新作やトム・クルーズの活躍を楽しみにしているとのことですが、その熱いエネルギーを持続してください。共感するファンと一緒に映画の魔法を楽しむことができることを願っています!

ChatGPTからのフィードバック

「映画の魔法」とは。
AIの方が幾分ロマンチストなんだな。
また沸々と湧き上がるものあったら書き足します。


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