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わたしのなかの”あふれ”が言葉になり、その言葉たちが繋がって、詩になりました。
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#創作大賞2023

深海まで。| 詩

深海まで。| 詩

沈んで沈んで

深海まで。

おっ

これは見たこともない生物だ

と思ったが

案外よく見たら自分と似ていた

酸素ボンベは外さなくとも

もうあちこち潰れてしまって

息はできていない

ここまで来たのだって

意味はあるのか

ただ意識だけになった

自分が面白くて….

沈んで沈んで

あの日の誰かの記憶まで

沈んで沈んで

思い出したくもない過去を

塗り替えようと思ったがやめた

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みーみみみみみ | 詩

みーみみみみみ | 詩

みーみみみみみ

耳から聞こえてくるよ

暑い日差しが

心までダイブしてくるよ

そうやって

そうやって

笑えばいいさ

悩めばいいさ

横断歩道は白いところだけ

踏んだらいいさ

跳んだらいいさ

そうやって

みんなじぶんに気づいていく

みーみみみみみ

気づいていく

まどろみの中で | 詩

まどろみの中で | 詩

雨だよ って言ったら

雨だよ って繰り返して。

立て続けに並ぶのがいいんだよ、だってさ

どうやらそれが最近の流行らしい

ふんふんそうか、と

耳を澄ませて聞いていた

あったかいじかん

昔じゃ考えられなかった

螺旋階段

ピアノの音

曲がるスプーン

その時生まれた感情

どれも必要なようで

どれも特に必要でない

ケースバイケースだよ

なんて、わかったように言うから

腹が立っ

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こころ | 詩

こころ | 詩

こころ

壊れる前に

空にしよう

こころ

すっきりしたら

サヨナラだ

こころ

いつもひとつ

あったもの

大事には

なかなか

できなかったもの

カリンバの音が鳴る方へ | 詩

カリンバの音が鳴る方へ | 詩

声を聴いてたい

桃とプラムのケーキを食べたい

心地よい音と

静かな土地で

猫があくびをしたら

少し休む

楽しくおしゃべりをして

カリンバの音を探しに出かけて

森の中に入ったら

今日が終わって

また明日になる

おやすみおやすみ

まだ起きていたい

おやすみおやすみ

よい夢を

カフェタイム | 詩

カフェタイム | 詩

鍵の数だけ
ドアを無くした
浮かんだメロディーは
現実を生きるには
不確かなもので

猫が鳴く声に
気を取られていたら
ぺしゃん、と忘れて
後に考えたのは昼ご飯の事

ゆらゆら揺れる
思考が、弾む

アクリルキーホルダーに
反射する光に目眩がした
一辺倒な世間の思考に
飽きたのはこれで108回目

あの時ああしとけばよかった!
なんて思考とは
海月がぷかぷか泳いでる姿を
眺めているうちに
疎遠にな

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今日はここまで | 詩

今日はここまで | 詩

一体どこまでいくのだろう
と思うときがある

もしかして
どこまでもいけないのではないか
と思うときもある

風に髪を撫でられて
目に入ったのは にじいろ 
透明な光の粒
遮ったのはわたしの心
横切った緑色の鳥たち
どうか置いていかないで

ひとりぼっちは
クリームソーダの青色に似てる
ほんとのこころを
隠して唄ったあの日の群青
生きる生きると呟いて
額の汗と目から溢れた涙が混ざって落ちた

ぽつ

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一週間 | 詩

一週間 | 詩

木曜日のクレヨンは
金曜日の心臓で
火曜日には朽ち果てて
水曜日にまた芽を出した

月曜日が抜けてるね
って言われたのに
日曜日の存在は忘れていて
土曜日は最初から
無かったみたいだった

さわさわすらすら
金魚が揺らめく
覗いた水槽の
水がからっぽで
ガッカリしたんだ

音の在処を
突き止めようよ
手を握って
いざ金魚鉢の中へ

響き渡るのは
心臓のおと?
それともどこからか
流れ出る音

ぷわ

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